異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

ゴールドルーキーは突然に21

「まずは門番としてオーガが2体、物見櫓が1箇所あってその上にゴブリンが2体います。中央の広場にはアンデットの一個中隊20体、残りは旧伯爵邸にいるものと思われます。恐らく大将と幹部は魔人クラスと予想されます。分かった事は以上です。」

凄いな、たった15分でこれ程の情報を集めるなんて。少し気になる事と言えば、中枢にいる種族を予想で報告したぐらいか?

「なんで大将と幹部が魔人クラスだと思うんだ?」

根拠の無い情報と主観的な要素は報告する上で最も危険な落とし穴になり易い。
なので予想した根拠を聞いてみる。

「はい。オーガとゴブリンは知力も低く、使役するのもさほど難しくありませんが、アンデットは知力が高い為、使役出来るのはそれ以上の知力を持っている種族に限られます。
昨日お城でここから逃げて来た人に軍隊の構成を聞いておいたのですが、士官以上は魔人だったと言っていたのでそうではないかと予想しました。」

なるほど。情報量が多い上に予想に根拠もある、回答も明確。更には事前に情報収集まで行っていた事には恐れ入った。
最初は小柄で素早いからという理由だけだったが、性格的にもリンは諜報活動に向いているのではないだろうか。

「完璧だ、リン。ありがとう!これだけの精度があればかなり綿密な作戦が立てられそうだ。」

褒めた途端リンの顔色がまたもや赤らむ。

「それじゃあ作戦を立てよう。まずは皆の意見を聞かせてくれ。自分が倒せそうな相手と無理そうな相手をそれぞれ教えてくれ。」

「ワイはオーガとゴブリンやったら勝てると思いますわ。でもアンデットと魔人はちょっと厳しいと思います。」

「私はゴブリンくらいしか倒せないと思います。」

カシンとリンがそれぞれ発表する。

アンデットってそれ程強いのか?

「私はどの種族でもお相手出来ます。でも魔人が複数体同時に出て来たら厳しいと思います。」

アリシアをもってしても1体ずつが限界とは、魔人とはそれ程の強さなのか。

皆の意見を聞いたおかげで作戦が固まった。

「それじゃあ作戦を伝えるよ。
まずリンが物見櫓のゴブリンを制圧、監視機能を奪いたい。次にカシンが門の所にいるオーガを制圧、突入ルートを確保する。2人とも他の奴らに気づかれない様行動して貰えるか?中の戦闘が始まるまで大規模な戦闘は極力避けたいどうだろう?出来るかい?」

「「はいっ!!」」

任せてくれって感じの返事が返って来る。
頼もしい限りだ。

「2人の任務が完了次第、街の中へ突入してアンデットと魔人の討伐を行う。まずは俺が魔法でアンデットを潰せるだけ潰す。ここでは派手に魔法をぶっ放す。中の魔人が出て来たら儲けもんだしな。そして俺とアリシア2人で旧伯爵邸へ潜入。残りの大将と幹部を探し出して屠る。
その間リンは物見櫓で周辺を警戒、援軍が来たら教えてくれ。
カシンは街の中を探索して、残党や生き残った街の人達がいないかを確認してくれ。残党がいた場合は可能なら制圧、難しい様なら無理はするな俺に知らせてくれ。
いいな。くれぐれも無理だけはするな。
しつこい様だが自分の命と仲間の命を最優先に考えろ。
分かったな!」

「「「了解!」」」

よし。後は出たとこ勝負だな。

そして俺達の最初のクエストが幕を開ける。

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