センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

8話 究極完全体アポロギス

 8話




 ソウルゲートの施設は、修行に特化したもので、
 バーベルとか、ランニングマシン的なのとか、プールとか、
 ほんとうに、とにかく、いろいろあって、
 強さを好きに設定できる『敵』と闘う事もできた。


 格闘ゲームのCPUみたいなものとでも思ってくれればいい。
 CPUを自由に設定できるというシステムが秀逸だったおかげで、どうにか耐えられた。
 あれがなかったら、さすがに無理だったと思う。




 あれのおかげで、ありとあらゆるビルドに対応できるという自信がついた。
 無限とも思えるビルドパターン、
 そのほぼ全てが頭に入って、
 その対応策を体に叩き込んだ。


 今となっては、どんな奴を前にしても、
 『ああ、あれね。はいはい』
 と、ほぼ反射レベルで対処できるようになった。


 戦闘力とは、半分が技術で、半分は戦闘思考力。
 簡単に言うと、前者がコマテクで、後者は将棋。


 どちらに時間を使ったかと言えば、やはり前者。
 結局、技術の方が会得するのは難しい。
 とはいえ、後者がなければ宝の持ち腐れ。
 どっちも必要な力。
 その必要な力を、俺は、とてつもなく高いレベルで習得した。


 長い、長い、長い、長い、長い時間をかけて、
 俺は、戦闘力を磨いた。
 磨きに磨いた。


 そして、
 200億年を積んだ直後、
 『今の俺なら楽勝だろう』
 『一発でいっちゃうかもなぁ』
 『俺は強くなり過ぎた』
 『敗北って美味しいの?』
 『俺がガンダ○だ』
 とイキりにイキって挑んだ邪神に、






 ……ボコられた。






 まさか、『究極完全体モード』なんて、
 そんな、ふざけたパワーアップ形態があるとは思ってなかったよ。




 究極の超神達すら恐れた邪神、その究極完全体。
 いやぁ、強かったね。
 ありえない強さだったね。
 『今現在の俺』なら、まあ、普通に勝てるけど、
 『当時の俺』にとっては、どうしようもない強敵だった。
 いやぁ、あれはヤバかったね。






 ただ、おかげで、俺も目覚めた。






 究極完全体アポロギス。
 奴が言った言葉は、今でも、全て覚えている。




『無駄なんだよ。君が何をしても。私は死ねない。ずっと苦しみ続ける。そういうものなんだ。それが運命。それが真の絶望。君は死ぬ。運命は変わらない。君ならば、もしかしたら、そう思ったけれど……やっぱり、無理だった。この絶望だけは終わらない。私は――』




 その地獄を前にした絶望で、
 俺の可能性も、
 極致に届いた。


『アポロギス、安心しな。絶望の殺し方なら知っている』
『耳かっぽじれ。俺が誰だか教えてやる』
『俺は、センエース。全ての神を超える男だ』


 蕾は震えて、
 最果ての華、開く。










 ――究極超神化6――










 積んで、積んで、積んで、
 真に完全なる絶望すら乗り越えようと、もがき、あがき、苦しんで、
 その果てに得た力。


『ヒーロー見参!!』


 永劫の中で磨いた戦闘力と、最果てに届いた絶大なパワー。
 それらが合わさって、
 ようやく、
 俺は、
 邪神を完全に消滅させる事ができた。






 ――ありがとう、センエース。
      ……もし、
         もし、生まれ変われたら、
                   こんどは君の隣に――


























 俺は、必死こいて、必死こいて、どうにか、邪神を殺した。
 そう。
 俺は、おおくの絶望を乗り越えて、究極で完全な邪神を倒したんだ。
 ほとんど、ただ一人のために。
 あの女のためだけに!
 たった一人を守るために!


 だってーのに!


 それだけの無茶をしてやったってのに!
 あの女は!
 あろうことか!


『助けて欲しいなんて言った覚えはありまちぇんよ』


 などとぬかしやがった!


 はっはっは!!
 あっはっはっはっはっはっはっは!!


 笑ったね。
 もう、笑うしかなかったね。
 イラつきを通り越して、呆れも通り越して、
 なんだかよくわからない、謎の領域で蠢くだけの感情に至った。
 いろいろ思ったよ?
 けど、もう、『深淵』は、通り越した。
 もちろん、表面上の感情はくすぶっている。
 ――他者に興味がないにもほどがあんぞ、てめぇ。
 みたいな。
 ただ、最終的には、
 ――まあ、別にいいけどよぉ。
 そんな感じに落ちついた。


 うん。
 落ちついたよ。
 落ちつきましたよ。


 そもそも、感謝されたくてやった訳じゃねーしー。
 俺が俺のためにやっただけだしー。
 べつに、キスしてほしかったとか、
 そんな吐くほど『くだらねぇこと』とか考えてねぇしぃ!
 俺、そんな若くねぇし!
 俺、そんなダサくねぇし!


 ねぇったら、ねぇんだもん!






 ……けっ。
 お高くとまってんじゃねぇ、ブース。
 ちょっと世界一の美神びじんだからって、調子に乗るな。
 ちょっと、ハンパじゃなく強くて、なんでも出来て、美神で、エロくて、かわいくて、実はちょっと優しくて、実は包容力があるだけ!
 そもそも、美神っつったって、お前なんか、アダムとトントンくらいだぞ。
 はっ!
 しょぉもなぁああああ!


 ……だめだ。
 むりむり。
 どの角度から攻めても、スペックが高すぎて、けなせねぇ。






 いや、まあ、そもそもけなす必要がない訳だが……



















「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く