クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

手がかりと試練?

戦争から⁇日め

「これで10体目。やっと半分終わったな。」
ゼンがその場に座りながら疲れた様子でそう確認する。

「ハアハア,なんで俺たちこんな事やってるんだ?」
ゼンの隣に寝転がり才道は呆れたようにそう言う。

「ごめんね2人とも。やっぱり彼女に頼んだの間違いだったのかな?」
アレプトが2人にそう謝罪する。

「「「あの女覚えてろよー!」」」
そう改めて怒っている3人の前には身長が学校くらいの白い猿が倒れている。
さて少々時を遡り3人がこんな目にあっている理由を改めよう。



戦争が終わって2人と別れた後ゼンはデュークと隠れ森の里に向かいながら自分の力の説明をしていた。

「つまり『アレ』は自然にもらった力なのか。」

「そうだよ。そしてお前の世界に入れたのはお前の世界とリンクして住人という設定で入ったんだ。」

「むちゃくちゃな事するなお前も。」

「あのなークソ大変だったんだぞ。あの世界いろんなところがおかしいからその分リンクにも時間がかかったんだよ。」

「そもそも『アレ』は人に邪魔されないためのスキルだからな。」

「まぁアンタを救えたから良かったけど。」

「それについては本当に感謝しかないな。」
その後は適当な雑談をし1日かけてやっと里に帰ってきた。

「2人ともお帰りなさい。本当に無事で良かったです。」
帰ってきた時間は深夜だというのにネフィは2人が戻ってきた時にはご飯を作って待っていた。

「なんでネフィが起きてんだよ。」

「森に教えてもらいました。」
ちなみに森はゼンに帰ってくることを伝えられていたため葉っぱを使ってネフィにその事を伝えていたのだ。
その後ネフィは特に2人に何も問い詰めず先に寝てしまった。

「それで,これからどうするんだ?」
ネフィが用意してくれたご飯を食べながらデュークがそう聞く。

「とりあえず目的は決まっている。」
同じくご飯を食べながらゼンはそう答える。

「何をするんだ?」

「才道とアレプトと一緒に天使を探す。」

「それはまた大変そうだな。」

「アンタはどうするんだ。」

「オレか?俺はまぁとりあえずここでのんびりしてるよ。」

「そうかい。さてと明日も忙しいから俺はもう寝る。」
ご飯を食べ終えしっかり片付けてからゼンはそう言う。

「何かあるのか?」

「あの2人とこれからについての話しをするの。」

「そうか。じゃあ頑張れよ。」
そう言いデュークも自分の寝床に行く。
次の日

「なんでお前らがココにいるんだ?(怒)」
そこにはゼンがアレプトと才道と一緒にデュークの家でのんびり話し合っていた。

「いやあ集まる場所でちょうどいいところがなかったからさここにしといた。」
ゼンが反省の色を少しも見せずそう言う。

「「お邪魔してまーす。」」
アレプトと才道も元気よくそう言う。

「お前の家があるだろう!」

「バカお前何言ってるんだ。あそこ一応ネフィの家だぞ。」

「そ,そうだったな。」

「さて気を取り直してアレプトなんか天使の居場所について心当たりないのか?」

「おい話しを「そうだねえ,僕も天使の居場所はわからないんだ。ごめんねゼンちゃん。」

「空に向かえばいいんじゃねえのか?さっきゼンも言ってたじゃねえか空に消えてったって。」

「あくまで消えてっただけだ。空が居場所とは限らないしそうだとしても単純に空の上ってわけはないと思うぜ。」

「うーん,あまり気乗りはしないけど彼女に聞いてみるかぁー。」

「なんだアレプト解決方法あるのか?」

「まぁ解決とまではいかないけれど可能性としてはいいかな。実は大魔王の中に変人がいてさぁー彼女の名はアビス。とにかく知りたがり屋でなんでも自分で調べているからもしかしたら天使の居場所も知っているかもしれないよぉ〜。」

「そうか。でも今はそれ以外にできることないしダメ元で聞いてみるか。」

「でも彼女,少しめんどくさいよ。」

「よし,とりあえず目的はアビスの家。早速行くぞ。」

「じゃあ2人共僕に捕まって。彼女の家に瞬間移動するから。」
アレプトにそう言われゼンと才道はアレプトの肩に手を置くと,3人は闇に呑まれそして闇がはれたら目の前は1面雪だった。

「うひー寒い寒い。」
3人の中でも1番薄着なゼンがたまらずそう言う。

「そうか?あんまし寒くないぞ。」

「それは才道君と僕は炎の魔法を覚えているからだね。」

「くそ〜じゃあ俺も。」
そう言いゼンはその身に炎を纏う。
これも自然からもらった力の1つである。

「それでアビスの家はどこだ?」

「後ろだよ。」
ゼンと才道が振り向くとそこには1つの城があった。
アレプトを先頭に家に入ると,

「おろ,客か?珍しいの〜。」
そんな間抜けな声が聞こえてきた。

「アビス。僕だよ。アガリ・アレプトだよ。少し相談があるんだ。」

「んっ,アレプトか。じゃあ魔法陣に乗ってくれ。」
3人が目の前に現れた魔法陣に乗ると魔法陣が光り暗い場所にワープした。

「んっ,他にも人がいたのか?」

「うん。僕の友達の才道君とゼンちゃんだよ。」

「才道・勇気です。」 「ゼン・リロード・リバルです。」
2人がそう自己紹介をする。
目の前の女性は椅子をこちらに向けながら,

「アビス・ナリッジじゃ。アレプトが『ちゃん』呼びをするとはそちらはかなり気に入られたようじゃのー。」
アビスは見た目小学生だった。
髪はお尻のところまで伸ばし色は紫。目は黒目だった。

「さて,それで何の用じゃ?」

「えーと,天使の居場所ってわかりますか?」
ゼンがそう問いかけるとアビスは目を鋭くし,

「お主,なぜそんな事を知りたがる。それ相応の理由はあるんじゃろうな?」

「仲間を助ける事と神に繋がる手かがりが欲しいからです。」
ゼンもアビスの目を真剣に見ながらそう答える。すると,

「そ,そんな真剣な目で妾を見ないでくれたも。そんな目をされても妾とお主はまだ初対面だし」
顔を赤くしそう言い始めた。ちなみに途中で途切れているのはそこから先はゴニョゴニョとしか聞こえなかったからだ。
そう言われゼンが目を離すと,

「コ,コホン。では結論を言うが行く方法は知っている。っが教える代わりに妾の頼みも聞いてたも?」

「えーと願いとはなんですか?」

「ちょっと研究に必要な魔物がいて,それを倒すのが少し大変なのじゃ。20体でいいからその魔物を倒してこの魔袋に入れて持ってきて欲しいのじゃ。魔物の名前は『ハヌマーン』じゃ。」

「わかりました。それができたら教えてくださいね。」
そう言いゼンと才道とアレプトはアビスにそのハヌマーンの生息地にワープさせてもらった。

そして最初の状況に戻る。

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