『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

33話 不穏なゼノリカ

 33話




 アダムの言葉を聞いて、
 ミシャは、


「はぁあああああ?!」


 目を見開いて、口をあんぐりと開けて、


「……どういうこと? ……わけがわからないわ。なに、その破格の特別扱い……」


「そうじゃな。今までも、アレは、かなり優遇されておる方じゃったが、今回は異常じゃのう。そもそも……これまでなら、アレを使うにしても、遊撃以外はやらせんかったはず……なのに……ふーむ」


「今回は、まとめ役も容認……はてさて、どのようなご意思によるものでしょうか。酒神は真正のアレでアレなアレ……とても、まとめ役が出来るような人材ではないのですが……んー」




 平は、ぶつぶつと、そんな事をつぶやきながら、


「まあ、なんにせよ、それが御命令であるならば、黙って従うまでですが」


 平の言葉を受けたミシャが、ブスっとした顔で、


「そんなことは分かっているわ。それが師の命ならば、たとえ、自害であったとしても喜んで受け入れる。……けれど……疑問を消すことはできないわ。私は人形じゃない」


 当たり前の事を口にしてから、眉間にグっとしわを寄せて、


「――ねぇ、なんで? なんで、あれだけが、『許され』るの?」




 ボソっとつぶやいたその言葉に、ゾメガが、


「さぁのう。それだけは誰にも分からん」


 続けて、平が、苦笑いを浮かべて、


「はははっ、まあ、いいんじゃないですかね。組織の活性化には、彼女みたいな『特異』な存在が必要不可欠だとボクは思いますよ」


 別に本気でそう思っている訳ではない。
 しかし、ゼノリカ内部で唯一、酒神だけが、『妙な立場に在る理由』は師から聞かされていない。
 ゆえに、テキトーなところで言及を避けるしかない。


 もし、余計な事を口にして、それが主の意志に反していた場合、目も当てられないから。




 ――などという配慮はなく、ミシャは、思ったままに、


「私は、あんなもん、ただのガンでしかないと思うけどね。お許しさえあれば、今すぐにでも殺してやるわ」


 ボソっとそう言った。
 それに対して、ゾメガが、ニっと笑い、


「師から妙な特別扱いを受けているアレに嫉妬しておるのがみえみえで可愛いのう」


「このクソジジイ、ふざけっ――」


 一瞬で沸騰したものの、激昂する方がみっともないと、自分を即座にいさめ、


「師に世界を託された至天帝の一人である、この私、ミシャンド/ラが、あんなガキに嫉妬なんてする訳ないでしょう」




 その発言に対し、平が、


「デスヨネー」


 ニコっと微笑みながらそう言った。


 両方からイジられたミシャは、眉間にしわをよせながら、


「……ふん」


 プイっと顔をそむけた。


 長い時間、超越者・支配者として生きてきて、精神的にもかなり成長したミシャだが、センが関わると、とたんに子供に戻ってしまう。


















 ――ちなみに、
 酒神終理の、センエースに対する忠誠心はゼロ。
 信仰心もゼロ。
 センエースの事を、『完璧な素晴らしい神』だと思った事は一度もない。
 もっといえば、センエースの事を『どうしようもないアホ』だと思っている。
 センエースなど、ただの、しょうもないアホガキ。
 極めて思慮が浅く、短絡的で幼稚な思考の持ち主。
 確かに突飛な力は持っているが、それだけのバカ。
 ――それが、センエースに対する酒神終理の評価。










 酒神は、ぶっちゃけ、ゼノリカにも興味がない。
 ゼノリカがどうなろうが知ったこっちゃないし、
 というか、そもそも、ゼノリカに属する者全員を下等生物だと認識している。
 見下している訳ではない。


 ゼノリカの面々に対して、
 『見下す』などという、
 そんな、上等な感情は抱いていない。


 ただ、純粋に、『しょうもない下等生物』だと認識しているだけ。
 アリをわざわざ日常的に見下して生きている者は少ない。


 『足下でうごめいている』と『認識』する方が、実際のところ珍しい。
 ふと、下を見たら、あいつらは『生きていた』。
 基本的には、それだけのこと。


 いつだって、


 『あ、いたんでちゅね。へぇ、アリさん、がんばっていまちゅねぇ。砂糖を運ぶの、大変そうでちゅねぇ』


 それだけの話。
 つまりは、なんの価値もないゴミ。
 いてもいなくても、どっちでもいい、『自分以外の何か』でしかない。


 酒神終理は――

















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