チートスキルはやっぱり反則っぽい!?

なんじゃもんじゃ

チート! 004 冒険者登録をするのです!

 


 受付カウンターには3人の受付嬢がおり、昼なので冒険者も少なく2人の受付嬢の前に1人ずつ冒険者風の男が立って何やら話し込んでいたのでシーロは空いている受付嬢の前に立つ。
 受付嬢をしているだけあって3人とも見た目が良く、冒険者の対応をしている2人は人族とエルフで美人のナイスバディなお姉さん。


「それはもう、ボーンとね」


 そしてシーロが向った受付嬢は犬耳が特徴の可愛い系で胸もお淑やかな獣人族の受付嬢だ。
 シーロは獣人族を間近でみるのは初めてだったので犬耳をガン見してしまったが、受付嬢はそれを無視して営業スマイルを浮かべ業務を行う。


「・・・冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか」
「登録をお願いします」
「はい、ではまずステータスを確認いたしますのでこの水晶に手を翳して下さい」


 犬耳に触りたいな。
 素直なシーロの気持ちである。


 詰所に続きここでも水晶が出てきたが冒険者ギルドの方が大きめの水晶で台座付きの高級品という感じの水晶だ。
 シーロは言われるままに水晶に手を翳すと水晶は無色の光を放った。


「はい、もう大丈夫です。児童も付いていませんので登録を続行しますね。お名前はシロー様で間違い有りませんでしょうか」


 名前がシーロではなく、シローになっているのには理由がある。
 その理由は後々説明をするとして、今は冒険者登録を進める事にする。


「はい、間違い有りません」
「戦闘は前後衛のどちらになりますか? それと使用される武器は何になりますか?」
「前衛で剣になります」


 質問にシーロが答えると受付嬢はカウンターの向こう側のシーロから見えないカウンターの影でカタカタと音を立て作業をする。
 恐らくキーボードのような物を使ってシーロの情報を打ち込んでいるのだろうと考察するシーロだが、この世界にキーボードなんてあるのか?とも疑問に思う。
 幾つかの質問を終えると冒険者と冒険者ギルドについての説明をしてくれるという。


「冒険者にはランクがあります。ランクは下からG、F、E、D、C、B、A、Sの8種類あり、各ランクで三段階あります。つまりランクGの場合は、G-、G、G+の三段階です。シロー様は登録したばかりですからランクはG-になります」


 犬耳の受付嬢は一息つくと説明を再開する。


「冒険者の主な仕事は魔物討伐、アイテム採取、商人や要人の護衛です。これらの仕事は依頼としてそちらのボードに貼り出されますが、依頼の難易度によってランクが設定されております。
 そして冒険者は自分のランクより1つ上のランクまでは依頼を受ける事ができます。G-のシロー様はF+までの依頼を受ける事ができますが、冒険者は全て自己責任で依頼を受ける事になりますので、死んだり大怪我をして冒険者を続ける事ができなくなってしまいましても当ギルドは一切の責任を負いません。
 また、依頼を失敗しますと違約金をお支払い頂く場合も御座いますので依頼を受ける場合はよく考えてから受けて下さい。
 ランクアップは冒険者としての実力と人柄、そして当ギルドへの貢献度によって判断されます。当ギルドへの貢献度は依頼を完遂する事で上がりますので頑張って依頼を受けて下さい。


 依頼には『常時依頼』と『臨時依頼』と『指定依頼』と『緊急依頼』があります。
 常時依頼は受注の必要はありませんので、完了条件をクリアしてから申し入れをして頂ければ構いません。
 臨時依頼は魔物討伐、アイテム採取、商人や要人の護衛など色々ありますが、誰かが受注しますと他の方は受注ができなくなりますので早い者勝ちとなっております。
 指定依頼は依頼主がパーティーまたは冒険者個人を指定する依頼となっておりますが、臨時依頼は拒否する事もできます。ただ、報酬が多くギルドへの貢献度も高くなりますのでお受けする方が多いです。
 緊急依頼は魔物の大量発生など緊急時に発せられる依頼です。冒険者はこの緊急依頼を拒否する事はできません。後からお渡ししますギルドカードには緊急依頼を知らせる機能もありますので知らなかったでは済みませんのでお気をつけ下さい。


 冒険者への依頼仲介料と冒険者が持ち込むアイテムの売買益により当ギルドは運営できておりますので、冒険者が当ギルドを介さずに商人や個人との直接取引は禁止されておりますのでご注意下さい。もし違反が判明致しますと罰金、謹慎、降格、除名などの処分があります。


 冒険者は冒険者ギルド員となりますので、国籍はございません。よって罪を犯しますと当ギルドが介入し裁定を行います。つまり国や貴族が勝手に冒険者を裁く事はできませんが捕らえる事はできます。それとこの制度を利用し悪さをするのはお勧めしません。そんな事をするとこの後にお渡ししますギルドカードに記録されますので判明した時点で捕らえられます。


 犯罪者を発見した場合には捕らえますと1人当たり金貨1枚の報奨金が支払われます。また、犯罪者を捕まえその犯罪者を奴隷にしますと奴隷商に買われた金額から諸経費を差し引いた金額を追加で受け取れます。
 捕らえられず殺してしまっても報奨金の金貨1枚は支払われますのでその時は首をお持ちください。
 それから犯罪者に賞金がかけられていますと賞金が支払われますが、この場合は奴隷として売る事はできませんし、報奨金も支払われません。但し、賞金はそれなりの額になりますので損はないはずです。
 それから犯罪者を捕らえる事ができなくても有用な情報にも報奨金をお出しする場合も御座いますので当ギルドへ報告をお願いします。


 次は――――――――」


 よく言えました。
 と褒めてやりたい衝動に駆られるシーロだった。
 あれだけの説明を噛まずにできるこの受付嬢は優秀だと少しだけ見る目を尊敬よりにチェンジする。


 長々と説明を聞き、説明が終わると直ぐにギルドカードが渡される。


 ギルドカードは掌サイズの長方形の金属プレートで、そこには『氏名:シロー』『種族:人族』『年齢:12歳』『性別:男』『状態:健康』『所属支部名:カウラニ支部』『パーティー名:空白』『冒険者ランク:G-』『賞罰:空白』『所持金:0レイル』と表示されている。


「最後にギルドカードの説明です。このギルドカードには冒険者の状態を確認する機能がありますので必ず身につけておいて下さい。


 当ギルドは冒険者の所持金を預かる業務も行っておりますので、依頼報酬などをお預かりしますとギルドカードの一番下にあります所持金に表示されます。また、ギルドカードを使い買い物もできますがギルドカードに表示されている金額以上の買い物はできませんので覚えておいて下さい。
 先ほど水晶に手を翳して頂きました時にシロー様の魔力を登録しておりますので本人以外はギルドカードを使用できませんので、セキュリティ面はご安心下さい。


 先ほど説明しました緊急依頼がありますとギルドカードが発光し音が鳴りますので、その場合は速やかにギルド会館にお越し下さい。音は任意で調整できますし消す事もできますが気付かなかったと言う言い訳は受け付けませんのでご注意下さい。


 それとギルドカードの裏面には討伐記録が表示されますので討伐依頼の場合は討伐記録によって依頼の完了判断がされます」


 随分と便利なカードだと感心する。
 ギルドに金を預けたまま死んだりすると預けた金はどうなるのだろうか?
 ギルドのポッケに消えて行くのだろうか?


「以上で全ての説明が終了しました。ご質問は御座いますか」
「緊急依頼が発せられた時に依頼を受けていたらどうなりますか? それと遠方に居た場合や怪我や病気で動けなかった場合はどうなります?」
「基本的にはこの緊急依頼を発する場所の周辺にいる方にしか緊急依頼は届きませんし、ギルドカードは冒険者の状態を表示しておりますので、動けない方は自動で除外されます。
 そして他の依頼と被ってしまった場合は緊急依頼が優先されます。それによって他の依頼が完遂できなくなった場合は罰則無しのキャンセル扱いとなりますので心配は不要です」


 近くにいる健康な冒険者であれば緊急依頼は何が何でもヤレって事を理解するシーロだった。


「わかりました。全然関係ないですけど良い宿屋を紹介して頂けますか?」
「はい、宿屋でしたらギルド会館を出て左に行って頂きますと直ぐに右手側に『大熊の右手亭』と言う宿屋が御座います。食事が美味しく宿泊料金も良心的ですよ」


 シーロは受付嬢に素直に礼を言うと依頼書が貼ってあるボードに向う。


 ランク:F(パーティー推奨)
 依頼名:ゴブリンの駆除
 内容:ゴブリンを10匹以上駆除する
 報酬:1匹につき銀貨1枚
 期限:常時依頼の為受注不要
 罰則:なし


 ランク:G+
 依頼名:ペットの散歩
 内容:ペットのワーウルフの散歩を1時間
 報酬:銀貨2枚
 期限:受付から1日
 罰則:なし


 ランク:F+(パーティー推奨)
 依頼名:グラスウルフの駆除
 内容:グラスウルフを10匹以上駆除する
 報酬:1匹につき銀貨1枚と大銅貨3枚
 期限:常時依頼の為受注不要
 罰則:なし


 ランク:G-
 依頼名:ナオリ草採取
 内容:ナオリ草の葉を1Kg以上採取
 報酬:1Kgにつき銀貨3枚
 期限:常時依頼の為受注不要
 罰則:なし




 シーロが受けれる依頼は色々ある。
 ゴブリンの駆除、グラスウルフの駆除、ナオリ草採取は全て常時依頼なので受注しなくても良い依頼なので先に宿屋にチェックインをしてから早速狩りに行こうと考える。
 ゴブリンとナオリ草は西の森で、グラスウルフは西の森やその手前の草原に棲息していると受付嬢が教えてくれたので場所は問題なく分かる。


 宿屋の『大熊の右手亭』はギルド会館を出てすぐに見つける事ができた。


「っらっしゃい! 泊まりかい?」


 豪快な口調の恰幅が良い熊の獣人のオバちゃんがシーロを向かえる。
 宿屋の名前の由来はこのオバちゃんではないだろうか? と思いつつ部屋を頼む。


「泊まりでお願いします」
「あいよっ!泊まりは1泊朝夕の2食付きで銀貨2枚と大銅貨5枚だよ」
「じゃぁ、10泊しますね」
「お、連泊とはありがたいね。オマケして大銀貨2枚と銀貨2枚で良いよ。この宿帳に記帳しておくれ。字が書けなければ私が書くよ」


 シーロはオバちゃんに大銀貨2枚と銀貨2枚を渡し、記帳をする。


「シローだね。私はジルって言うんだ、宜しく頼むよ」


 客商売とは思えない口調だけが、人柄は良いのではないかと思う。


「これから出かけますので、夜に帰ってきますね」
「あいよっ!夕食は5時から9時までだからね。気を付けて行ってくるんだよ」


 シーロはジルさんにペコリと頷き宿屋を出る。




 

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