“無能”から始まる世界最強

つかっちゃ

No.36 楽なダンジョン攻略2

扉を開いた瞬間。


─────グルゥアアアアア!!!!!


空気が割れるような咆哮を受けた。雅久にとってはなんだか少しだけデジャヴ感があるが。
そう、そこにいたのはドラゴンだった。このダンジョンは50階まであると噂されているが20階で既にドラゴンというなかなか鬼畜な難易度だ。雅久やリオだと片手間に捻り潰せるが今回はエマの修行だ。全てエマにやらせる。

「え!?ドラゴンがなんでこの階層に…?」
「それがこのダンジョンの特徴なんだろ。多分」
「それ適当に言ってますよね?できる限りの事はやりますが倒せなかったら雅久さん、お願いします」
「もとよりそのつもりだ。がんばれ」

そしてエマが前に出た。そして得意の火魔法を発動した。

炎爆フレイムインパクト

そう呟くとエマの周りにいくつかの火球が出来上がった。そして手を前に突き出し、指で操ると一つ一つが動き始めた。そしてドラゴンに向かって飛ばすとそれが爆ぜた。かなりの威力で音からもその凄まじさが分かる。しかし

「えっ?……効いて…ない…?」
「…なるほどのう。そのドラゴンは魔法無効化の能力を持っていそうじゃのう」
「ああ。リオの言っている通り魔法無効化の固有スキルをそいつは持ってるな。さて、魔法の聞かない相手にどうやって戦う?」

エマは考えているのか一瞬動きが鈍くなった。そのスキをドラゴンは見逃していなかったのか紫に光る極細の光線を放った。エマは(あっ!しまった!)と思ったその瞬間、

「きゅっ!!」

リルが鳴いたと思ったらエマの全身に薄い光の膜が張られ、光線を防いだ。
ここに来るまでに少なからずリルも戦闘していたのでレベルが上がり光属性の魔法の種類が増えたのだろう。持っていなかった魔法を使った。

「リルちゃん!助かったよ!」
「きゅ!」

そう鳴くとリルもエマの方にぴょんと乗った。
エマは助かったと思っているが、まだ倒すまでの道が見えたわけじゃない。だが一応の考えはある。魔法が効かないなら物理攻撃をすればいいじゃないか、と。

「嫌な思い出しかないので余り使いたくは無かったのですが仕方ないですね…」

そして軽く深呼吸をしてから

「“本能解放クルサイオン!”」

エマが叫んだ瞬間、とてつもない魔力の流れの嵐が起きた。エマに黒い霧がしゅうしゅうと集まり、紫色の光を帯びたかと思うと霧がどんどん型作っていった。大きな体、そして耳、シュッとした狐の顔、鋭くも全てを包むような目、そして何よりも目立つその大きな9つの尻尾。
霧が完全に晴れるとそこには真っ黒な、しかし汚い黒ではなく夜の荘厳さを思わせる綺麗な黒の九尾の狐が居た。

「クルルルルル…」

と喉を震わせ軽い威嚇をする。しかしドラゴンは見つめるだけで特に反応は無い。

「なかなかにいい毛並みをしているな。綺麗だ」
「そうじゃのう…惚れ惚れとしてしまうほど美しいのじゃ…」

すると頭の中に直接エマが語りかけてきた。

『えへへ…ありがとうございます。正直この姿を見られるのは怖かったんです』
「へえ。そりゃまたどうして?」
『こんな特異な感じなので私を見た途端幻滅されそうだなと…』
「はぁ…あのなぁ…俺とリオはどっちも竜人なんだぞ?」
『あ。………そういえばそうでした。私ったらうっかり』

照れているのか尻尾で自分の耳を撫でている。器用なこった。

「その姿ならすぐに片付くじゃろう。はよう終わらせい」
『はい!』

そしてエマ(九尾状態)の戦闘が始まった。





コメントより「某なろうのハーレム作品と似ている」という指摘があったのでここで言います。
正直up主的にもかなり似ているなぁと感じています。無意識でやってしまっているのでこれからは意識してちゃんとオリジナル作品を作っていこうと思います!コメントありがとうございました!

ps.『前世を託されし者』という小説を書き始めたので、そちらもよろしくお願いします!

「“無能”から始まる世界最強」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く