暗黒騎士物語

根崎タケル

侵入

 城壁の外、人のいない場所にクロキは立っている。
 月の光がクロキを照らし地面に影を作っていた。
 クロキは暗黒騎士の姿へと変わる。

(暗黒騎士の鎧を着るのはこれで何度目だろう?)

 神殿の警備は厳重であり、またレイジ達もいる。戦闘になる可能性が高い。
 だからこそクロキは武装して突入するのである。

(さて行くか)

 クロキは決意する。
 目標はレーナから話を聞く事だ。
 しかし、正面から入って足止めされている間に逃げられるかもしれない。

(だからこれを使う)

 今、クロキの手にある袋の中には三十個ほどの小さな白い石が入っている。
 竜の牙を原材料にしたマジックアイテムだ。
 これは、モデスがナルゴルを出る時に、役に立つかもとクロキに渡してくれたものだ。
 この白い石は誰にでも使う事ができるわけではないらしいが、クロキには使えるだろうとモデスは言っていた。
 クロキはその白い石を等間隔に地面に埋めていく。
 そして魔法を唱える。

「戦士達よ、竜の牙の力により、生まれ出でよ!」

 唱えると、右手に剣を左手に円形の盾を持ち黄土色の鎧兜を身に纏った完全武装の戦士達が地面から這い出してくる。その数は三十体。
 竜牙の戦士スパルトイと呼ばれる魔法で生み出された戦士である。
 兜のわずかな隙間から覗く赤く光る目からは、生気を何も感じなかった。
 そのスパルトイ達はクロキの前まで来ると整列する。
 スパルトイ達を眺める。

(あんな小さな石からこんな戦士が生まれるのだから、すごいな)

 モデスからこのマジックアイテムの説明を受けた時、クロキは本当に戦士が生まれるのか半信半疑だった。
 そのマジックアイテムから生まれたスパルトイ達と何か魔力的な繋がりを感じる。

(これなら操る事ができそうだ)

 そして、次にナットを見る。

「ナット。君は外で待っていてくれ、戦闘になって巻き込まれる危険がある」
「えっ? そんなクロキ様。あっしは大丈夫でヤンス。決して足手まといにはならないでヤンス」

 確かに、そうだろうとクロキは思う。普通ならば付いてきてもらった方が助かる。
 しかし、今回は無理だ。

「ごめんね。ナット。もしかすると今度はかなり危険かもしれないんだ。レーナの配下の天使がいるかもしれない。彼女達が相手だとさすがに危険だ。だから、自分だけで行く」

 クロキが聞いたところによるとレーナには戦乙女(ワルキューレ)と呼ばれる女性の天使が仕えているはずだ。
 レーナが降臨しているので彼女達も側にいる可能性が高い。
 天使の探知能力は優れていて、ナットでも隠れる事は難しいかもしれなかった。

「うっ……。確かにそうでヤンス……」

 クロキがそう言うとナットは反論できなくなる。
 人間が相手ならともかく、今度は違う。
 クロキはナットが反論できないのを確認すると、懐から石を取り出す。
 取り出したのは転移の石。転移の魔法を使えない者でも一度だけ使う事ができるマジックアイテムである。

「えっ? それは?」
「転移の石だよ。ナット。君は先にナルゴルに戻っていてくれ」

 そう言ってクロキはナットに石を渡す。

「そんなクロキ様!」
「死にに行くわけじゃないよナット。危なくなったら絶対に撤退するから」

 ナットを安心させるように言う。

「うう、わかってヤンス。お気を付けてくださいでヤンス。クロキ様」

 ナットがしぶしぶ承諾する。

「それじゃあ、行くよ、ナット。先に戻っていてね」
「はい、クロキ様……」

 ナットが肩から離れるのを確認するとクロキはスパルトイを見る。

「スパルトイ!」

 そう叫び、クロキが走るとスパルトイ達も動き出す。
 その動きは素早く重そうな鎧を着こんでいるようには思えない。
 そのスパルトイ達はクロキと同じく民家の屋根の上までジャンプすると、その屋根の上を軽やかに移動する。
 目標はレーナ神殿。
 八方からスパルトイを囮として突入させ。ワンテンポ遅れてクロキが侵入する予定である。
 ナットの話では、レーナはシロネ達を帰すための術の準備のため神殿の中央部にある、祭壇が設置された部屋にいるそうだ。

(術は明日にでも行われるらしい。よって動くなら今しかない)

 クロキ達は神殿に向けて進撃した。



 ◆



 夜も更け勇者レイジとその仲間達は神殿の一室に集まる。

「ちょっとレイジ君、これお酒じゃない!」

 チユキは渡された飲み物を突き出して抗議する。

「まあ良いじゃないか、チユキ。チユキ達にとってここでの最後の夜になるかもしれないんだからな」

 レイジが茶化すように言う。

「そうだよ、チユキさん、堅い事を言わない、言わない」
「そうっすよ、チユキ先輩、堅い事を言いっこなしっす」

 リノとナオが楽しそうに言う。
 明日、チユキとシロネは元の世界に戻る。
 そのため勇者達は簡単なお別れ会をする事にしたのだ。
 勇者達の前には神殿の者達が用意した軽食と飲み物がある。
 その用意させた飲み物の中に酒があった。
 今、チユキが持っている飲み物は葡萄のような果実から作られた酒に海水と蜂蜜を混ぜた物だ。
 このお酒はアルコール度数が低く、飲んでも、まず酔う事はない。
 例外は、たった一口飲んで倒れたキョウカぐらいだろう。
 そのキョウカは近くのソファーで寝ており、カヤの介抱を受けている。
 しかし、いくらアルコール度数が低くても勇者達は未成年であり、飲酒は禁止だ。
 キョウカが倒れなければチユキも気付かなかっただろう。

「でもな、チユキ。この世界とこれで最後になるかもしれないし、しばらくは会えなくなるんだぜ。最後は楽しく別れようぜ」

 レイジが言うと、チユキを除くその場の全員が頷く。

「みんなとしばらく会えなくなっちゃうね」

 シロネがさみしそうに言う。
 その言葉に全員が少ししょんぼりする。

「ほらほら、チユキとシロネ。場が湿っぽくなっちまうぜ。みんなも楽しくやろうぜ」
「もう、しょうがないわね……」

 チユキは飲酒を渋々了承する。
 何だかんだと言っても、チユキも場が湿っぽくなるのは嫌であった。

「レイジ君にはいつも乗せられてばかりね」

 そして、勇者達はこの世界に来た頃の事を語り合う。
 ドラゴンと戦い、エルフ達と交流し山や海や洞窟にも行った。それは、幻想的で、まるで物語の世界に入ったようだった。
 もちろん危険や苦しい事もあったが、仲間達がいたから楽しめた。一人でこの世界に来たら、ただ辛いだけだろう。

「いざ、帰るとなるとさみしくなるわね」

 チユキはお酒を飲む。お酒は少し甘く美味しい。

「なら、帰るのをやめるかい? チユキ?」
「駄目よ。いい加減、誰かが帰らなくてはいけないわ」

 チユキは首を振る。
 チユキとシロネにとって、この冒険も明日で終わりだった。
 しかし、二人は本当は先に日常に帰る事に、後ろ髪を引かれる思いであった。

「レイジ君もごめんね。練習途中でやめる事になっちゃって」
「しかたないさ。急に決まっちまったからな」

 シロネがレイジに謝る。
 対暗黒騎士対策のための練習は、シロネが急に帰る事になったので、やめなくてはならなかった。

「みんな、レイジ君の事をお願いね。特に暗黒騎士には絶対に勝てる算段がつくまで戦っちゃ駄目よ!」
 
 チユキの言葉に全員が頷く。
 暗黒騎士は強い。だが、命をかけてでも倒さなければならない相手ではない。
 チユキはカヤに変質者の捜索をお願いしている。場合によってはレーナ以外の召喚ができる人を見つけなければならない。

(暗黒騎士を倒せず、魔王討伐ができないようなら、その人に頼むしかないだろうな)

 それから、チユキ達はお酒と軽食を楽しんだ。
 そして、明日にそなえてお開きにしようかと話している時だった。
 カンカンカン。
 複数の鐘の音が聞こえてくる。

「何の音!?」

 チユキ達は顔を見合わせる。

「侵入者だー!」
「西口から来ているぞ!」
「東口に怪しい奴らが!」

 騎士達のあわてた声。

「侵入者!?」

 先ほどの鐘は警報装置の音だったらしい。

「侵入者か? 俺達が出る必要があるかな?」

 レイジが言う。
 大した奴ではないのなら無視をしても良いだろう。

「本当に何者かしら? ナオさん、お願いできる?」
「わかったっす。チユキさん」

 ナオが目を閉じ瞑想する。
 ナオがこの世界に来て身に付けた特殊能力の一つに、物体感知能力がある。
 目で見なくてもどこに何があるか、敵がどこにいるのかがわかる能力だ。
 この能力はレイジやシロネやカヤも使える。しかし、レイジ他二名が感知できる距離は半径八、九メートル程度なのに対し、ナオは実に半径2キロメートルぐらいまで感知できる。
 もっとも、普段は何かがいる程度にしかわからないが。精神を集中すると精密さが格段に上がり、相手がどのような姿をしているのかまでわかるようになる。
 もちろんその感知能力にも弱点がある。感知できるのは物体の形だけで魔力や色などは感知できず、また魔法による結界などで空間が遮断されていると、その遮断された向こう側も感知できない。
 この神殿も魔法による結界が張られているが、結界(けっかい)の内側にいるので感知できるはずであった。

「侵入者らしき者は三十名ほど、神殿を取り囲むようにバラバラで侵入してきてるっす」

 ナオの報告にチユキは首を傾げる。この神殿には女神が降臨していることもあり、いつもより警備が厳重になっている。
 今日も約三百名以上の者が警備にあたっているはずだ。たったの三十名ではすぐに取り押さえられるだろう。

「……こいつらは以前にあった事があるっす。確かスパルトイとかいう奴っす」

 ナオの報告にチユキは驚く。
 スパルトイはナルゴルで戦ったときに遭遇した魔物である。
 確か呼び出した者の魔力の高さによって強さが変わるはずであった。

「魔王が攻めて来たって事なの?」

 リノが不安そうに言う。

「ナオさん。スパルトイなら呼び出した者がいるはずよ。侵入者に魔術師らしき者を探して」

 チユキはナオに指示を出す。 
 スパルトイなら呼び出した術者がいる。そいつを倒せばスパルトイは消えるはずであった。

「わかったっす!」

 ナオはさらに瞑想する。

「他と違う姿の奴がいたっす……」

 ナオがスパルトイではない侵入者を捕捉する。

「おそらくそいつがスパルトイを呼び出した術者だろうな。なら、そいつを倒せば終わりだ」
 
 レイジが不適に笑う。

「この形は騎士……。もしかしてあの時の暗黒騎士?」

 ナオの呟きに全員が驚く。

「あの時って? もしかしてレイジさんを傷つけた。あの……」
「たぶんそうだと思うっす……。リノちゃん」

 ナオが瞑想をやめて答える。
「もしかしてレイ君が目当て……?」

 サホコの顔が蒼白になる。

「いや、他に狙われる人がいる」

 レイジはそう言うと武器を持って立ち上がる。

「ちょっと、どこに行くの!」
「レーナが危ないかもしれない!」

 レイジがそう言って部屋を出ようとする。
 レーナが降臨したのを見計うかのように暗黒騎士は来た。
 レイジが狙われるよりも、むしろその可能性が高いかもしれない。
 そのレーナは明日の帰還のための準備をしているはずであった。

「駄目だよ、勝てないよ!」

 サホコがレイジに抱き付いてとめる。

「そうよ、無理よ! 行っても殺されるだけだわ!」

 チユキもレーナのために命を懸ける必要はない。見捨てるべきだと思う。
 だが、レイジは首を振る。

「悪いが、行く。レーナが危険なら俺は行くし、みんなが危険な時も俺は行くさ」

 レイジは行くだろう。可愛い女性を助けるためなら命をもかける。
 だからこそ、レイジの側にチユキ達はいるのだ。

「いやだよ、行かせない!」

 サホコがさらに強くレイジを抱きしめる。
 だが、そんな事を聞くレイジではない。
 しかし、弱っているためか、サホコを振りほどこうとするができない。

「すまないサホコ。行かせてくれないか……。それにレーナがいなくなったら、俺達は帰れないんだぞ」
「帰れない……。確かにそれは困るけど、死んだらどうするのよ!」
 
 チユキは叫ぶ。
 この中でサホコが一番非力なはずなのだ。だが今のレイジはそれを振りほどけない。
 レイジの体はまだ戦えるような状態ではない。行くだけ無駄だ。
 だからレイジを無理やり止めなくてはならないとチユキは思う。

「私が行く!」

 突然シロネが叫ぶ。

「私がレーナを守る! だから、お願い、レイジ君はみんなと安全なところにいて!」
「シロネさんっ!」

 チユキが止める間もなくシロネはそう言うと部屋を飛び出した。

 ◆

 レイジを戦わせてはいけないとシロネは思った。
 必死にレイジを止めるサホコを見て、これ以上、彼を傷つけるわけにはいかなかった。
 だからこそシロネは飛び出したのである。
 シロネがレイジと行動するようになったのは高等部に入る頃である。
 理由はシロネの伯母がそうお願いしたからだ。
 伯母の家は代々美堂家の護衛を務めてきた。
 だけど、それは伯母の家の事で、シロネの家には関係のない話だった。
 その伯母が妹であるシロネの親経由で、シロネに美堂家の御曹司の護衛を依頼したのである。
 伯母には子どもはおらず、またちょうとシロネが同年代だった事から、声が掛かったのだ。 
 大金持ちの家なので、良からぬ考えを持つ人物が近づく可能性がある。
 そんな人物を学園内で阻止するのがシロネの仕事だ。
 伯母の話によれば御曹司は特別な子であるらしい。
 だから、絶対に守るように言われたのである。
 そして、護衛の事は周囲に一際秘密にするように言われた。
 理由はわからないが、その方が良いかららしい。
 そして、迷ったすえにシロネはその話を受けた。
 何しろ相手は美男子であり、大金持ちだ。
 シロネも年頃であり、やはり格好良い男性には興味があるのだった。
 こうして、シロネはレイジに近づく事になる。
 そんな状況をシロネは結構楽しんでいた。
 レイジは女の子に優しく、無理強いをする事はない。
 また、その周りの女の子とも仲良くなったからである。
 しかし、シロネは自らの役割に疑問を感じていた。
 レイジはシロネよりも強く、護衛が必要だとは思えなかったのだ。
 むしろ、シロネが危ないところを守ってもらっていた。
 そして、レイジはシロネに限らず多くの女の子の危機を救っていた。
 危険であればある程、燃えるタイプであり、またそれを乗り越える能力を持っていた。
 シロネはそれを見てヒーローみたいだと思った。
 いや実際にヒーローであった。
 ある日、事件が起こった。
 その日、シロネは後輩の子から友達がガラの悪い人に連れて行かれたからと助けを求められた。
 実家が道場をやっている事もあって腕に自信があり、シロネはよく後輩の女の子から助けを求められた。
 だから、その時もシロネは木刀を持って後輩の友達を助けに行った。
 現場には3人の女の子とそれを取り囲むように5人の男性。男性は高校生だろうか、体が大きく暴力の匂いがした。
 それまで、シロネは男の子に負けたことがなかった。木刀さえ持てば勝てるはずだった。
 だが、その日は違った。
 木刀を向けられ激昂した男の一人が鉄パイプで叩きつけてきた。
 シロネは木刀でその一撃を受けた。
 すごい衝撃だった。
 その時、シロネは手がしびれて木刀を落してしまう。
 武器を無くして恐怖するシロネを男達はあざ笑うように見ていた。
 その時だった、レイジが来てくれたのは。
 後輩はレイジにも助けを呼んでいたのだ。
 その時のレイジの事をシロネは良く覚えている。
 相手は武器を持っているのにレイジは素手、なのにレイジは5人を簡単に倒してしまった。
 相手は武器を持っているのに、レイジよりも大きいのに恐れる事なく戦い勝利する。その姿は正に物語のヒーローである。
 そんなレイジは恐怖で足がすくんでいたシロネに優しく笑いかけるのだった。
 ただ、その戦いの時、レイジ君は右手に怪我を負っていた。
 ヒーローでも怪我をする事がある。
 その時から、シロネはレイジに何かあったら自身が守ろうと真剣に思うようになった。
 そして、ますます側にいるようになった。
 ただ、周りからはレイジの取り巻きになったと揶揄する声もあり、その事がシロネはとても悔しかった。
 自分自身の事は良かったがレイジを悪く言うのは許せなかった。
 幼馴染のクロキともその事で喧嘩になった。直接クロキは何か言うわけではなかったが、明らかに不満そうだった。シロネにはそれがとても腹立たしかった。
 いやクロキだからこそ余計に腹が立ったのだろう。

(クロキにもわかって欲しいのだけどな)

 シロネは幼馴染のクロキの事を考える。
 幼馴染のクロキは根暗で、シロネ以外の女の子とうまく喋れない。
 いつも一人でいるような男の子であった。
 そのクロキとシロネはレイジの事で喧嘩中であった。
 理由はクロキの一方的な嫉妬である。少なくともシロネはそう思っている。

(それとも、負けた事を気にしているのだろうか? だけどそれは気にしても仕方がない。レイジ君は特別なのだから)

 シロネは伯母の言う通り、彼を特別な存在だと思い始めていた。
 高身長でイケメン。そして強くて、成績も良い。
 クロキが敵わなくても仕方がない。クロキだって顔はそんなに悪くないのだから、自信を持つべきだとシロネは思う。
 レイジはヒーローであり、それは異世界でも変わらなかった。
 多くの人が光の勇者を讃えた。
 魔王を倒し、黄金の時代を取り戻す英雄だと。
 シロネはその仲間である事が誇らしかった。

 少なくとも暗黒騎士が現れる前までは。

 暗黒騎士が現れた事により、全てが変わってしまった。
 レイジが死にそうになった事で、シロネは自らの役割を思い出したのである。
 そして、自らの考えがいかに浅かったかを思いしらされた。
 シロネはサホコの顔を思い出す。

(サホコさんは必死だった。必死になってレイジ君を治癒していた)

 彼女にとって彼は特別な存在である事を思いしらされた。

(レイジ君を戦わせては駄目。だから私が戦う)

 今こそ、護衛としての役割を果たすべきだとシロネは思ったのである。
 だからこそシロネは飛び出した。

(もっとも、私では荷が重すぎた……)

 だから護衛をやめて帰ろうとシロネは思ったのである。

(伯母さんに報告しなければならないわ)

 シロネは護衛をする時に、何か大変な事が起こった時は、報告するように言われた事を思い出す。

(それにクロキにも、久しぶりに会いたい)

 護衛をするようになって、シロネはクロキと顔を合わす回数が減った。
 それに喧嘩したままなのも心残りであった。
 長い付き合いなので、やっぱり仲良くしたいとシロネは思っているのだ。
 シロネの前に二体のスパルトイが立ちはだかる。

「どきなさい!」

 シロネは剣を抜きスパルトイに立ち向かうのだった。

コメント

  • 阿弥陀籤

    このシロネって娘、クロキ少年が好きなのか無関心なのか、どっちなのん…?
    それに、そんな内心でレイジ少年と居たら、周りから取り巻き扱いされても文句言えないだろ…。

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