クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

圧倒的な力の差

街を囲むように戦闘態勢を取っていた,魔物をエルに任せ俺は,敵の総大将のいる所に向かった。
途中,魔物たちが邪魔をしてきたが,エルのサポートもあり,ほぼ傷も負わず気配の中心にたどり着いた。

「よくここまできたな。」

男は驚いた様子もなく話しかけてきた。
俺がそいつに殴りかかると,

「そう慌てるな,どうやら俺の部下もお前の仲間に苦戦しているようだな。」

そう言い俺を10メートルくらい吹き飛ばした。
俺が起き上がり改めて戦闘態勢をとると,

「そこまでして死に急ぎたいのか?
俺はお前のような弱者と戦う気は無いのだが,」

「うるせえよ,それと話す時は相手の顔を見て話せってお母さんに教わらなかったのか?」

そう俺が言うと,

「それはそうとお前も日本人だろ,
少しは話し合おうという気は無いのか。」

やっぱ日本人かよ。

「街を襲っている悪人に話し合うも何も無いだろ。」

「悪人か,それは一体誰に決める権利があるのだろうな。」

そう言いため息をついた。

「そんなもん知らねえよ。
でも街を襲うのは悪いことってのは日本人なら常識だろ。」

「そんなことは知っている。
なら、街を襲うのというのはどうゆうことだ。
街を壊すことか,それとも街にいる人を殺すことか,それが街を襲うというなら俺はまだ街を襲ってはいない。
そもそも街を壊す気もなければ人を殺す気もない。
俺はただ降伏を待っているだけだ。」

「どういうことだ。
お前の目的は一体なんなんだ。」

「目的か,先程も言ったように世界を変えることだ。
なので人を殺す気など無い。
いや,腐った奴らは殺すか。」

平然と男はそう言う。

「お前一体何様のつもりだよ。」

「それはこちらのセリフだ。
聞くが,お前はこの世界に来てから人を嫌,知能ある者,話し合える者を誰一人として殺さず話し合いだけで和解できたか?
出来なかっただろう。
つまりお前も自分勝手に殺しているのだ。
そもそも福沢諭吉が言っただろ,天は人の上に人は作らずと,つまりお前にもそんな事を言う権利などない。
お前だけでなく貴族も王族も俺に命令する権利などない!」

少し怒りながらそう言い放つ。
そして落ち着いてから,

「俺たちは同じ日本人だ。
なら,争う理由などない。
むしろ協力し合おうではないか。」

そんな事を言ってきた。

「断る。
お前の言う通りだ。
話し合いだけじゃ解決できねえ。
それに俺もたくさん魔物を殺し,人と変わらぬ知能を持つ者も殺した。
つまり誰にも命令する権利なんてない。
だからもう頼まねえ,拳でお前の間違いを止めてやる。」

答えはわかっていたのか,ゆっくり立ちながら,

「そうか、実に残念だ。
まぁ,理由も言わずに説得など無理な話か,」

そう言い俺に殴りかかってきた。



何も見えなかった。
気がついたらゼンは地面に倒れていた。

「さあ、かかってこい。
まぁ,今のでわかったとは思うが止まるキサマではなかろう,だからお前が諦めるまで実力の差を教えてやる。」

そう言い手でかかってこいと示してくる。
  ゼンはすぐに殴りに行かず今度は地面を拳に変え男に殴らせようとしたが男は慌てずその2つの拳を受け止めかわす。
  その間にゼンは身体強化をし殴りかかりに行くとそれを男はかわしゼンの腹にパンチを1回し,ゼンが腹を抑えている間に蹴り飛ばした。
  ゼンが起き上がると男はつまらなそうにアクビをしていた。
  ゼンは再び地面で拳を作り殴らせに行かせた,ただし今度は2つではなく5つの手に行かせたが,それを男はジャンプしてかわす,するとゼンはリリィをオートモードにし男に向かってやり投げのように投げたがそれも男は避けるがリリィが続けて攻める,がそれを軽くさばくその間にゼンは黒光で手を剣にし斬りかかるがそれさえ軽くさばき地面にけり落とす。
  そのまま男が着地すると同時にゼンは再び殴りかかりに行く。
  リリィと2人で攻撃を乱打するもそれを男は避け,さばき,時にはカウンターさえ仕掛けてくる。
  そして男が一括しただけでゼンとリリィは吹き飛んだ。

「そう言えばまだ名前を言ってなかったな
せっかくだし自己紹介をしておこう。
俺は,才道 勇気。
かつて勇者だった者だ。」

ゼンが息を整えているとそんな事を言ってきた。
そして続けて,

「そろそろ諦めてくれないか?
俺はまだまだやる事がたくさんある。
お前だけに構っている暇はないんだ。
まぁ,次やる時はもっと腕を上げておけ。」

才道がそう言うとゼンは,

「何勝手に終わらそうとしてるんだ。
まだ俺は諦めてねえぞ。」

そう言い再び構えると,

「なら教えてやろう。
先程の戦闘,俺は1回もスキルや魔法を使っていない。
つまりハンデを与えてやってもお前は俺に一撃も与えられなかったわけだ。」

半ば呆れながら才道はそう言った。

「それがどおした。
んなもん教えてもらわんでもわかっとるわ!」

するとため息をつきながら,

「ならなぜこんな無駄な戦闘を続ける。
お前が1番わかってるはずだ俺とお前の差を。」

そして,少し考えた後,

「仕方ない。
ここまで耐えた褒美だ。
俺の力の一部を見せてやる。」

才道がそう言うと,才道の前からドラゴンが現れゼンの脇腹を貫いた!
ゼンは血を吐き,地面に倒れた。

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