異世界を楽しみたい転生者

Gai

第87話少年期[77]ゼルートの強さの根源

「すごい、あそこまで魔力を起用に集めるなんて。それに魔法だけじゃなく剣術の方も、素人の私から見ても凄いのがわかる。アレナさん、彼は魔法剣士なんですか? いや、そうだとしてもかなり凄いんですが」

「確かに凄いですね。セイルが使う斬撃波と彼が使う斬撃波では威力も範囲も段違いです。何をもってまだ僕らより低い年齢の人が、あそこまでの強さを手に出来るのか。アレナさんはそのあたりは知っているんですか?」

アレナは二人の質問にどう返したらいいか悩んだ。

アレナはまだゼルートに出会って数日しか経っていないが、お互いの過去の話などはルウナも交えて語った。その内容からアレナはゼルートの強さの根源を考えた。

「・・・・・・そうね、魔法剣士とはちょっと違うわね。ルウナと似たように拳で戦うことも出来ると言っていたから、なんて言えばいいのかしら・・・・・・まぁ、簡単に言ってしまえばオールラウンダーといったところね。
それとなぜゼルートがあの年であんなに強い理由は彼の生き方? だと思うわ。ゼルートは楽しんで生きていくにはやっぱり強さが必要なんだと思ってるわ。知らない場所に行くにしてもどんなトラブルがあるか分からないでしょ。だからそんなトラブルをぶっ飛ばせる力があれば、自分の知らない楽しみに出会えると思うんだって言ってたわ。そしてそのために自分を鍛え始めたのが五歳のころとも言ってたわね」

ラナとロークはその話を聞き、唖然とした表情でゼルートを見ていた。

歳は自分達より下の筈なのに見ている景色、目標、努力の時間。いろんな物が違いすぎると思った。
そしてゼルートに対して喧嘩腰だった自分達を思い出し顔を赤くした。

とはいえゼルートはいくら精神年齢が高いとはいえ、外見は十二歳の子供だ。その外見のせいで侮られることは本人も分かっている。

もっともゼルートの場合は絡んできた相手を、どう料理するかを楽しんでいるので、むしろ絡んできた相手にご愁傷さまといったところだろう。

「ほら、もうすぐ戦いが終わるわよ。おそらく一撃でね」

三人の視線の先には技の構えをとったボーランとゼルートが映っていた。

「おい、ガキ。悪いがこの技でお前を倒させてもらうぜ!!!」

どうやらボーランはこれから放つ一撃に、相当の自身があるようだ。

だがボーランはアレナ達のことは頭からすっぽりと抜けているためゼルートを倒した後をどうするか一切考えていなかった。

ゼルートはボーランの言葉を聞き、表情はにやにやと相手を挑発しそうな顔をしているが、内心ではどんな技が出るかワクワクしていた。

「へぇ~、どうやら自信たっぷりなみたいだな。それじゃ・・・・・・行くぞ」

ゼルートの言葉を引き金に、二人の技が放たれた。

「うおおおおおおお!!!! これで終わりだあああ!! 烈火灰燼砲!!!!!」

ボーランは大剣を真っ直ぐに構え、大剣の先から高熱な炎の砲撃を撃ち放った。
威力だけで考えれば火魔法の上位の魔法と変わらない威力があった。

並みの冒険者なら何も出来ずに塵となって消えていくだろう。そう普通の冒険者であったのなら。

「普通に凄いな。魔力を充電できる効果があるだけで、こんなすごい技が出せるんだな。ならこっちも良い技見してやらないとな」

ゼルートは左手から魔力の弾丸を放ち、そして直ぐに左手の鉄の剣から魔力を込めた斬撃を放った。

「あの炎の砲を切り裂け、ブレットスラッシュ」

放たれた魔弾に斬撃が追いつき、二つが重なり弓矢のような形になった。

ゼルートの放った技は、ボーランの大剣から放たれた炎の砲撃を文字どうり切り裂き、そのままボーランに向かっていき体を真っ二つにした。

「なかなか楽しませて貰ったぜボーラン。そんで悪いがお前が持っていたマジックアイテムは俺が貰っていくぜ」

ゼルートはボーランの大剣や腕輪等のマジックアイテムをアイテムリングに入れていった。
戦いが終わったのを確認したアレナ達がゼルートの方に向かってきた。

「お疲れさま。その顔を見る限り、一応満足は出来たみたいね」

「ああ、マジックアイテムの効果があってだろうけど、動きも悪くわなかった。それに最後の炎の砲撃には少し驚かされたしな」

ゼルートは砲撃の影響により、溶けている地面を見ながら答えた。

「それにしては随分あっさりと打ち破ったみたいだけれど」

「そこは単に実力の差だろう」

アレナは当然だろと言わんばかりのゼルートを見て、その歳でその実力がそもそもおかしいでしょと、心の中でツッコんでいた。

そしてラナとセイルを背負ったロークが、これからどうするのかを聞いてきた。

「ゼルートさんでいいかな、一応これで試験は終わったわけなんだけど、この後どうしたらいいかな」

「このバカリーダーの事もね」

ゼルートは少し考え込んだが、ルウナ達が奴隷の救出に行ってるのを思い出し、直ぐにこの後の行動を決めた。

「そうだな・・・・・・とりあえず死体がアンデットになったり疫病の原因になったりしたら面倒だから、俺が死体を一か所に集めて燃やしとくから、アレナ達はルウナ達の方に行っといてくれ。俺の方も直ぐ終わらせるからルウナ達がいる場所で待っていてくれ」

「わかったわ。出来るだけ早く来なさいよ」

「了解だ」

ゼルートは死体の処理、アレナ達はルウナ達と合流するため一旦別れた。

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