異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

領地開発は突然に20

俺はアリシアのベッドの横で彼女が目を覚ますのを待っていた。
そして昨日、自分で言った事を後悔していた。

勿論嘘ではないし、言った事そのものは後悔なんてしていない。

しかし時と場所は考えるべきだったと思う。

「やっちまった。」

間違いなくあいつらに弄られる。

特にカシンとキールは間違いないだろう。

アリシアにも申し訳なかった。
女の子にとってプロポーズなんて一生に一度の大切な物だと思う。

それをあんな酒の場で酔った勢いに任せて言ってしまうなんて言語道断である。

彼女が起きたらちゃんと謝ろう。

そう思いながら彼女の寝顔を見ていると、彼女がようやく目を覚ました。

「ワタルさん?」

「良かった。気分は悪くないか?」

そう聞くと、さっきの事を思い出したのか彼女の顔が真っ赤に染まる。

「さっきは悪かったな。いきなりあんな事言って。」

「い、いえ。1つ確認させて頂きたいんですが、冗談とかではないんですよね?」

酒の場で言ったらそう取られても当然だろうな。

「あぁ、俺の本心だ。お前に初めて会った時から好きだった。ようやくそれに気付けた。迷惑だったか?」

「迷惑だなんてとんでもない!嬉しかったです。」

彼女はまた顔を赤らめながらそう答える。

「じゃあ俺と結婚してくれないか?お前とこの先もずっと一緒に歩いて行きたいんだ。」

仕切り直しのつもりで再度彼女にプロポーズを行う。

「ありがとうございます。でもその前に1つだけ貴方に言っていない事があります。
それは貴方を選んだ最大の理由です。」

彼女は複雑な表情でそう答える。

「勿論貴方に好意を持って、貴方といたかったから転生させる事を決めたのは嘘ではありません。でも貴方を調査するきっかけになった理由をまだお話していません。これを聞けば貴方は私達に協力する事を辞めてしまうかもしれません。
勿論、私に対して好きと言って下さった気持ちも無くなるかもしれない。
ですが言わないまま、貴方の気持ちを受け取るなんて出来ない。
だから言います。
貴方を選んだ理由、それは…。」

「今の魔王が一也だからだろ?」

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