同世界転生の最強貴族

夜谷 ソラ

第三十八話 魔皇帝襲来

「やっぱり間違い無い。あれは魔皇帝だな。早めに殺すとしよう」

    魔皇帝とは、その名前の通り、魔王を統率する程の莫大な力を持つ者の事だ。無論、その者も魔族でなければならない。
    そして、その個体数は、強力かつ特殊な個体のため、七体しか存在おらず、残りの六体は遺跡の深くに封じられている。
    簡単に言えば、神を殺す事が出来る程、危険な力を持つ存在の事を、魔皇帝と言うのである。

『我が名の元に、魔法の深淵へと踏み入る事を許可する。世界を終焉へと導く禁忌の扉を開き、その秘術を我の目の前に示せ!!深淵系終焉型魔法 “絶対殲滅アナイアレーション”』」

    淀んだ黒い色をし、液状化したような時空から、金色の槍が地上に降り注ぐ。この魔法は、神すら一発で殺せる魔法を降り注がせる。
    だが、神すら殺せるというのは当たればの話だが。当たらなければ、ただの魔法と同じものだ。

「神というのは、意外にも気性が荒いんだな。まあ、良い。面白い物は大歓迎だっ!」

『邪神式黒魔法 "暗闇星エドネス"』

    暗闇星という名の通り、黒い星が空中に散りばめられ、大爆発を引き起こす。そこまでは別にいいのだが、この魔法の爆発には、超強力な呪詛や、ヒ素(これに限っては神にも有毒)等を発生させるらしい。

「おいおい。自分ではなった魔法にどうしてそこまで焦っているんだ?さっきからダラダラと汗が流れているぞ?」

「だ、黙れ!!そんな事は無い!!」

「ならば遠慮無く行かせてもらうよ」

『世界を創造せしと伝えられし我らが母、マリアよ。今一度その強さの、概念すら歪める強力な魔法を貸したまえ!起源魔法 "ヒカリノツルギ"』」

    起源魔法とは、その魔法を作り出した起源から力を借りる事により、凄く強力な魔法を、一時的に使用と言うものだ。
    そして、ヒカリノツルギと言うのは、一番古い神器で、それを擬似的に魔法で作り出すものだ。

「さよならだ。魔皇帝っ!」

「ぐっ!があっ!」

    ヒカリノツルギで心臓を一突きにすると、凄く苦しんでから死んだ。我ながらサイコじみた事をしたと思う。
    そして、魔皇帝の死亡を確認すると、死体に神聖系の浄化魔法をかける。すると、死体は完全に灰となって散った。

「安らかに眠れ・・・・・。・・・・さて、あの邪神達はどうした物か」

「うぉぉーー!!!」

    咆哮が聞こえた方へと振り向くと、何か異変を感じる。鼻を刺激するような、独特な匂いを持つ刺激臭がしているものが落ちて来ている。

「くっ!これは・・・・・っ!!」

    そう。この異臭を放つものから生まれるのは、上位の悪魔や最高位のダークエンシェントドラゴンなのだ。

「ふ・・・・・中々に、面白くなってきたじゃないか!」

    強い者と戦うのが好きな為、少しはしゃぎめでそう言う。すると、早速何か出てくるのであった。

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