『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

18話 ミッション了解

 18話


「ゼノリカってのがどういうものか、ぶっちゃけ、まだイマイチよくわかってねぇ。だが、あんたが在籍し、その尊い覚悟を賭しているという事だけはよく分かった。それだけでいい。それだけでも、充分、尽くすに値すると思えた」


 まだ、UV1の発言でしかゼノリカを知らない。
 だが、本当に心底から、『それで充分だ』と思った。
 彼女が所属している組織。
 なら、尽くすべきだと本気で思う。


 ゼノリカが彼女の言葉通りの組織なら、純粋に最高で完璧。
 ぜひ永久就職を希望したい最高の職場。




 ――もし、完璧な職場じゃなかったら?
 ――高潔なのは彼女だけで、上層部が腐っていたら?
 なら、当初の予定どおり、上にいる連中を全員潰して、彼女を頭にすればいい。


 それだけの話。
 極めて単純な話。


 UV1は示した。
 ゼノリカの意思。
 全てを照らす光。


 一方的で押しつけがましい対外的な正義なんかじゃない。
 極めて純粋で無垢な、『悪を殺す剣』になろうとする本物の覚悟。


 だから、ゴートは、


「……いい場所に再就職できたじゃねぇか」


 真剣にそう思った。
 少なくとも、第一アルファの番犬なんてカス職業よりも遥かにマシ。
 生ゴミしかいなかったあのクソ組織と比べれば、ゼノリカは天国だ。


 なんせ、確実に一人は『尊敬できる上司』がいるのだから。
 もし仮に上が腐っていたとしても、UV1という『信じられる上司』が一人はいる。


「絶対に生き残る。決めた。俺は、あんたを神にする!」


 覚悟を決めて、


「悟鬼! ワンダーナイト! ネオヘルズ覇鬼に、全力で攻撃しろっっ!!」


 突撃命令を出す。
 悟鬼もワンダーナイトもステータスが高いタイプ。
 つまり、脚力も申し分ない。


 二体が、全速で駆け、ネオに飛びかかろうとした――その直前、




「うるさい」




 ドンッ、グシャアっと、ほとんど一瞬で、ワンダーナイトと悟鬼が叩き潰された。




 あっさりと光の粒になって、世界に拡散していく二匹のモンスター。


 二体を破壊したネオは、静かな態度で、


「気合いを入れて、大声を出して……それだけでどうにかなる絶望があるとでも?」


 そう言い捨てた。


 その視線はUV1から一瞬たりとも外れなかった。
 UV1に対する警戒心をわずかも怠る事なく、
 ネオは、一瞬で、二体の召喚獣を排除した。


 瞬殺。
 ラムドにとってはエース級、この世界では最高峰クラスの召喚獣を、二匹とも。




「貴様は後だ。ゴミは引っ込んでいろ。こっちは今、真剣に命のやりとりをしている。遊んでいる余裕はない」




 そんな、ナメくさった事を言うネオに、
 ゴートは、睨みをきかせ、


「悪いな、ラムド……」


 ボソっと、


「あんたが長年愛用していた召喚獣、生贄にさせてもらった」


「?」


「ラムドじるしのワンダーナイトと悟鬼を生贄にささげ……スリーピースカースソルジャーを強制召喚する!」


 ゴートの意思に従って、拡散していた光の粒が結集していき、










「来いッッ! スリーピース・カースソルジャァアアアア!!」










 その宣言の直後、




 ハチの巣になっていたはずの『やつら』が、
 全快状態で、禍々しいジオメトリから、這い上がってくる。


 悟鬼とワンダーナイトのコアオーラを媒体にして、完全回復までの時間を強制短縮。


 現れたるは、濃い紫に染まった、呪いの鎧に身を包む精悍な兵士。
 怪しく輝くは、左手に携えている『死色に染まった魔剣』。




「UV1様、先ほどの質問に対する回答、ちゃんと最後まで言うので聞いてください」




 ――カースソルジャー、召喚できる?




「あなたによってフルボッコにされたので、しばらくは、通常召喚不可能です。しかし、こういう形でなら、どうにかムリヤリ召喚することが出来ます」


 ニっと微笑み、


「さあ、次のご指示を」


 UV1は、目にグっと力を込めた。
 そして、絶望を殺すために叫ぶ!


「全力でヘルズ共を抑えなさい! ネオは……私が殺す!」


「あなたがネオヘルズ覇鬼を殺すまで、6体のヘルズ覇鬼を抑え込む」


 ゴートは、反芻してから、
 スゥウウっと、大きく息を吸い、叫ぶ。


「ミッション、了解っ!」




 ヒーロー(大役)は、UV1に任せ、
 ゴートはサイドキック(助手)に徹する。








 ――それでは、そろそろ、ダサイ時間は終わりにして、
 ゼノリカの一員らしく、堂々と、
 胸を張って、このクソみたいな絶望を殺すとしよう。





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