『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

7話 2万年目~

 7話










 ・2万年目


 センが、本格的な神闘の修行を開始してから、随分と時間が経った。
 すでに、最低限の神闘パターンは、センの頭に入っていた。
 最初は、無数に見えたが、実際は27通りだった。
 流れをとらえれば、証が見えてきた。
 『偶然』の糸が見えてきた。
 目の前で、日に日に明確な線になっていく、確定的なマグレ。
 まるでトンチだな、なんて、自嘲したりして。
 価値のある日々を重ねていく。


『なるほど……これが強さか……知らなかった……』


 神の世界で、ただ闇雲にレベルを上げたり、GPの振り分けをしたりといった『ごく当たり前の毎日』を過ごしていた時と違い、ただまっすぐに、純粋な武のスタイルだけに注視し、深く深く、神闘と向き合ってみると、今までは見えていなかった輪郭が見えてきた。


『俺、弱いな……』


 己の弱さを理解した。
 真の弱さ。
 つまりは、底が出来た。
 悟ったフリではない。
 むろん、謙遜でも、卑下でもない。


 とても純粋な事実確認。
 結果、センは、ようやくスタート地点に立った。


『……あと199億9998万年か……199億……』


 数字を反芻してみた。
 と同時に計算する。


 思った事は一つ。


『足りないな……ちっ。1000億くらいにしておくんだった』




















































 ・50億年目


『……ん?』
『え?』
『……はぁ? なんで、50億年も経ってんだ?』
『いやいや、おかしい、おかしい』
『確かに、かなり集中して、神気の整地に没頭していたが……50億は絶対に経ってねぇ』
『感覚的には、五万年くらいしか……』
『まさか、タイマーが狂った? いや、でも……普通に、ゆっくりとした一秒がカウントされているし……』
『まさか、本当に50億年経ったのか……ぃ、いやいや、ねぇよ』
『俺自身の戦闘力だって、そんなに……』
『……ぃ、いや……』
『ぇ、あれ……俺……』






『なんか……達してる……?』






 気づけば、
 『知らない世界』が広がっていた。
 そこは、とても、とても、広い場所だった。
『……』
 ――強さとは?
 『その答え』が見えた気がした。
 辿り着いた気がした。
 真の理解に近づけた気がした。
 センは――


































 ・100億年目。


 センは、修行と瞑想を、一定の感覚で繰り返すようになった。


『あと、もう少しで……』


 全ての武を一周しては、無の中に沈む。
 センは、ただ、延々に繰り返し続ける。


『もう少しで……辿りつける気がする……』


 つきつめて、『基礎』だけを、
 ――もう少し、
 ただ、延々に、
 ――あと少し、
 もくもくと、
 たんたんと、


 センは繰り返した。


 応用はやり終わった。
 もう意味がない。
 『今は意味がない』と言った方が正確だが、
 そこが曖昧であろうと誰にも迷惑はかからない。
 自分が理解してさえいればいい。
 今、最も大事な事――そこんところについて、センが明確に理解できてさえいれば、それでオールオッケー。
 ゆえに、センは、基礎を積み重ねていく。
 ゆっくりと、しかし着実に。
 わずかに、でも確実に。










 そうして磨き上げた時間は、センの中で、驚くほど巨大で強固な器になっていたが、


 センは、わずかも満足していなかった。


 『まだここじゃない』という高次解が、
 センの『心のかたち』になって、
 さてはて、どのくらい経っただろうか。




 いつしか、静かな輝きに包まれていたセン。




 武の神髄を解し、
 魂の真髄に届き、
 命の心髄が輝く。


 温かい光そのものとして、
 センの魂魄は、このソウルゲートという空間・概念・観念と共にあった。
 もはや、時間は、その輪郭だけを残して、センの意識から消え去っていた。




 全てが繋がった。
 全にして一、一にして全の世界。


 無は死んだ。
 神はここにいる。


 センは、次元と一致した。


















 ……なんてね♪












































 ・200億年目。










 :センは遂に理解する:










  ――俺は、まだ、達していない――
  ――俺は、まだ、何者でもない――










 そして、
 まだまだ不完全で未完成な、
 けれど、確かな『蕾』となったセンは、






 不条理な運命を調律するため、
 出口として出現したソウルゲートをくぐったのだった。













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