異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

ゴールドルーキーは突然に26

建物から出て門へ向かい歩く。

途中馬鹿みたいにでかいクレーターがあるが気にしない。

門の所でリンと合流し、作戦終了を伝える。

「リンの偵察のおかげで楽に片付いたぞ。ありがとな。」

そうお礼を言われリンは照れ臭そうにしている。
褒められ慣れていないのだろう。

そうして4人で街を後にし帰路に着こうとしたその時だった。

異常な気配が俺達の前から向かって来ている事に気付いた。

「アリシア、お前も気付いたのか?」

同じくこの気配に反応したアリシアに確認する。

「ええ。この気配は間違いないですね。」

「あぁ。間違い。あの人だ。」

お互い頭に浮かんだのは同じ人の様だ。

まぁ厳密に言えば人ではなく〝神〟なのだが。

しばらく歩くと道の向こうから歩いてくる気配の主と出会った。

見た目は小さな女の子。しかしその身体から放たれる尋常ではない気配は、その女の子が普通ではない事を示している。

「おっ!えらい可愛らしい子が1人で何してんの?おとんやおかんは何処行ったんや?はぐれてもうたんか?」

カシンはこの気配に気づいていないみたいだ。迷子だと思い普通に話しかけている。
リンも特にいつもと変わらない。
ということはこの気配に気づいているのは俺とアリシアだけなのか。

「久しぶりだなアリシア。息災で何より。」

絡んでいるカシンは無視して、久しぶりに会う元部下に声をかける。

「はっ、ご無沙汰をしております。ご主人様もお変わりなく、大変嬉しく存じます。」

アリシアは片膝をつき、頭を垂れる。

「うむ。今までの働き大儀であった。これからはワタルをしっかり支えてやってくれよ。」

「はい。身に余るお言葉、忝く存じます。」

そうやって元上司と元部下の挨拶を終え、その女の子は俺の前へ来る。
そして嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。

「どうだ?私の卒業試験は楽しんで貰えたか?」

「まぁ楽しめたかどうかは別にして、いい経験になりました。イリス様。」

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