『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

50話 脱出方法

 50話 脱出方法




(あのゴーレムは、まあ、もちろん、ぶっ壊す訳だが……それよりも、今、優先して考えるべきは、やっぱり出口だな……)


 ゴートは、何度か、『転移による脱出』や『フロアの破壊』を試みてみたが、この場所は、まるでゲームのオブジェクトのように、何をしても干渉できない仕様となっていた。


(いくらレベル1億とか1兆とかって途方もなく強くなっても、ここに閉じ込められたままじゃ、なんの意味もない……)


 少しだけ深く考えてみることで、ゴートの脳内に、根源的な恐怖が沸きあがった。
 出口などなく、永遠に、ここで、ただ無限に強くなり続けるという恐怖。




(流石に、それは勘弁……そんなホラーは許容できねぇ)




 未来を演算すると、恐怖はつきもの。
 そんな恐怖の中で、だから、


(……てか、そもそも、あのゴーレムに、俺は勝てるのか?)


 ゴートは、少しだけ冷静になる。
 いまだ、急激なレベルアップによる万能感に溺れている途中だが、だからって思考力がゼロになった訳ではない。
 根源的恐怖に引っ張られたゴートの思考は、そのまま、


(存在値数百万という世界を、俺はあまりにも知らない。だが、レベル数百万という下地があれば『何でも出来る』という想像くらいはできる。あのゴーレム、流石に俺よりも弱いだろうが……『何でも出来る領域』にある可能性は考慮すべき……つまり、ナメるべきじゃない……)


 存在値が増えれば、単純に、出来る事が増える。
 使える魔法やスキルの種類は爆発的に増え、
 積めるアリア・ギアスの幅だって大幅に広がる。


 足下をすくわれる可能性はゼロじゃない。


(少し……慎重にいくべきか……一応、最悪の場合を考えて逃走ルートの確保を……)


 と、そこまで冷静に考えたが、
 しかし、ふと、脳内を、歪んだ自意識が占めた。


 考え方のスイッチがコロコロ切り替わるというのは、誰にでもよく起こる事(勉強しようと強く思っていても、ふいに、今日は『~~だから、やめておこう』となるアレ的な)で、だから、


(いやいや、いやいやいや、流石に、今の俺が逃げなきゃいけないほどの相手なんていないって……つぅか、いちゃいけないんだよ、そんなバケモノ……)




 圧倒的に強くなったという絶対的な自信が、ゴートの判断力を低下させていた。
 ラムドの知識から、『強さ』の基準はしっかりと理解できている。
 存在値は、90前後で世界最強。
 UV1のように300を超えていると神様級。


 それが、強さの常識。
 レベル数百万という世界は狂っている。
 今のゴートに勝てる者などいる訳がない。
 『多少は相手になる』というだけでもありえない。


(ちょっと不気味だからって、ビビるなよ、俺。……情けねぇ。自分のレベルを考えろっての)


 今のゴートは、非常識を超えた非常識。
 飛びぬけて異常な領域に立つ突然変異。
 ゴートは、キチンと、『今の自分』を理解している。


 異世界モノで稀によく見る『自分の力の程がよくわかっていないやつ(また俺なにかやっちゃいました? 系主人公)』とは決定的に違い、ゴートは、『自分の力がイカれている』とハッキリ自覚している。




(俺は既に神を超えた世界最強……こんな『食玩のハズレみたいなゴーレム』に臆する必要はない)




 ゆえに、引けなくなる。
 全能感に引っ張られる。


 簡単に言えば、今のゴートは、突如、とんでもない力を手に入れてしまったため、いろいろと脳がマヒってしまっている。
 現状に対する『ただしい理解』が、むしろ、前頭葉の働きを鈍らせている。
 この状況下では、恐怖による冷静さなど、すぐに吹っ飛ぶ。




 そして、だから、ゴートは……




(とりあえず、出口を知っているか聞いてみる。知っているなら、聞きだしてぶっ壊す。答えないようなら、答える気にまでボコボコにしてからぶっ壊す。もし出口を知らなかったら……まあ、それはそれで仕方がないからと、他の方法を探す算段をつけながら、とりあえず、経験値のためにぶっ壊す)


 ボキボキと、両手の関節をならしながら、
 堂々と、フッキ・ゴーレムに近づいていく。





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