神王のスローライフまで
第3章第25話 帰還
「煙?」
「なんでしょうか?ラベールの方向から出てませんか?」
後少しでラベールに到着するというところで華楓が、窓から煙が出ているのが見えた。
「まさか、魔王が襲撃したとかじゃないよな!」
「そんな!それならば、急がないと!」
馬車のスピードを上げていく。
それにつられて、護衛の騎士や回りの馬車もペースを上げていく。
そして、数分後に町が見え始める。
「あっ!町から火が!」
誰かがそう叫び、それが回りに伝染した。
それぞれが、スピードをさらに上げていきその数分後には町の門までにたどり着いた。
「門が、開いてる...... 」
門は、無惨にも打ち破れたかのように壊れている。回りの壁には所々焼けている部分がある。
「お兄様!」
リルは、心配が顔にもろに出てしまいしまいには声に出して叫んでしまった。
「班で全員まとまって生存者を探して保護しろ!騎士達も、グループにまとまって探せ!」
「はっ!」
クラスメイトと騎士達は別れて町の中に入っていく。
「俺達も急ぐぞ。先に、王族が安全か確認しよう!」
「うん、急ごう!」
走っていくが、町の家は所々崩壊している。
回りには先に走っていった騎士達が子供や年寄りを保護して町の外につれていっている。
走りながらその光景を流しながらようやく王族がいた館に到着した。
その館には、兵士が六人程たっていた。
「勇者様!帰ってこられたのですか!」
「今さっきだが、取り敢えず住民を町の外に連れ出して一つにまとめている。王族の安全を俺たちは確認にきたが、どんな状況だ?」
「それが........ 」
「中に入って確認してください。私達には、どうにも...... 」
「なっ!」
「お兄様!」
リルが、館に走っていった。
俺達も、その後に続くがリルが向かっていった場所は、寝室だった。
そこには、王太子レオナードがベットではなく。白い台に寝かされて顔には白い布がかけられていた。
「お兄様...... 嘘ですよね、そんな、お父様の後を追うのですか!............ ううっ」
リルが泣いているということは、そういうことなのだろう。
この世界でも、亡くなった人には顔に白い布がかけられるということ。
俺は、リルの背中を抱き締めた。
「ううっ、龍一~。」
結局、ラリティア王国の王太子はこのまちで、おなくなりになった。
やはり、話し合って顔見知りや親族が亡くなるのは、心がとても苦しい。
リルを、抱き締めながら部屋を出た。
そして、侍女が用意してくれた部屋に入った瞬間。
さらに大きく泣き出した。
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