『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

30話 無敵のラスボス『ゴート・ラムド・セノワール』

 30話 無敵のラスボス『ゴート・ラムド・セノワール』




「ん……ん?」


「あ、起きました?」


 目を覚ましたUV1に、ゴートは呑気な口調で声をかける。




「?? いったい、何が……」


 UV1は、自分の身に何が起こったか分からず、呆けていた。


 そんなUV1に、


「大丈夫ですか? 記憶とか、飛んでいませんか?」


「と、当然だっ! ……ぃ、イフリートは? どうなった?! というか……な、なぜ、私は生きて……絶死のアリア・ギアスを使ったのに……どうして……」


 気絶する直前の記憶はバッチリあった。


 イフリート7体との闘いで、完全に動きを止められ、
 その中で、リミットを迎えてしまい、
 『もう終わった』と思うまもなく気絶した。




 混乱しているUV1を、


「……イフリート?」


 ゴートは、その『?』が浮かぶ表情をもってして、さらに混乱させる。


 怪訝な顔になったUV1に、ゴートは、とうとうと、


「へぇ、UV1様は、イフリートと闘っている幻覚を見た訳ですか。そいつはなかなかの地獄でしたね。確か、イフリートと言えば、伝説の精霊だ。……まあ、俺の方の幻覚も大概でしたが」


「……げん……かく?」


「はい。どうやら、俺たちは、罠にかかったようですよ。ちなみに、俺は、複数の龍種に追われる幻覚を見ていました。目の前でUV1様の首がエンシェントドラゴンに刈られて、俺はブレスで燃やされました。……『あ、死んだ』と思った時、ハっと目がさめたといった感じです」




「……私が……幻覚を? ばかな……私の耐性値は……」




 ゴートの話を聞いて、UV1は頭をひねる。
 職業柄、幻覚や毒などの耐性はかなり高い方。


(いや……しかし、完全耐性ではない……ありえない話ではない……実際、私は、転移の罠を見抜けなかった……その副次的な作用として、あの幻覚を見せられたという可能性もゼロでは……つまり、『ここ』は、それほど高度な罠が張り巡らされているダンジョンということ……こんなエックスのダンジョンに……?)


 疑問は連鎖する。
 しかし、無限ではない。


(まあ、絶対にない訳でもないか……もしかしたら、強大かつ特異なアリア・ギアスがかけられているのかも……)




 考え込んでいるUV1を見ながら、


(とりあえず、ごまかせたかな……)


 ゴートも心の中で、


(俺のフェイクオーラもバッチリと発動している。これなら問題ない)


 既に、ゴートはUV1よりも遥かに強い。
 UV1の目では、今のゴートが全力で展開させているフェイクオーラを見通すことはできない。


 ――これならば、乗り切れる――










 ……そこで、UV1が、ゴートの目をジっとみつめ、


「……状況の確認がしたい。ゴート。私達は転移の罠で飛ばされ、飛ばされた先のフロアで幻覚の罠にかかった。そういうこと?」


「じゃないですかね。俺だって詳しくは分かりませんよ。ただ、幻覚にかかった事はこれまでに何度かあります。そして、さっきのは、その経験に近かった……そして、ダンジョンには、そういう系統の罠が多い。それらの前提を元にして結論を出しただけです」


「……ふむ。……そう、ね。確かに、その線が濃厚……絶死のアリア・ギアスを使って生き残れる訳がないし、そもそも中級世界エックスのダンジョンに、ネオヘルズ覇鬼やイフリートなんている訳がない」


「ネオヘルズ覇鬼?」


「気にしなくていい。ただの幻覚にすぎない」


 言いながら、心の中で、


(……『超王級モンスターがウジャウジャ出てくる異常』などと比べれば、『抗えない幻覚』の方が可能性は遥かに高い……ここの幻覚は確かに面倒だが、『ただ絶望を知るだけで、肉体にダメージを負う事もない』となれば、脅威とはいえない……)


 そんなふうに、納得しようとしているUV1の返事や反応をうけて、ゴートは、


「そっすか」


 ほんわかな返事をしながら、


(……ふぅ)


 心の中で、ホっと胸をなでおろす。


 続いて、バレないよう、顔をそむけて、悪い顔でニィィと笑いながら、


(計画通り)







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