異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

ゴールドルーキーは突然に31

「でもガリアを拠点にするにはいくつか問題があるだろう?」

今のガリアには大きな問題がいくつかある。それは政治の素人である俺にも分かる問題だ。

「ええ。確かに。まずは領地としてあって当たり前のものがない事です。」

領地としてあって当たり前ののもの。
逆に言えば無くてはならないもの。

「人やな。」

カシンが回答する。
俺も同意見だ。

「ええ。魔族に攻められた際にそれまで住んでいた人々は殺されたか、運良く生き延びても各地に散り散りになってしまいましたからね。また新たに人を増やさなければなりません。」

人を増やすなんて簡単に言っているが、それはかなり難しい問題だ。

しかも1度魔族に攻められた街、再び攻められる可能性も高い。
そんな街に好き好んで住む奴なんているのだろうか?

次の問題は人が来てからの問題だ。
今のままでは仮に人を呼べたとしてもその人達が住む為に不十分なものがある。

「次はインフラだな。」

「ええ。もし人を呼べたとしても家や道路があの状況では復興までかなりの時間がかかってしまい、その間に呼んだ人達も去っていく可能性が高いと思われます。」

それについては俺的にも耳が痛い。
わざとではないのだが、街のど真ん中に大きな穴を掘ってしまった。

「で、どうするか考えはあるのか?」

それを承知で今回の報酬にした筈だ。アリシアには何か考えがあるのだろう。

「はい。ワタルさん、これからちょっと付き合って頂けませんか?」

「良いけど、どこか行くのか?」

「はい。会って頂きたい人がいます。」

そう言われて俺達はアリシアに付いてギルドへ向かった。

ギルドと言っても俺達が登録したギルドではなく今いるこの王都のギルドだ。

ギルドにはそれぞれ横の繋がりがあり、それらを取り纏めているのがこの王都のギルドなのだ。
ギルドまでの道中やたらと通行人や住人が俺達を見て来てきた。それはギルドでも同じだった。

ホールに入ってすぐ、ここで待っている様言われてアリシアだけ奥へ入っていく。
しばらくして戻ってきたアリシアの横には顔の厳ついオッサンが立っている。

誰だと思いながらそのオッサンの案内に付いてギルドの2階へ通される。

2階の部屋は執務室になっていて、重厚感があるデスクが奥にあり、その手前に高そうなテーブルとソファが並べられていた。

奥のデスクには1人の男性が座っていて、俺達が入ると立ち上がり嬉しそうに話しかけて来た。

「初めまして!お会い出来て光栄です!
ゴールドルーキー!」

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