『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

1話 ゼンの憂鬱

 1話










「ん、ん……」


 セファイルの宿屋で目を覚ました『ゼン』は、窓の外を見つめた。
 夕方になっていた。
 時間の感覚が少し狂っている。
 真っ暗ではないが、薄暗くて赤い空。




(……なんだっけ……ああ、そっか。エグゾギアの練習をしていて……また気絶したのか……)




 両手をググっと握ったり離したりしつつ、




(やはり、数秒しか使えないってのはネックだな……だが、自力解除できるようにする改造は、経験値が足りなくて厳しい……GPはメチャメチャ上がったから、そっちでステをあげて強くなる方が、近々の問題を相手にする場合の対抗策としては現実的か……)








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 《レベル》     【19】
 《GODレベル》  【7903】


 [生命力バリア]  【まだ少ない】
 [MP]      【まだ少ない】
 [スタミナ]    【268/268】


 「攻撃力」       【39】
 「魔法攻撃力」     【15】
 「防御力」       【29】
 「魔法防御力」     【19】
 「敏捷性」       【23】
 「耐性値」       【33】
 「バリア再生力」    【17(+2000)】
 「魔力回復力」     【9(+2000)】
 「スタミナ回復速度」  【12】
 「反応速度」      【26】


 「隠しパラメータ合計値」【5325】


 「獲得経験値」     【そこそこ】
 「ネクストEXP」   【1】




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(GPがかなり上がったといっても……正直、この程度じゃ、大したことはできねぇ。くそ、こうなりゃ、マジで、冒険者試験は勇者頼りになりそうだな……)


 ゼンが、心の中でブツブツと呟いていると、




「いたっ」




 奥から、シグレの、そんな声が聞こえてきた。
 ゼンは、反射的に立ち上がり、


「シグレ! どうした?!」


 慌てて声のするほうにかけよってみると、


「え? あ、いや……そんな焦らんでええよ。ナイフでちょっと手を切ってもうただけやから」


 言いながら、指を舐めているシグレ。
 その両手には、ナイフと、リンゴみたいな果実。


 シグレの頭に乗っているニーが、


「シグレ、手を出して」


 言われて、シグレは、ニーに向かって指をさしだした。


「治癒、ランク3」


 ポォっと淡く光る。
 あっさりと治る指の傷。


 それを見てシグレが、


「さすが、あたしのニー。もう、ニーのおらん生活は考えられへんなぁ」


 ニコニコ笑いながらも、
 しかし、その頬には、邪悪なタトゥーが入っている。


 そのタトゥーを見ながら、ゼンが、


「本当に……痛まないのか……」


 ボソっとそう言った。


「は? ぃや、見てたやろ? ニーが治して……ぁあ、こっち?」


 言いながら、笑って、


「ははは、なんか、これ、軽めに寝違えた時くらいの痛みしかないから、普通に、自分がこうなっとるってことを忘れてまうなぁ。腕とかやったら、視界に入るから、自分でも、たまに気になるんやろうけど、顔とか首やからなぁ……時間が経つと、普通に忘れてまうわ。そもそも、あたし、アホやしなぁ」


 ノンキを装ってそんな事を言うシグレ。


 心配させまいとする気概が見え見えで、ゼンは、だからこそ歯噛みした。


(くそったれ……なんで、俺は、なんにもできねぇんだ……)


 ギリギリと奥歯をかみしめる。


 自分の無力さを呪う。
 力が欲しいと思った。


 心の底から、強くなりたいと思った。


 『こういう時』に、我を通せる、絶対の力。
 助けたいと思った誰かを、瞬殺で助けられる強さ――




 暗い顔になっているゼンを見て、


「ゼン……そんな顔すな」


 シグレが、真剣な顔になって、


「ほんま、あんたって……なんていうか、重たい男やなぁ」


 やれやれといった感じに首をふってから、ニっと微笑み、


「ああ、好きやわぁ。あたし、軽い男は大っきらいやけど、重い男は大好きやねん。ほんま、あんた、いちいちあたしのストライクやわぁ。なんやねん、あんた。神様があたしのために創ったオーダーメイドか?」











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