異界共闘記

totoma

ストルペ伯爵







「今頃ゼイルート家の奴らは盗賊たちに困らされているんだろうな

   ほんといい気味だ」





「本当にそうですなストルペ伯爵
   あの辺鄙な街では商品が届かないのは一大事でしょう

   ですが、我々が手出しいているのがバレてしまうのではないでしょうか?」




「本当に頭が回らんな
   私がなんの為にダリア侯爵の傘下に入ったと思っておる、

   地位としては辺境伯と変わらない侯爵だが、それでも新米の辺境伯ではさすがに手を出しずらいに決まっておるだろう」




「さすがストルペ伯爵ですな」





「もとより、私に辺境の地を与えて辺境伯の地位を授ければ良いものをドルトン王は何を考えているのだ」



「ゼイルート領は高品質な薬草や独自の作物で有名ですからそれを輸出していけば相当な儲けが得られますね」




   ゼイルート領は魔の森の近くにあることにより他の地域と比べて空気中の魔素の量が多い
   その為ここでしか育たないものが数多くあるので輸出で相当な利益を産んでいる。


   しかし、魔の森から定期的に魔物が出没するためその駆除に相当力を入れなくてはならないのだが 、 
   クライン・フォン・ゼイルートやゼイルート家の騎士団が十分すぎる実力を持ち合わせているおかげだということをストルペ伯爵は分かっていない




「魔の森くらい我らの騎士団でも対処出来るだろう
  
   今回の一件が辺りに広まればゼイルート家に信用は地に落ちるだろうからな
   平民上がりでは上手く収めることも出来まい
   あの地が私のモノになるのも遠くないだろう」



「それではこれまで通りに手配しておきます」



「ストルペ家が関わっていることが盗賊団から漏れることは決してないようにしろ」


「色々な人間を経由してやらせていますのでバレる心配はございません」



「それならいい」






   こうして2人の会談は終わった
   その空間にもう一人いることには気づかないまま






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