魔王に召喚された真祖で偽な吸血鬼!種族チートで世界最強~
第18話 人間の醜さ
  もう少しだ。あとすこしでエルリアの所へ・・・・・・気配が消えた!?
  
  俺はさらに加速し、エルリアの気配がある、いや、あった路地裏についた。
  そこには腹部から血を流し身体中ボロボロになっているエルリアの姿があった。
 「・・・・・・エルリア?おい!エルリア!!」
  俺がいくら声をかけてもエルリアは返事をしない。反応すら、しない。
 「ッッ!!ナ、ナイト!?いつの間に!?・・・た、大変なんだ。エルリア様が!この冒険者達に!!」
 「おいっ!何を言って・・・」
 「・・・そうか、すぐ終わらせる」
 「ちっ!やっちまえ!!」
 「「「「うおおおおおお・・・・・・」」」」
 「終わったぞ」
  俺は手刀で冒険者達の首を切り取った。
 「さ、流石ナイト!」
 「・・・それで、ナーラ。お前のステータスに《裏切りの勇者》というアビリティがあるんだが」
 「え?な、なんだろうね。それより早く屋敷に帰りましょう。アリエル様に知らせないと」
  何を白々しい。お前がいてこんな状況になるわけない。それに、鑑定したら分かったぞ。お前がエルリアを殺したと。
 「必要ない。アリエルさんも殺したんだろう?気配もない」
 「な、なにを!?私がやったみたいに」
 「アリエルさんを殺ったのは王の部下だろう。そして・・・エルリアは・・・お前が殺したんだ!さっきのアビリティは信じられている者を裏切るとつくものだ。鑑定で分かる」
 「ちっ!ならあんたも殺・・・ひっ!!」
 「・・・誰を殺すって?そもそも何故こんなことをした?」
 「・・・王女に言われたのよ。エルリア様を殺せばあなたを勇者から開放してくれるって」
 「だから殺したのか。転生者のお前なら少しは命の重さを理解出来ると思ってたが」
 「ふっ、あははは!馬鹿じゃないの?自分のために人を殺すなんて当たり前じゃない!!それにこんなちっぽけな命、消えても問題ないわよ」
 「・・・ちっぽけな命、だと?大切に思ってくれてる人の命がちっぽけ命だと!?」
 「うっ!はぁあああ!!」
  ナーラは俺の殺気が膨れ上がったのを感じたのか俺に攻撃を仕掛けてきた。
  だが、そんなことはどうでもいい。コイツは裏切ったのだ。俺を、アリエルさんを、そして、エルリアを。なら殺しても問題は無い。いや、殺すべきだ。それにまだ納得出来ない、何故、何故エルリアが・・・。
  パリィィィン。俺の中の何かが壊れる音がした。
  
「ふざけるなぁああああああああああああああああ!!」
  人間とは何故こんな愚かなことが出来る?何故こうも汚らわしくなれるのだ。
  ・・・・・・・・・世界に人は要らない。
  ならどうする?この人間達を、この国を!?
 ―  滅ぼすか  ―
  滅ぼす。その事を思った瞬間力が湧き出てくる。だが、まだ俺にも慈悲の心はある。とりあえず、罪のないものは逃がしてやる。恐怖を刻め込めれば、愚かな行為をしなければ何もしない。
  な、なんだ!?力が溢れて止まれない・・・!制御が・・・クソっ!
 「うっ!・・・はぁっ・・・はぁっ!制・・・御・・・でき・・・ない」
 「主様!?」
 「くっ!ち・・・からが、暴・・・走す・・・る」
 「分かりました。あとはお任せ下さい」
 「頼ん・・・だぞ・・・ぅあああああああああああああああああ!!」
 「な、何が!?・・・きゃあ!!」
  魔力の暴走。体の中から力が溢れていく代わりに体が張り裂けそうに痛い。
 「ああああああああああああああああああ!!」
  叫びが止まらない。クソっ!このままだと罪のない者や異種族の人まで・・・・・・。
 
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 「大丈夫ですか?賢人さん」
  ここは真っ白で何も無い。
  ただ不思議と暖かい。そう感じる。
  そんな所にひとつの可憐な声が俺に話しかけてきた。
 「・・・シル・・・ア?」
 「そうですよ。先に言っておくと貴方はまだ死んでいません」
 「・・・そうか。なぁ、エルリアに会うことは出来ないか?」
 「すみません。それは出来ないです。たしかにエルリアさんは死んでしまい私は会うことが出来ます。ですが、賢人さんは生きていますし、見ることもできません」
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 「ですが、伝言は伝えることができます」
 「っ!・・・なら、ありがとうって伝えといてくれ」
 「ありがとう・・・ですか?」
 「そうだ。俺に家族の温かみをくれてありがとう、だ」
 「分かりました。確かに伝えておきます」
 「それで、今の状況なんだけど」
 「簡潔に言うと賢人さんは国を滅ぼしました。エルリアさんの死とナーラさんの私的な理由の裏切りによって精神が崩壊寸前になり、力の器が壊れ魔力、いえ、全ての力が暴走しました。最終的に全ての力を失いアルラウネさんに介抱して貰っています」
 「・・・俺は何人殺した?」
 「アルラウネさんが学校とエルフ、又は精霊との契約者には結界を貼り、学校にいる生徒と先生方は無事ですが、あの国にいた国民、総勢10億人弱が亡くなりました。あそこの国はこの世界、シャンデラのなかでもなかなか大きな国だったので被害も大きかったです」
 「・・・・・・そんなに多くの人が・・・」
 「こんなこと言うのは少し気が引けるのですが、賢人さんは許されない罪を犯してしまいました」
 「・・・すまん」
 「ですが、今あなたが悔いて何が変わるんですか?どれだけ悔いてもなくなった命は帰ってきません。なら、もう二度と暴走しないように強くなるしか無いじゃないですか!!」
 「ッッ!! ・・・そうだな。俺は強くなるよ。やっぱり女神の説得力は違うな」
 「すいません。ちょっと言いすぎましたね」
 
  するとシルアはニコッと笑い、コテっと首を傾げて笑う。
  その笑顔で俺はたくさんの命を奪ったことに対する罪悪感から少しだけ解放された気がした。
 「さて、そろそろ戻しますよ。また、会える日をたのしみにしてます」
 「シルア、ありがとな」
  俺の言葉に対して女神シルアは微笑む。
  そして、俺の意識は薄れていった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
  
  俺はさらに加速し、エルリアの気配がある、いや、あった路地裏についた。
  そこには腹部から血を流し身体中ボロボロになっているエルリアの姿があった。
 「・・・・・・エルリア?おい!エルリア!!」
  俺がいくら声をかけてもエルリアは返事をしない。反応すら、しない。
 「ッッ!!ナ、ナイト!?いつの間に!?・・・た、大変なんだ。エルリア様が!この冒険者達に!!」
 「おいっ!何を言って・・・」
 「・・・そうか、すぐ終わらせる」
 「ちっ!やっちまえ!!」
 「「「「うおおおおおお・・・・・・」」」」
 「終わったぞ」
  俺は手刀で冒険者達の首を切り取った。
 「さ、流石ナイト!」
 「・・・それで、ナーラ。お前のステータスに《裏切りの勇者》というアビリティがあるんだが」
 「え?な、なんだろうね。それより早く屋敷に帰りましょう。アリエル様に知らせないと」
  何を白々しい。お前がいてこんな状況になるわけない。それに、鑑定したら分かったぞ。お前がエルリアを殺したと。
 「必要ない。アリエルさんも殺したんだろう?気配もない」
 「な、なにを!?私がやったみたいに」
 「アリエルさんを殺ったのは王の部下だろう。そして・・・エルリアは・・・お前が殺したんだ!さっきのアビリティは信じられている者を裏切るとつくものだ。鑑定で分かる」
 「ちっ!ならあんたも殺・・・ひっ!!」
 「・・・誰を殺すって?そもそも何故こんなことをした?」
 「・・・王女に言われたのよ。エルリア様を殺せばあなたを勇者から開放してくれるって」
 「だから殺したのか。転生者のお前なら少しは命の重さを理解出来ると思ってたが」
 「ふっ、あははは!馬鹿じゃないの?自分のために人を殺すなんて当たり前じゃない!!それにこんなちっぽけな命、消えても問題ないわよ」
 「・・・ちっぽけな命、だと?大切に思ってくれてる人の命がちっぽけ命だと!?」
 「うっ!はぁあああ!!」
  ナーラは俺の殺気が膨れ上がったのを感じたのか俺に攻撃を仕掛けてきた。
  だが、そんなことはどうでもいい。コイツは裏切ったのだ。俺を、アリエルさんを、そして、エルリアを。なら殺しても問題は無い。いや、殺すべきだ。それにまだ納得出来ない、何故、何故エルリアが・・・。
  パリィィィン。俺の中の何かが壊れる音がした。
  
「ふざけるなぁああああああああああああああああ!!」
  人間とは何故こんな愚かなことが出来る?何故こうも汚らわしくなれるのだ。
  ・・・・・・・・・世界に人は要らない。
  ならどうする?この人間達を、この国を!?
 ―  滅ぼすか  ―
  滅ぼす。その事を思った瞬間力が湧き出てくる。だが、まだ俺にも慈悲の心はある。とりあえず、罪のないものは逃がしてやる。恐怖を刻め込めれば、愚かな行為をしなければ何もしない。
  な、なんだ!?力が溢れて止まれない・・・!制御が・・・クソっ!
 「うっ!・・・はぁっ・・・はぁっ!制・・・御・・・でき・・・ない」
 「主様!?」
 「くっ!ち・・・からが、暴・・・走す・・・る」
 「分かりました。あとはお任せ下さい」
 「頼ん・・・だぞ・・・ぅあああああああああああああああああ!!」
 「な、何が!?・・・きゃあ!!」
  魔力の暴走。体の中から力が溢れていく代わりに体が張り裂けそうに痛い。
 「ああああああああああああああああああ!!」
  叫びが止まらない。クソっ!このままだと罪のない者や異種族の人まで・・・・・・。
 
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 「大丈夫ですか?賢人さん」
  ここは真っ白で何も無い。
  ただ不思議と暖かい。そう感じる。
  そんな所にひとつの可憐な声が俺に話しかけてきた。
 「・・・シル・・・ア?」
 「そうですよ。先に言っておくと貴方はまだ死んでいません」
 「・・・そうか。なぁ、エルリアに会うことは出来ないか?」
 「すみません。それは出来ないです。たしかにエルリアさんは死んでしまい私は会うことが出来ます。ですが、賢人さんは生きていますし、見ることもできません」
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 「ですが、伝言は伝えることができます」
 「っ!・・・なら、ありがとうって伝えといてくれ」
 「ありがとう・・・ですか?」
 「そうだ。俺に家族の温かみをくれてありがとう、だ」
 「分かりました。確かに伝えておきます」
 「それで、今の状況なんだけど」
 「簡潔に言うと賢人さんは国を滅ぼしました。エルリアさんの死とナーラさんの私的な理由の裏切りによって精神が崩壊寸前になり、力の器が壊れ魔力、いえ、全ての力が暴走しました。最終的に全ての力を失いアルラウネさんに介抱して貰っています」
 「・・・俺は何人殺した?」
 「アルラウネさんが学校とエルフ、又は精霊との契約者には結界を貼り、学校にいる生徒と先生方は無事ですが、あの国にいた国民、総勢10億人弱が亡くなりました。あそこの国はこの世界、シャンデラのなかでもなかなか大きな国だったので被害も大きかったです」
 「・・・・・・そんなに多くの人が・・・」
 「こんなこと言うのは少し気が引けるのですが、賢人さんは許されない罪を犯してしまいました」
 「・・・すまん」
 「ですが、今あなたが悔いて何が変わるんですか?どれだけ悔いてもなくなった命は帰ってきません。なら、もう二度と暴走しないように強くなるしか無いじゃないですか!!」
 「ッッ!! ・・・そうだな。俺は強くなるよ。やっぱり女神の説得力は違うな」
 「すいません。ちょっと言いすぎましたね」
 
  するとシルアはニコッと笑い、コテっと首を傾げて笑う。
  その笑顔で俺はたくさんの命を奪ったことに対する罪悪感から少しだけ解放された気がした。
 「さて、そろそろ戻しますよ。また、会える日をたのしみにしてます」
 「シルア、ありがとな」
  俺の言葉に対して女神シルアは微笑む。
  そして、俺の意識は薄れていった。
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コメント
wtf?
ヒロイン死んだら駄目だろ
カモメ
返信遅くてすみません
カモメ
いえ、暴走してた状態なので吸う暇がありませんでした
豆腐
10億人分の血は吸ったんですかねぇ……