やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

65話 レオンの決意




「あ、1つ言っていなかったな」

  断ろうとした寸前に王様がそんなことを呟いた。

「何でしょうか?」

「君にだけ別途でもう1つメリットがある」

  そう言ってこちらに微笑んでくる。そして十分間を開けた後に聞かされたことは驚いた。

「レオン君が貴族になった時にフィリアがついてくる」

  これは予想だにしなかった。貴族になったとはいえ元平民とは多少難しいものだと思っていた。

「どういうことですか?」

「いや、それなりに君たちの関係は理解しているつもりだ。それゆえの提案だ。君が貴族になったらあっという間に陞爵しそうだし問題ないと思うぞ」

  そう言われたらメリット、デメリットで考えられなくなるだろう。

「なかなかずるいこと考えますね」

  ここでまた考え込んでしまった。

(フィリアと一緒になれるのは嬉しいけど、形としてはあまり好きじゃないな……)

  レオンは対等な立場なら良いものの、贈られて貰うみたいなことは好きではない。特に今回のような場合は尚更だ。

  ただ親公認でフィリアと一緒に居られることはとても大きい。

(うーん……。)

  あれこれ考えた結果、今は答えを出せないという結論に至った。

「すみませんが今はお答えすることが出来ません」

「……理由を聞かせてくれないか?」

「はい。色々な理由がありますが1つは家族に迷惑をかけたくないということです」

  貴族になれば多かれ少なかれ他の貴族と敵対することはあるだろう。その時に両親を人質に取られる可能性は0ではないのだ。

「なるほどな。確かに貴族になったらそういうことは増えるだろう」

「それでもう1つは自分が納得していないのです。フィリアとは自分の中でしっかりとした自信が出来てから前に進みたいと思います」

  正直なところは単なるレオンのわがままだ。納得するまで待っていて欲しいと。

「分かった。だがそう長くは待てないと思え。フィリアは王女だ。他国からのお見合いの誘いも多い。分かったな?」

「はい。ありがとうございます」

  そうしてその場はお開きとなった。王様が先に席を立ち部屋を出ていった。それに連れて外の人達も王様に着いて行った。

  中に残ったのはレオンとフィリアだけだ。

「ごめんねフィリア。こんな優柔不断で」

「いえ!そんなことはありませんよ!何よりレオンが私のことを大切にしてくれてると感じられてとても嬉しかったですよ」

  そう直接言われるのは少し恥ずかしいものがあった。フィリアは恥ずかしくないのだろうか?

「ありがとね」

  レオンは恥ずかしさを笑って誤魔化した。

「……」

「……」

  何ともこの状況が気まずい。

「レオン」

「な、なに?」

  少し動揺して言葉が詰まってしまった。

「お父様はあのように言いましたが私はいつまでも待っていますからね。だからレオンが納得するまで思うようにしてみてください」

「……本当にありがとね」

  フィリアの言葉で気分が落ち着いたのか頭がだんだんと冴えてきた。

  その頭でやることを考えてみたら驚くほどにいくつもの候補が思いついた。

  そして1つ1つ吟味していき納得しなさそうなものは捨てていった。

  そして最後の1つに途方もない候補があった。だがそれは成功したら自分が納得できると断言出来るし何より楽しいと思ったのだ。

「急に考え込んでどうしたのですか?」

  そして唐突にレオンは立ち上がった。

「っ!どうしたのですか?!」

「フィリアのおかげでやることが決まったよ!ありがとう!」

  つい勢いでフィリアの手を握ってしまった。

「あ、ごめん!はしゃぎ過ぎた……」

  手の力を緩め離そうとしたが、フィリアが逆に握り返してきた。

「いえ!私の言葉が役に立てたなら良かったです!」

  少し狼狽していたがすぐに柔らかい笑顔に変わり

「それに私はレオンの未来のお嫁さんですよ?さっきも言いましたが信じていつまでも待ってますから」

  と優しく伝えてくれた。その時のフィリアは今まで見た中で格別綺麗に思えた。

  そしてその言葉を胸にどこまでも頑張れる気がした。

「ありがとうフィリア。今ので確実に出来るような気がしてきたよ。期待して待っててね」

「はい!」

  そうしてレオンは王城を去った。その時のレオンの目には確かな決意が宿っていた。

  そしてレオンの計画はすぐに行動に移された。




  お久しぶりです皆さん。長らくお待たせ致しました。

  いや、進級してから課題の量が冗談のように多くて全く書く暇がありませんでした。

  オールを何回やったことか……

  皆さん!オールは2日までが限度ですよ!その先はもう意識なんてありませんから……

  そんな訳でこれからもこんなペースになるかも知れません。申し訳ないです……

  それでもコメントやいいねをして頂けると嬉しい限りです。

  これからもよろしくお願いします!

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コメント

  • ノベルバユーザー354375

    主人公の世界ってこんなに緩いのか……

    ご都合主義、乙 wwww XD

    0
  • 海神龍激

    オールは一日なら出来るんだけどなぁ(スマホ)

    0
  • けせらとてん

    早く次が読みたいです

    0
  • ゆうと

    体調崩さないように気をつけて下さいね!
    次も楽しみにしています!!

    5
  • ノベルバユーザー310583

    お疲れ様です!これからも頑張って下さい!

    1
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