異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

領地開発は突然に24

5人との顔合わせも終わり、部屋の中には俺とキール、そしてブランの3人だけになる。

「なるほど。確かに仕事は出来そうですね。」

「そうでしょ?きっと君達の役に立てると思うよ。」

「えぇ、確かにそうでしょうね。ところでブランさん、何で貴方、俺達が魔族相手に事を構えようとしている事知ってるんですか?」

俺の質問を聞いて、驚いたのはキールだ。
話の流れが見えていないのだろう。

「やはり君は察しが良い。あの5人を見てそこまで推測出来るとは恐れ入ったよ。」

やはり予想通りだ。
ブランは俺達の意図を汲んであの5人を選んでくれたのだ。

「安心したまえ。情報が漏れているなんて事はないから。あくまで私の推測だよ。
ガリア奪還のクエストを君達が受けた時からもしかしてとは思っていたんだ。
キール君を君達の仲間にした時に確信に変わったんだよ。
明らかに君達が何かを組織しようとしているとね。そしてその相手は魔族だとね。」

やはりこの男は油断出来ないな。

「彼らが冒険者やクエストを自分達で精査しているのは冒険者の死亡率を下げる為なんだよ。自分達が受けた仕事や自分達で許可したクエストで人が死ぬのが嫌なのさ。
たまに無茶な仕事を依頼してくる人や無茶なクエストを受注しようとする冒険者はいるからね。
君達は今後精鋭達を集めたいんだろ?そしてその人達を育てる場としてギルドを使おうとしている。
だからこそ裁量を一任する様要求してきた。違うかい?」

「えぇ、その通りですよ。」

「だったらあの5人は適任だよ。優秀な者にはどんどん新しい仕事を渡し、そうでない者にはそれなりの仕事しか渡さない。
自然と育成と選別の両方が出来るだろう?」

まさにその通りである。
本来キールに任せようとしていた仕事の一部をギルドが担ってくれる。
それはガリアにとってとても有難い話だ。
しかし何故そこまでしてくれるのかという疑問が残る。

「まぁ興味本位かな。人間が魔族にどこまで対抗出来るのか純粋に興味があるんだ。普通なら無理だと思うんだけど、ガリアをたった1日で取り返した君達ならやってくれそうだと思ったんだ。」

何とも食えない人である。

でも今は有難く受け取っておく事にする。

今の俺達には少しでも多くの助けがあった方が有難い。

あの5人の受け入れはガリア支部の建屋が完成したらという事で話がついた。

ここへ来た理由も片付いたので、帰ろうとするとプランからもう1つ有難い申し出があった。

「ところでガリア復興の為の人員は確保出来てるのかな?建築の経験のある者を40人程集めといた。良かったら貸し出すよ?」

なんと!これから集めようと思っていた作業員をもう用意してくれたのか?

「それは有難いですね。それでいくらですか?」

「1人あたり1日、銀貨5枚。」

「高いですが、まぁ良いでしょう。明日からお願いします。」

1人1日5万円か。
かなりのボッタクリだな。

しかもあの5人を紹介して貰った恩があるので俺が断らない事を確信して吹っかけてきやがった。

やはり食えない男だ。

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