漆黒王の英雄譚
第19話 一家合流
王都に入ってから約10分ほど馬車に揺られていると突然馬車が止まった。
「どうやら着いたようだな。」
「ここが・・・屋敷?!」
「とてつもない広さですね」
馬車を降りると目の前には広い庭と噴水があり、その奥には豪邸が建っている。
「久しぶりねぇ〜」
「ん、久しぶり。」
「2人は5年ぶりか?あの子達も大きくなったんだぞ」
「そうね。久しぶりに扱いてあげようかしら」
「アイリスやりすぎ注意」
「分かってますよ」
(なんだろう。とてもアイリス母さんが怖い・・・)
笑ってない笑顔で笑うアイリスはとても怖かった。
「そう言えばレオ兄さんは来たことあるの?」
「あるよ。というか僕が生まれたのはこの屋敷だったんだよ。」
「え!そうなの?!」
「母さんに聞いたことがあって僕はこっちで生まれたらしい。色々事情があって3歳の頃に領地の屋敷に移ったんだ。」
「そうだったのですか。では兄さんは5年ぶりということになるんですね?」
「そうだね。」
「レオ、アル、アルト行くぞぉ」
「「「はーい(はい)」」」
屋敷の扉の前に来るとより一層豪華なことが分かる。
「親父、伯爵家でこれってことは公爵家はどんだけ豪華なんだ?」
「ああ、言っておくがこれは普通じゃないからな。俺がこの国の王剣に入っていてハドルフと仲がいいからこうなってんだ。ほかの伯爵家はこんなに豪華じゃないから。正直いらねぇんだよなぁ、こんなに豪華なの。」
「けど貴族としては仕方が無いんじゃないの?」
「そこが貴族のめんどくせぇところ。この屋敷は元々公爵家の屋敷だったからな。よけい豪華なわけだ。」
「へぇ」
屋敷の中に入ると真っ暗だった。
「父さん。なんで真っ暗なんですか?」
「いや俺にもわからん。二人は知ってるか?」
「知らない」「知らないわ」
「気配は感じるけどな」
「ん?確かにそこら辺にいくつか感じるな」
例えば階段の後ろ、シャンデリアの上、階段の中央、右側の部屋などに合計20ほど。
「父上ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「へ?おわっ!!」
突然階段の中央にいた馬鹿でかい気配が親父めがけて突進してきた。
さらに切りかかっていく。
「な!お前まさか!」
なんとか避けた親父に躊躇なく、ほかの場所からいくつもの気配が飛び出て親父に切りかかっていく。
「何あれ?」
「うーん。ちょっとやり過ぎちゃったみたいね。あの子がこれを考えるとは思わないから・・・」
「うん。あの二人だ思う」
「2人?」
「ちょっ!アルト!助けろって!!」
「馬鹿か!5歳児に頼むことじゃねぇだろ!けどまあ、このままじゃ話が進まないから止めるか・・・仕方が無い」
仕方が無いので止めることにした。
親父の所へ行こうと思ったその時魔力の波動を感じた。
「この魔力の感じは・・・空間魔法か?とりあえずキャンセル」
魔法の発動を拒否するとすぐさま魔力の波動はおさまった。と思ったら次は真上から・・・
「キャンセル」
やっぱり無くなった。
アルトは魔力を身体に流し込み、身体強化をして突っ込んで行った。
エルヴィンに向かって。
そのままドロップキックを食らわせ壁にめり込ませる。
「さて、話が進まんから少し黙っててもらおうか。ふっ!」
壁の奥に行った親父をほっといて襲撃者に向かって瞬時に懐に入り気絶させる。
他の奴らが気を取られている最中に闇属性の魔法を使って眠らせた。
全員がその場に倒れると次は壁から何かが飛び出した。
「あれ?生きてたのか。親父」
「このドアホが!死ぬかと思ったわ!」
「本気でやってないから大丈夫だ。それと!そこに隠れてるさっき空間魔法使おうとして失敗して壁に鼻ぶつけた奴も出て来い!」
実はさっき魔法をキャンセルした時に階段の裏から「プキャッ!」という小さな叫び声が聞こえていた。
「仕方が無い。特別に空間魔法の指導をしてやろう。空間魔法はこうやって使う」
俺は隠れている方に向かってまるで空間を抉りとるかのように手を動かした。
するとそこにいた人がその場から瞬間的に引き寄せられ移動してきた。
「え?へ?」
隠れていたのは女の子らしく、突然景色が変わったことに動揺していた。
「まあまあ、アルト。そこら辺にしてやれ。お前の兄妹達なんだからな」
「は?」
「だから、お前の真下で倒れてる奴が長男のヴァイスで、そこに隠れてるのが長女のフィーナだ。」
「え?えぇぇぇ!!」
どうやら俺は会ったばかりの兄を踏みつけていたらしい。
「他のは?」
「この屋敷の使用人だな」
「この屋敷は使用人が主に向かって刃物を向けても良いと?」
「俺も驚いた。まあ、昔に比べたらいいんじゃないか?」
「昔に何があったんだか」
「お?聞きたいか?俺の武勇伝?」
「聞きたくない。」
「ちぇ。ほらフィーナ。いい加減戻ってこい」
「え?あ、お父様。1年ぶりですね。」
「そうだな。それで?これはなんだ?」
「えっと・・・サプライズ?」
「ふむふむ。サプライズか。俺はサプライズで人を殺しにかかることは教えた覚えがないんだが?」
「お父様なら大丈夫だと思って」
「全くお前達ももうすぐ成人なんだからちゃんと考えて行動しろ。」
「はい」
どうやら俺の姉はかなりお転婆らしい。
「あとアルト。」
「?なに?」
「助けてと言ってドロップキックをかます奴居ないんだが?」
「ここに居るし、親父なら大丈夫だと思って」
「俺の子供達はどうしてこうなんだろうか・・・・・・」
教え方を間違えたか・・・などと言いながらぶつくさ言う親父を置いといて俺は姉フィーナに話しかける。
「こんにちは。フィーナ姉さんでいいんだよな」
「は!そうだよ!私はフィーナ!君がアルト君だよね!」
「あ、ああ」
「あんなに小さかったのに大きくなったなぁ!」
「あ、そう言えば姉さんは知ってるんだっけ?俺の出自」
「まあね。あの時は驚いたわ。お父様達が急にこの子を育てる!って言い出してヴァイスと一緒に何度か面倒見てたからね。お締めも替えてあげたんだよお?」
「あ、あんまりそういう話はいいから。」
「あはは。照れてるぅー可愛い!」
と言ってフィーナは俺に抱きついてくる。
「ちょっ!やめ!」
「あはははは!!」
(ダメだ!この人俺の苦手なタイプ!)
5分近くはフィーナに弄られたのだった。
しばらくして場所が変わり、屋敷の食堂。
「父上。申し訳ございませんでした」
「すみません」
座っている親父の前で頭を下げるのはヴァイスとフィーナだ。
ヴァイスが起きたあとたんまりとお話(お説教)をアイリス母さんとシルク母さん、親父から受け、謝っている最中である。
いやぁ、あの母さん達は怖かったな。
「もういいよ。それよりもエルザはどうした?」
「お母様なら今はシエルさんの所に行ってるよ?」
「そうなのか?」
「なんかお茶会に誘われてたらしくて今日の朝行った。」
「そうか。」
「それよりも!お久しぶりでございます!母上方!」
「そうね。久しぶり」
「久しぶりね。そうだ。改めて紹介するわ。この子達が息子のアルヴィンとアルベルトよ」
「アルヴィン・クロスフィードです。よろしくお願いします。ヴァイス兄さん」
「アルベルトだ。よろしく」
「あ!お前さっきの!」
「げ、覚えてたのか」
「お前強いんだな!俺と勝負しろ!」
「やだよ。」
「何故だ!」
「めんどいし」
「な、なんだと・・・戦いが・・・めんどい・・・だと?!」
「いや、戦うことは嫌いじゃないけど今は気分じゃないし」
「男は戦ってこその男だろう!」
「あ、ダメだ。こいつ脳筋だった・・・」
この時親父が馬車で言っていた微妙な感じがよくわかった。
「どうやら着いたようだな。」
「ここが・・・屋敷?!」
「とてつもない広さですね」
馬車を降りると目の前には広い庭と噴水があり、その奥には豪邸が建っている。
「久しぶりねぇ〜」
「ん、久しぶり。」
「2人は5年ぶりか?あの子達も大きくなったんだぞ」
「そうね。久しぶりに扱いてあげようかしら」
「アイリスやりすぎ注意」
「分かってますよ」
(なんだろう。とてもアイリス母さんが怖い・・・)
笑ってない笑顔で笑うアイリスはとても怖かった。
「そう言えばレオ兄さんは来たことあるの?」
「あるよ。というか僕が生まれたのはこの屋敷だったんだよ。」
「え!そうなの?!」
「母さんに聞いたことがあって僕はこっちで生まれたらしい。色々事情があって3歳の頃に領地の屋敷に移ったんだ。」
「そうだったのですか。では兄さんは5年ぶりということになるんですね?」
「そうだね。」
「レオ、アル、アルト行くぞぉ」
「「「はーい(はい)」」」
屋敷の扉の前に来るとより一層豪華なことが分かる。
「親父、伯爵家でこれってことは公爵家はどんだけ豪華なんだ?」
「ああ、言っておくがこれは普通じゃないからな。俺がこの国の王剣に入っていてハドルフと仲がいいからこうなってんだ。ほかの伯爵家はこんなに豪華じゃないから。正直いらねぇんだよなぁ、こんなに豪華なの。」
「けど貴族としては仕方が無いんじゃないの?」
「そこが貴族のめんどくせぇところ。この屋敷は元々公爵家の屋敷だったからな。よけい豪華なわけだ。」
「へぇ」
屋敷の中に入ると真っ暗だった。
「父さん。なんで真っ暗なんですか?」
「いや俺にもわからん。二人は知ってるか?」
「知らない」「知らないわ」
「気配は感じるけどな」
「ん?確かにそこら辺にいくつか感じるな」
例えば階段の後ろ、シャンデリアの上、階段の中央、右側の部屋などに合計20ほど。
「父上ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「へ?おわっ!!」
突然階段の中央にいた馬鹿でかい気配が親父めがけて突進してきた。
さらに切りかかっていく。
「な!お前まさか!」
なんとか避けた親父に躊躇なく、ほかの場所からいくつもの気配が飛び出て親父に切りかかっていく。
「何あれ?」
「うーん。ちょっとやり過ぎちゃったみたいね。あの子がこれを考えるとは思わないから・・・」
「うん。あの二人だ思う」
「2人?」
「ちょっ!アルト!助けろって!!」
「馬鹿か!5歳児に頼むことじゃねぇだろ!けどまあ、このままじゃ話が進まないから止めるか・・・仕方が無い」
仕方が無いので止めることにした。
親父の所へ行こうと思ったその時魔力の波動を感じた。
「この魔力の感じは・・・空間魔法か?とりあえずキャンセル」
魔法の発動を拒否するとすぐさま魔力の波動はおさまった。と思ったら次は真上から・・・
「キャンセル」
やっぱり無くなった。
アルトは魔力を身体に流し込み、身体強化をして突っ込んで行った。
エルヴィンに向かって。
そのままドロップキックを食らわせ壁にめり込ませる。
「さて、話が進まんから少し黙っててもらおうか。ふっ!」
壁の奥に行った親父をほっといて襲撃者に向かって瞬時に懐に入り気絶させる。
他の奴らが気を取られている最中に闇属性の魔法を使って眠らせた。
全員がその場に倒れると次は壁から何かが飛び出した。
「あれ?生きてたのか。親父」
「このドアホが!死ぬかと思ったわ!」
「本気でやってないから大丈夫だ。それと!そこに隠れてるさっき空間魔法使おうとして失敗して壁に鼻ぶつけた奴も出て来い!」
実はさっき魔法をキャンセルした時に階段の裏から「プキャッ!」という小さな叫び声が聞こえていた。
「仕方が無い。特別に空間魔法の指導をしてやろう。空間魔法はこうやって使う」
俺は隠れている方に向かってまるで空間を抉りとるかのように手を動かした。
するとそこにいた人がその場から瞬間的に引き寄せられ移動してきた。
「え?へ?」
隠れていたのは女の子らしく、突然景色が変わったことに動揺していた。
「まあまあ、アルト。そこら辺にしてやれ。お前の兄妹達なんだからな」
「は?」
「だから、お前の真下で倒れてる奴が長男のヴァイスで、そこに隠れてるのが長女のフィーナだ。」
「え?えぇぇぇ!!」
どうやら俺は会ったばかりの兄を踏みつけていたらしい。
「他のは?」
「この屋敷の使用人だな」
「この屋敷は使用人が主に向かって刃物を向けても良いと?」
「俺も驚いた。まあ、昔に比べたらいいんじゃないか?」
「昔に何があったんだか」
「お?聞きたいか?俺の武勇伝?」
「聞きたくない。」
「ちぇ。ほらフィーナ。いい加減戻ってこい」
「え?あ、お父様。1年ぶりですね。」
「そうだな。それで?これはなんだ?」
「えっと・・・サプライズ?」
「ふむふむ。サプライズか。俺はサプライズで人を殺しにかかることは教えた覚えがないんだが?」
「お父様なら大丈夫だと思って」
「全くお前達ももうすぐ成人なんだからちゃんと考えて行動しろ。」
「はい」
どうやら俺の姉はかなりお転婆らしい。
「あとアルト。」
「?なに?」
「助けてと言ってドロップキックをかます奴居ないんだが?」
「ここに居るし、親父なら大丈夫だと思って」
「俺の子供達はどうしてこうなんだろうか・・・・・・」
教え方を間違えたか・・・などと言いながらぶつくさ言う親父を置いといて俺は姉フィーナに話しかける。
「こんにちは。フィーナ姉さんでいいんだよな」
「は!そうだよ!私はフィーナ!君がアルト君だよね!」
「あ、ああ」
「あんなに小さかったのに大きくなったなぁ!」
「あ、そう言えば姉さんは知ってるんだっけ?俺の出自」
「まあね。あの時は驚いたわ。お父様達が急にこの子を育てる!って言い出してヴァイスと一緒に何度か面倒見てたからね。お締めも替えてあげたんだよお?」
「あ、あんまりそういう話はいいから。」
「あはは。照れてるぅー可愛い!」
と言ってフィーナは俺に抱きついてくる。
「ちょっ!やめ!」
「あはははは!!」
(ダメだ!この人俺の苦手なタイプ!)
5分近くはフィーナに弄られたのだった。
しばらくして場所が変わり、屋敷の食堂。
「父上。申し訳ございませんでした」
「すみません」
座っている親父の前で頭を下げるのはヴァイスとフィーナだ。
ヴァイスが起きたあとたんまりとお話(お説教)をアイリス母さんとシルク母さん、親父から受け、謝っている最中である。
いやぁ、あの母さん達は怖かったな。
「もういいよ。それよりもエルザはどうした?」
「お母様なら今はシエルさんの所に行ってるよ?」
「そうなのか?」
「なんかお茶会に誘われてたらしくて今日の朝行った。」
「そうか。」
「それよりも!お久しぶりでございます!母上方!」
「そうね。久しぶり」
「久しぶりね。そうだ。改めて紹介するわ。この子達が息子のアルヴィンとアルベルトよ」
「アルヴィン・クロスフィードです。よろしくお願いします。ヴァイス兄さん」
「アルベルトだ。よろしく」
「あ!お前さっきの!」
「げ、覚えてたのか」
「お前強いんだな!俺と勝負しろ!」
「やだよ。」
「何故だ!」
「めんどいし」
「な、なんだと・・・戦いが・・・めんどい・・・だと?!」
「いや、戦うことは嫌いじゃないけど今は気分じゃないし」
「男は戦ってこその男だろう!」
「あ、ダメだ。こいつ脳筋だった・・・」
この時親父が馬車で言っていた微妙な感じがよくわかった。
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