同世界転生の最強貴族

夜谷 ソラ

第三十六話 審判と狂気

    自身の持つ最高の秘奥義とも言える特殊スキル、神聖秘術式 神の審判ジャッチメント を使ったのには訳がある。それは簡単な事だ。

「まさか狂気化の持ち主だったとはな・・・・。更に凶神化も使うとは・・・かなり精神的に追い込まれていたらしいな」

「あぐぅ・・・・全身が痺れるようだ・・・・・だが・・・・殺す・・・・・・!!!」

「これはこれは・・・・まあ良い・・・・・・」

    狂気化とは、自分の心を強制的に制御不能状態に陥らせ、周りの物(者)を無差別に壊したり殺したりするようにする特殊スキル。
    そして、凶神化とはその名の通りで、正当な神族の全員が持つとされている、言わば起死回生の策である。全てのステータス値を百倍以上にあげる代わりに、常時癒えぬ痛みに苛まれ続けると言う最悪なスキルだ。

    そして、何故神の審判を使ったかと言うと、神には闇以外の属性が全くといっていい程効かず、闇属性だろうと最大出力出ないと倒せないのだ。だが、生憎こんな所で放てば、神界の三分の二が消える。
    なので、この世の全てを属性関係無しに殺せるこのスキルを発動した、と言う訳だ。

『神の審判の発動条件、明らかな敵意を持っているかや魔法のレベルが勇者を死に至らしめるものかが確認されました。・・・・・判決ジャッチ有罪ギルティー。死刑を執行します』

    何かが脳の中で機械じみた声でそう喋った。そして、相手を時間魔法で止め、下に魔法陣とは違う、五芒星の中に四つの菱形が蝶のような形であり、円形に囲っている部分には細かく英語・ ・を描いたものを置いていた。

「さあ・・・・王手チェックメイトだ」

「何故だ!?何故この俺が!?ぐあぁー!!!」

「・・・・・さらばだ・・・」

    次の瞬間、武神ランドロフの身体はガラスのように砕け散り、その破片は灰となって風に流されていった。

「ほっほっほっ・・・・・これは、本当に化け物の中の化け物じゃな」

「「・・・・・・・・」」

「ああ・・・・それよりも神界のルールを再制定しようと思うが異論は無いな?」

    その言葉に顔を真っ青にしていた魔神ニーニャと地命神エリスらはすぐに我に返り、創造神ゼロに内容を聞いている。

「なるほど・・・・・・分かりました・・・・・」

    そして、そのままこちらへと向き直り、頷くのだった。

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