『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

27話 お前の命令を、なんでも一つ聞いてやる(ガチ)

27話 




 ちなみに、総合スペックで言うとセンはかなり低い。
 センは、『秀才努力型』で、キチンと時間をかけて究めれば頂点に立てるが、シューリは『完全天才型』であり、基本的には最初からなんでもできる。




 ちなみに、シューリの弟であるソンキーは『特殊奇才型』。
 欠点だらけで、人格も破綻しているし、
 ガチの『ワケわからん奇行(シューリは自分でキテレツさを演出している部分があるが、ソンキーの場合は素がイカれている)』も目立つが、
 好きな事・得意な事に対しては、異常なほどのめりこみ、
 結果、一応、究めるは極めるのだが、普通とは全く違う所に着地するタイプ。 




 シューリが先発完投型のパーフェクトスーパーエースタイプだとすれば、
 ソンキーは超自己中でサイン無視しまくりの超高速ナックルボーラー(『甲斐孫六』的な)。
 さしずめ、センは、病的なほど諦めの悪い鉄腕型のクローザーと言ったところ。


 戦闘という一点だけで言えば、『シューリよりもソンキーの方が強い(ステータスとかビルドとかだけを見れば、誰もが、ソンキーの方が上という判断をする)』が、ぶっちゃけどっちが勝つかという話になれば、余裕でシューリが勝つ(なぜなら、ソンキー、アホだから。本当に頭が悪いわけではないが、なぜか、常に、愚かさと共にあろうとする)。






「シューリは、ぶっちゃけ、最強。実際、無敵」


 センはとうとうとシューリを語る。


「所詮は『俺』も、あいつの作品(神闘の基本を学んだ。かつ、シューリが望むならいつでも、誰とでも闘う所存)の一つでしかないと考えれば、間違いなくあいつこそが最強……いや、まあ、もちろん、個として最強なのは俺なんだが……」




 などと、軽くメンド臭い事を口にしてから、




「まあ、とにかく、シューリはすげぇ女だ。俺の方が確定で強いが、どっちが凄いかと言えばあいつの方が凄い」




 その感情は、どこか、母親を崇拝する感情に似ていた。
 勘違い、過大評価、買い被り。
 どの母親も、大概は、自分の子供のために、『強くあろう』とする。
 実際はただのどこにでもいる『しょうもない女』であったとしても、子供を得た瞬間に、『母』という『崇高な偶像』にならんと、スペックの限界以上の努力をするようになる。
 そして、子供にとっては、その『像』こそがすべてとなる。


 シューリは、その異常なプライドから、センに、『徹底的に磨き上げた偶像』を魅せつけた。
 最初はただの異常なプライド、途中からは暴力的な恋心。
 ずっと、ずっと、途切れることなく、シューリは、センに偶像を魅せつけた。
 結果、当り前のように、センの中では、シューリは大きく膨らんだ。
 もちろん、全知全能という称号を得ているくらいだから、シューリのスペックはハンパない。
 だが、センの中では、実在以上に大きくなっているのも事実。


 女神の中の女神――がさらに膨らんだ姿。
 センの中で、シューリのアイドル性は狂った領域にまで昇華されている。


 普通の『可愛いだけの女の子』にも、人は神聖さを見出すもの。
 シューリはマジの女神で、スペックもハンパない。
 そんな神が、さらに自分を大きく魅せようと演出し、それがガッツリと成功した。
 究極の邪神から、全世界を守るために『自分を捧げようとした』というのもアイドル性抜群。
 センの中にいるシューリは、常に神々しく輝く雲の上のアイドル。
 誰も勝てない、永遠の憧れ。




 ゆえに、だからこそ、センは、
 強く強く強く、
 ――『見てみたい』――という欲望にかられたのだ。




 シューリほどの女を超えた女。


 それは、いったい、どれほどの存在なのか。


 この目で見てみたい。
 究極の『眼福』を得たい。


 そんな欲求が、


「アダム。もし、シューリを超えられたら……」


 センに、


「お前の命令を、なんでも一つ聞いてやる」


 こんな発言をさせたのだった。


 もちろん、『かつてのシューリ』を意識しての発言。
 もちろん、『かつての自分』が不相応に妄想した『願い』も加味しての発言。
 つまりは――






「……なん……でも……」


 アダムの心臓がドクンと脈打つ。






「ああ。なんでもだ」


 センは断言する。
 ハッキリと、誤魔化すことなく、
 まっすぐに、堂々と、


「それがなんであれ、お前が望むのであれば、俺は必ず聞きいれる」


「っっ!」


 アダムは、スゥっと奪うように息を吸った。
 乱れる呼吸を抑えつける。


 上気する。
 のぼせそうになる。
 ドクドクと鼓動がはやくなる。
 その果てに、


「本当に……お約束していただけるのですか? 『あれは嘘だ』……などと、はぐらかさないと誓っていただけますか?」










「コスモゾーンよ、俺の言葉を記録しろ」










 言って、センは、宣言する。






「今、アダムと交わした約束を、俺は必ず守ると誓う」






 アダムの目がグワっと開く。
 脳が電気で満たされる。
 決意が、覚悟となって昇華される。


(――あのイカれた女を殺す)


 燃え上がる覚悟。
 膨れ上がる殺意。


(どうやら、あの女は、何やら異質な存在らしいが、関係ない)


 幸運の女神?
 勝利の女神?


 最強で無敵の究極超女神?


 知ったことか。


(どうでもいい。とにかく殺す。すぐ殺す。いますぐ殺す。そのためなら何でもする)









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