『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

15話 ……リラ・リラ・ゼノリカ……

 15話




 アダムによる場の衝撃が落ちつくのを待たず、
 隣にいる二人の美女と美少女が口を開く。


「ワタシはユンドラ・エルドラド。指揮系統の頂点にたつアダムと違って、ただの『近侍きんじその1』でしかなく、特に、あなたたちと関わる事はないから、無視してくれて構わないわ。ただ、一応、同じ神を主とする枝葉だから、無為に敵対するのはやめてもらいたいわね」


 プイっと明後日の方を向いたまま、サラっとそういうユンドラと、


「サイと言います。サイも、ユンとほぼ同じで、単なる『近侍その2』ですので、皆さんと関わる事はありませんが、やはりサイも、皆さんと同じで、『正当なる唯一神』を崇める同志ですので、敵対などはしていただきたくありません。今後とも、よろしくお願い致します」


 ペコっと愛らしく頭を下げるサイ。




 サイとユンに対しても、この場にいる『天上』の者達は、それぞれ、感嘆に属する感情を抱いた。


 サイはよく分からないが、ユンドラは強者だとハッキリ分かる。


 ただ、




 ジャミ(アレには勝てるな。おそらく戦闘経験は少ない)
 パメラノ(確かに凄まじいオーラじゃが、不自然なほど研鑽が足りんのう。スキだらけというか、スキしかない)
 サトロワス(ふーむ。おかしいねぇ。壁は超えているようだが、みょ~にアンバランス。あの強さに相応しい『過程』をまるで感じない。不可思議、不可思議)
 アルキントゥ(なんなのでしょうか……あれほどの領域に至っていながら、随分とお粗末ですわね……意味がわかりませんわ)
 バロール(?? あの女のハリボテ感はどういうことだ? ……まるで、強大な戦闘兵器を与えられた幼子のようじゃないか)
 テリーヌ(おそらく、主から『力を与えられただけ』の存在。『強い』というより、『過保護な盾に守られている』よう……つまりは、主に『守られるに相応しい何か』を持つという事……)














 そこで、アダムが、




「ふんっ、貴様らシモベ共の『程度の低さ』については、後々、考えるとして……いい加減、顔合わせは終わらせて、とっとと本題に入るとしよう。構わないな?」




 ゾメガが、ニッコリと微笑んで、


「ご自由に、アダム殿」


「呼び捨てで構わない。貴様ら三名は、主上様の系譜に連なる者。ならば、私たちは、家族も同然。もちろん序列はあるが、あるていどならば、気楽に接してくれていい」


「わかりました、アダムさん。これからよろしくお願いします」


 平の言葉を受けて、アダムが少し顔をしかめ、


「呼び捨てで構わないと言ったはずだが?」


「親しき仲にも礼儀ありというのがボクのスタンダードスタンスですので、お気になさらず。ボクは、誰に対してもこうだというだけなのですよ」


「……まあ、好きにしてくれればいいのだが」


 言ってから、アダムは、コホンと息をついて、


「それでは、これより、主上様を迎えたく思う」


 その瞬間、円卓がスゥっと消えた。


 同時に、平・ゾメガ・ミシャが立ちあがる。
 三名は、ゆっくりと一歩前に進み、横並びの一列となった。
 今日の真ん中は平(これは、曜日で厳格に決まっており、三名の間に差はない)。


 ここでグダる愚か者は、この場に一人もいない。
 よどみなく、徹底的に訓練された軍隊を思わせる完璧な足運びで、それぞれ、ポジションについた。


 三至天帝の両端に、サイとユンが並ぶ。
 そして、その後ろに、九華の六名が一列に並んだ。




「皆、神前の礼を尽くせ。主が御出でになる」




 誰よりも前に立つアダムがそう言った直後、その場にいる全員が、同じタイミングで両膝を地につけた。
 完璧な正座。
 ピンと背筋を伸ばして、顎をひく。


 乱れがないか、最終確認してから、アダムは、主から与えられた宝石型の魔道具を掲げ、


「雲なき空に横とうエクレール、ああ、洋々たる銀河のマジュラ、仰ぎて眺むる地平線はフロイデ。あなた様が残したシャクルを愛し、永久とわに永久に永久に共に」


 特に意味のない詠唱を経て、
 小さな太陽を用意する。


 呼応するようにまたたく、混沌を飲む込む耀き。
 柔らかな光を放つ、黄金の太陽。


 アダムは、その輝く小さな太陽の横で、正座をし、


「この上なく尊い主よ。全ての頂点に立つ神の王よ。心を尽して御身に敬意と感謝を捧げ、とこしえに恩名を尊びましょう。この命失って冥府に落ちようと、至高なる主を永久に崇め奉り続ける事を誓わん。……リラ・リラ、ゼノリカ……」


 その祈りが終わると同時に、全員が、


「「「「「「……リラ・リラ・ゼノリカ……」」」」」」


 静かに、穏やかに、心を統一するように、一定のリズムで声を揃えてそう発してから、地に両手をつけて、一斉に頭を深く下げた。









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