『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

16話 最強神がアップをはじめました

 16話








 倒れ込んだセンに、蝉原が、


「お金、とるけど、いい?」


「イヤだ……けど……もう、抵抗はできない」


「だよねー」


 言いながら、蝉原は、センのスラックスから財布を抜き取って、


「センくんは、気室に負けたって事にして欲しいんだけど、いいかな? 了承してくれるなら、とるのを三千円から二千円に減らすけど?」


「……財布だけ……おいていってくれるなら、いくらとってもいい」


「ん? この財布、なんかあるの?」




「親の形見……二年前に死んだ母親がくれたもん……」


「へーそうなんだ」


 そう言うと、蝉原は、


「そりゃ」


 センの財布を地面に落として踏みつけた。


「踏まれちゃったね、形見」


「……そうだな」


「怒る?」


「……ああ、怒ってる……かなり……自分でも驚くくらい」


「そっか。良かった。それでも立ち向かえない恐怖……それが、おれ、蝉原勇吾。よろしく、どうぞ」




「……」




「いい目するね。なんだか嬉しいなぁ……」


 嗜虐色に染まった目でセンを見て、


「少しだけ欲情しちゃった……悪いんだけど、ちょっとだけ、プレイにつきあってね」


 言いながら、蝉原は、ユズを手招きする。
 ユズは、一度、面倒くさそうに溜息をついたが、スマホをしまって、蝉原の近くまで歩く。


「センくん、見ててね」


 言いながら、蝉原は、財布を踏ん付けたまま、ユズを抱きしめて、貪るように彼女の唇を奪う。
 右手はユズの胸を揉み、左手はスカートの中に入れて、ユズのお尻をもみしだく。


「ぷはぁ」


 ユズの唇を吸い終わると、蝉原は、センに視線を戻して、


「センくん。どう、興奮した?」


「……しない」




「えー、ウソだー」


 言いながら、蝉原は、財布から足を放して、


「まあ、いいや。じゃあ、帰るね。何か言いたい事とかある?」


「次、誰か来ても……俺は同じ対応をする」


「大丈夫だよ、分かっているから。君は面倒くさい。オッケー。了承したよ。これからも、蝉原勇吾に、ちゃんと怯えて生きてくれるなら、それでオールオッケー。……オーライ?」


「……ああ」


「ユズも、最後に何か言ってあげてよ」


 声をかけられると、ユズは、センに視線を向けた。


 ゲロを吐いて倒れているセンを、頭から足まで見下ろして、


「だっさ……あんたみたいなのって、生きている価値、あんの?」


「……さあ」


「ウザいんだけど、その受け答え」


 言いながら、ユズは、センの財布を踏みつけた。
 グリグリと、カカトで地面に押しつけてから、その足で、


「ぐぅっ」


 センの頭を踏んだ。


 その光景をニタニタと笑いながら見ていた蝉原が、


「あれー? 触れるのもイヤなんじゃなかったの?」


「ムカついたから、別腹」


 ユズは、そう返事をしてから、センに対して、


「親の形見を踏まれたんだから、もっと抵抗したら?」


「……抵抗か……しているさ、精一杯……さっきからずっと、俺は、自分の感情に抵抗している」


「ぷっ……だっさぁ……なに、今の、カッコいいの? カッコいいと思って言ったの? きっしょ、くっさ……こういうの、なんていうんだっけ? 確か、あったよね、こういうヤツを指す言葉。ねぇ、ユウゴ」


「厨二のことかな?」


「ああ、それそれ」


 そこで、ユズは、センの前髪を掴んで、


「クソ厨二、死ね」




 グイっと思いっきりひっぱったユズ。




「……ぐぃう!!」




 加減を知らない力で、再度、グイグイッ!
 当然のように、
 ブチィ!! っと数え切れない量が抜けた。




「……うっ……」


 痛みに声をあげてしまったが、センは奥歯をかみしめて、必死に声を殺そうとしている。


 その様子が、余計にユズの神経を逆なでしたようで、


「もっと声あげろよ、おまえ、つまんなっ」


 ユズは、足でセンの頭を踏みつけにしたまま、必死に我慢しているセンの顔面を、二度ほど、パンパァンっと思いっきりシバいた。


 その際、センの鼻の『いい所』に当たってしまい、鼻血が出て、


「うわっ、手に鼻血がついたんだけど……どうしてくれんの、これ……ほんと、きっしょいんだけど……死ねばいいのに」


 心底から不快気に吐き捨てて、センの頭から足を放す。
 センの財布で手を拭いて、その汚れた財布をセンの背中に投げつける。


 そこで飽きたのか、ユズはセンを意識から外して、スマホをとりだし、スイスイとイジりはじめた。


 全てを見ていた蝉原が、そこで、ニタニタ笑顔を崩さず、


「センくん、ごめんねー、ユズは情緒不安定だからさー。許してあげてよ。許してくれるよね? こんな子でも、一応、おれの女だから……ね? ユズを許すよね?」


「……」


「いい目だね。言いたいことは山ほどあるけど、絶対に口にはできない。君の恐怖が伝わってくる。嬉しいねぇ」


 ふふっと心底から嬉しそうに笑って、


「じゃあ、帰るね。ばいばい、センくん」


 そう言って、センに背を向けた時、


 蝉原の目は、










「懐かしいな……このイベント、覚えているよ、流石に顔をシッカリとは覚えていなかったけど、蝉原……うん、そうそう、こんな顔だった。女の方は……もっと美人だったと記憶しているんだが……いま見ると、そうでもないな……ハデな化粧でも誤魔化し切れていないハンパなツラ。アダムと比べれば、エロさも可愛さもゴミ以下だな」










 などと、そんな訳の分からない事をのたまう、『十七歳くらいの、羽織りを着た男』の姿をとらえた。





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