『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

33話 『ウルトラバイオレット001』 VS 『スリーピース・カースソルジャー』

 33話




 膝を入れられて『くの字』になっているゴート。
 その頭部を、UV1はガシっと掴んで、地面に向かって投げつけた。
 高速落下していくゴートの体。
 脳天に響くヒザをもらったが、どうにか意識は残った。
 激突直前で、ゴートは、ウイングケルベロスの翼をはためかせ、


「……ぐっ、くおっ」


 どうにかスレスレで止まったが、そこで、


「ずいぶんと、おそまつな飛行。才能がない」


 後頭部にガツンと衝撃!
 ズザァと、地面に強制顔面ダイブ。
 メリメリと踏みつけられて激痛。


 無様なうつぶせ状態で、UV1に踏まれているゴート。


「私はゼノリカの天下、百済の頭目。司法の頂点にして、闇を狩る闇そのもの……限りなく神に近い高みに座す超人」


 UV1は、ギラついた目で、ゴートを見下ろして、


「お前のプライドの高さなど知ったことか。お前ごときが、私にナメた口をきくな」


 言い捨てる。
 声がキンと跳ねている。
 鋭く、歯切れよく。
 明確な嫌悪感。
 ストレスで重くなる声質。


 ――後頭部を踏みつけられているゴートは、UV1の啖呵を聞きながら、


(ほんと、強ぇなぁ……)


 単純に、心の中で、そうつぶやいた。


(今の俺じゃあ、マジで、相手にならねぇ……)


 理解できた。
 知識だけではなく、経験する。
 その上で、


(だが、関係ねぇ……)


 ゴートは、はらに力をこめて、










「こい! スリーピースカースソルジャー!!」










 宣言した瞬間、ゴートを踏みつけているUV1の目の前に、禍々しい魔法陣が現れて、そこから、やつらは這い上がってくる。


 紫に染まる呪われた鎧を纏いし屈強な魔人。
 左手に携えている『死色に染まった魔剣』が怪しく輝く。




 今後のつじつま合わせのために、センが再度召喚したカースソルジャー。
 スペックは、シグレがもらったものと、ほぼ同じ。




 センの名のもとに、『ラムドのものである』と認められている召喚獣。
 報告書にも、『ラムドに召喚できるもの』と記載されているため、


(……これが、ラムドの切札、カースソルジャー……見た事がない種族……この世界特有の何かか?)


 カースソルジャーは、実際のところ、かなり高位に位置する『神の召喚獣』なので、とうぜん、UV1の知識にはない。


 UV1は、


(……なるほど、悪くない。というより、エックスでは異常な戦力。放っておけば、いずれ、間違いなく殿堂入りするであろう、高次の祝福を受けし突然変異……)


 ラムドのスペックを理解する。
 エックスで生まれた者にしては破格の性能。


(どうやら、新規の召喚能力は劣化しているようだけれど、既に召喚して使役している召喚獣を使う事に問題はないようね……)


 召喚士は、固有スキル等で、既に使役している召喚獣に、『炎矢の魔法が使えるようにする』や『攻撃力上昇』などのプラスの能力を与えられる者が多い。


 『その辺の能力』が劣化している可能性もなくはない。
 しかし、カースソルジャーを召喚できるのなら、他が多少劣化していても問題ない。


 UV1にそう思わすほど、カースソルジャーは素晴らしい。






 ※ 究極超神センエースの基準だと、カースソルジャーは『デメリットなし、かつ制限なくデバフを積める』『積んだデバフを高確率で相手になすりつけることができる』という、その特異な点のみが重要で、戦闘能力に関してはクソ以下。
 だが、現世基準だと、カースソルジャーは、ステータス的にも高スペック。
 カースソルジャーの、『俊敏性が極めて高い』というスペックは、ほとんどゴキブリ的な意味合いで、『そう簡単に叩き潰されないよう』に、相手の周りをウロチョロするための能力でしかない。
 だが、現世では、純粋に『とてつもない機動性』となる。
 『とてつもない機動性』の価値は、ポ○モン廃人でなくとも理解できるだろう。
 カースソルジャーは、それに加えて、『双銃に変形できる魔剣という、中距離・遠距離・近距離すべてに対応できる特殊な武器を所有している(神視点では、ほとんどオマケのようなもの。実際、神闘において使用されることは滅多にない)』、


 現世におけるカースソルジャーは、純粋に、凶悪なスペックを有している、ぶっちぎり最高峰の召喚獣。
 それを、同時に三体も召喚できるラムドは異常中の異常。










(――ラムドは、カースソルジャーを召喚できる。ならば、じゅうぶんに利用価値はある。心配の種は一つなくなった。あとは、こいつの態度をどうにかするだけ……さすがに、この『明確に反抗的な態度』・『鬱陶しい我の強さ』は許されない。ゼノリカの秩序のためにも――)


 UV1は、ゴートの頭から足を離して、カースソルジャーから距離を取る。


 そして、亜空間倉庫に手をつっこみ、かなりゴツめの機関銃を二丁取り出すと、華麗に両手へ装着させた。


 色は、鈍い群青。
 環状に並んだ禍々しい銃身だけで、グリップも引き金もない。
 そのゴツい銃身の後部から伸びる妙にメタリックな触手が、腕に絡みつき、固定させる形で装着されている。
 その気になれば、浮遊させて使用する事も可能な、『念じるだけで発射可能』な高性能兵器。


 その銃口を地面に向けて、


「私は限りなく神に近い影、闇を狩る闇そのもの、ウルトラバイオレット001。その高みを知るがいい」


 ダダダダダダダっと無数の弾丸を地面に撃ち込んだ。


 カースソルジャーに向ける訳ではなく、
 ただ、地面に向けて、
 無駄撃ちをする。




 しかし、その直後、




 ガガガガガっと、重低音な肉が炸裂する音が響いて、
 三体のカースソルジャーは、一瞬でハチの巣になっていた。









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