『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

28話 『究極の可能性』と、

 28話 『究極の可能性』と、


 既に絶死のアリア・ギアスを使って死が確定しているUV1。
 命を捨ててなお、一匹も殺せないイフリートが7体。
 ゴートの手札はブタ。
 アイテム等も、使えそうなモノは皆無。


 完全に詰んでいる。
 『蝉原勇吾の悪意に溺れていた時』よりもハッキリとした、完全に詰んでいる状態。
 諦めるしかないこの状況で、


 ――ゴートの視界にうつるのは、




「ぐ……ふっ……くっ」




 リミットを間近に控えて焦ったUV1の悪手にカウンターを決めているイフリート。


「うぅう! くっ!」


 炎の鎖で足を止められた。
 上空から炎の護封槍が降っている。
 攻撃というより、とにかくUV1の動きを重くする最善手の連珠。




「「「「「「「素晴らしい強さだった。心底敬服する。我々に心などないがね」」」」」」」










 淡々と、UV1から距離を取りつつ、そんな皮肉を口にする。
 感情がないからこそ通る皮肉。
 『製作者』の底意地の悪さがうかがえる。


 既に、UV1はガチガチに動きを封じられた。
 もはや、一歩も動けない。
 この状況下でも、イフリートたちは、
 念押しに、呪縛系のスキルを重ねがけしてくる。


 つまり、正式なゲームセット。
 本当の終わり。


 そして、リミット目前。
 UV1の頭に、恐怖が沸きあがった。
 死に対する恐怖ではない。
 ――『何も出来なかった』という事実が恐ろしい。
 結局、何も成せなかった。
 バロールからの命令を何一つ果たせていない。
 ただ、無様にあがいて死んだだけ。




「――がっ……ぁ……」




 限界を目前にしたUV1は、白目をむいて血を吐きだした。
 膨れ上がっていた赤いオーラが目に見えて弱弱しくなっていく。


 『命がけで護ってくれた女』が死にかけている――その現実を見て、
 ついにゴートの頭が飛んだ。


 無意味だが、


「くっそぉ!」


 飛びだした。
 UV1を助けたいという情動が、今のゴートを動かしている。
 しかし、手はない。
 何も思いついていない。


 つまり、これは、ほとんど、『諦め』に近い行動。
 命を無駄に捨てる行動。
 分かっている。
 そんなことは、ゴートだって理解している。




 けれど、理性はもう死んでいた。




 ただ、死に向かって突っ走る。
 極まった感情。
 どう表現すればいいのか分からない複雑な感情が、
 ゴートの全てを刺激して、ボロボロと涙を流させる。
 諦めたくない。
 死にたくない。
 けど、
 わからないんだ。
 どうしたらいいか、わからな――










 ――その時、










 ゴートの指にはまっている指輪がカっと光った。
 深い輝きが、一瞬、空間を埋め尽くす。
 複数のジオメトリが連鎖して、空間の中で幻想的に織り合った。


 すべての線が揺らぎながら重なって、
 立体的な美しい幾何となって、それが淡いだけの光になる。


 モヤモヤとした光が、瞬時にかわいらしい女の子の形になって、
 そして、












「テプ0時を過ぎたよぉー」










 ガチャルトホテプが出現して、


「さあ、一日一回の『ガチャルトホテプ・ガチャ』チャーンス。さあ、君は何を引けるかなぁ……って、あれ? どうして泣いているのぉ?」


「……一日……テプ0時……」


 そこで、ゴートは、キキィっと自分にブレーキをかけて、その場に立ち止り、
 状況を理解しようと必死に頭をまわす。


 どうやら、ガチャルトホテプの一日とは、出現してから一日ではなく、
 『テプ0時』とやらを過ぎるかどうかが問題らしい。


 テプ0時というのが、何時の事なのか、よく分からないが、
 ようするに、ガチャルトホテプが感じている一日の中で、
 『今らへん』を過ぎた時を指すのだろうと、即時判断するゴート。


 ガチっと、頭のギアがかみあった。
 一瞬で冷たく燃えたゴートは、
 ガチャルトホテプを抱き寄せて、


「頼むぅ! なんでもいい! この状況をどうにか出来る力を!!」


 ギュっと、願いを込めるように、テプの頬に唇をおしつけた。


 すると、












 ???のアリア・ギアス発動。


 ?????????????????????????????












 当然のように、またもや発動する異常事態。


 結果、




 当たり前のように、テプの右目が黄金に輝いた。
 そして、一度、強烈に重たい光を、カっと放つ。
 揺らめいて、ビキシィっと、世界全体にヒビが入るような音がした。


 ――ガチャルトホテプは、


「わー、おめでとぉおおお! ていうか、すごーい!! お兄さん、本当にすごいねぇ。二回連続で究極当たりを引くなんて、そんな人、はじめてだよぉ」


 言いながら、テプは、自身の右手を、ゴートの額に押しつける。
 そして、ゴートに力をインストールしつつ、同時に情報を流しこむ。
 その間、コンマ数秒。


『究極大当たりの内容は、『サイコイヴ‐システム』の解禁だよぉ! サイコイヴ‐システムは、全システムの中でも、トップクラスの力を持つ究極システムなんだよぉっ。なんせ、本来だったら、五つの『10兆システム』をマスターした上で『25UGP』を払わなければ解禁できないシークレットシステムだからねっ。ほんと、お兄さん、すごいねぇ、やったねぇっ』




 力がインストールされた瞬間、
 ゴートは、『サイコイヴ‐システム』の全てを理解した。
 脳に情報を叩き込まれる異常。
 初めての経験。
 もちろん、激しい糖分枯渇と吐き気を催したが、
 そんなもんどうでもいいと思うくらい――




(な……ぁ……ま、マジ……か……こんな力が……俺に……?)




 秒で理解が深まっていく。
 コンマ五秒ほどで理解、一秒に届く前に驚愕。
 理解が深まれば深まるほど、


(ち、チートってレベルじゃねぇぞ……ま……マジで……)









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