『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

7話 神、むいちゃいました

 7話




(冒険者試験の対策は……流石に必要ないな。俺が落ちる試験ってどんなんだよ。俺を落としたら、逆に、たいしたもんだよ)


 センは、三人を黙らせたあと、心のなかで、ブツブツと、


(となれば、まずは、やっぱり、レベル上げからだよなぁ……ぶっちゃけ、他の何をするより、GLを上げるのが一番てっとりばやく強くなれる……)


 アイテムクオリティの作成上限も解放されているっぽいので、その辺に着手するのも面白そうだが、まずは、やはり、GL上げから。


(問題は経験値の稼ぎ方だな。本来なら2択なんだが……この世界、ゴミしかいねぇから、実質1択。魂回収は諦めて、行動経験値で上げるしかない……)


 普通のレベルは、他者の命を奪わないと上がらないが、GLは、他にも上げられる方法がある。
 というか、何をしても上がる。


 GLの経験値は、『何をしても得られる』という変わった特徴を持つ成長システム。


 水を飲むだけでも経験値は入るし、風呂に入るだけでも、体操するだけでも、なんだったら『呼吸をするだけ』でも経験値は入る。


 もちろん、経験値の入り具合は、その行動の質によって大きく変化する。


 呼吸するだけで入手できる経験値を、仮に、一日分で『5』だとした場合、朝から晩まで『魔法を使い続ける』で得られる経験値は『10000以上』といった感じ。


 自分を高めるための行動であればあるほど入手できる経験値は高くなる。


(どの行動で上げていくかな……やっぱり、グリムアーツを高めながら上げるパターンが一番かな……あっ、てか、『GLの経験値取得倍率が上がるアイテム』まだあったっけ……やばっ、もういらねぇっつって捨てた気が……)


 センは、慌ててアイテムボックスを確かめる。


(……あぁ、捨ててんなぁ……まあ、いいや。今なら、もっと良質なもんが創れるし……)


 すぐさま、センは、『経験値取得率が上がる代わりに、様々な制限がつく』系統のアイテムを創造する。


「創造、ランク1500」


 頭の中でパズルを組み立てていく、『この感覚』は単純に楽しい。


 アイテムボックスの中に貯蔵している無数の素材から最適な組み合わせを選びコアを作成し、ライブラリから、外装を選択。


 もちろん、完全にゼロからも創れるが、既に存在しているものを使う方が楽だし早い。
 当たり前の話。


 『形』が出来上がると、センは、システムをくみ上げていく。


(名前は……『メリークルシミマス』……ぶっこむアリア・ギアスは……まあ、こんなもんか)


 多大な魔力を費やして完成させたのは、西遊記の孫悟空がつけていたワッカのようなもの――『メリークルシミマス』。


 かなり尖った性能のアイテムで、装着する事によるデメリットはエゲつないのだが、センは迷いなく、頭に装着する。


(おお、この感じ、懐かしい……全身、重てぇ……目、かすむぅ……ノドと体の節々、クッソ痛ぁ……)




 常時、インフルエンザ大暴れ、といった状態で、しかし、センは、




(はは……増えている……稼いでいるぞ、経験値。この感じ……やっぱ、良い……強くなっている……俺は今、意味のある時間を過ごしている……全てに……意味があって、未来を夢見る事ができる……この時間……あぁ……)


 嬉しくて仕方がないという顔をしていた。
 今のセンは、『神だから、このしんどさも大丈夫』という訳ではない。
 ふつうに、人間が病気で苦しんでいる時とまったく同じ、今のセンは、メチャメチャしんどい状態にある。
 だが、センは、鋼の精神力でそれに耐えて笑う。


 そして、




「閃拳!!」




 心を定めて、無に向かい、拳を放った。




「閃拳!!」




 二回、三回、五回、十回、


 センは、無心で、完璧な拳を繰り出し続けた。


 その姿に、その場にいた三人が見惚れる。


 ただ拳を突き出しているだけなのに、なんと美しく完成された光景か。


 神の芸術が、そこにはあった。


「ふぅう……」


 凝縮された一分後、センは、息を吐いて、拳を収めた。
 そして確認する。


(……経験値の上がり方は、以前とまったく同じか。となると、やはり『神、むいちゃいました』のトレーニングプランでいくのがベストだな。問題は、ピークに入った際の負荷の増やし方……あ、そうだ、『神実(神様のプロテイン的な食べ物)』も食わないと……種を植える場所も大事だな……他にも……あっ、読んでない魔導書!! あれも、使えるって事じゃね?!)


 広がっていく。
 自分を高めるためのプラン。




(ぁあ、楽しい……)










 まだまだ、これから。
 これから、全てが始まっていくのだと認識するたびに溢れる脳汁。


 センの躍動は止まらない。







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