世界に復讐を誓った少年
109.復讐の始まり
「くくっ、なんて情けない顔をしているんだよ、レグル。そんなに僕が生きていたのが不思議かい?」
僕の目の前で間抜けな面を晒すレグル。あまりにもおかしな顔をしているので思わず笑ってしまった。レグルは僕を見ながらぷるぷると震えて指をさしてくる。
「町のゴミが! 貴様がなんでいるんだ! 貴様のせいで何人の人間が死んだと思ってやがる! 貴様はこの街に戻りたいのだろうが、そんな事俺が許さねえぞ!」
「……」
「ハルト様?」
……はっ!? 隣に立つローブを被った人物、まあミレーヌなのだが、彼女に呼ばれるまでぼーっとしてしまった。あまりにも意味のわからない言葉が返って来たため思考が停止してしまった。
僕がこの町に戻りたい? そんな訳があるか。馬鹿も休み休み言ってもらいたいものだ。
「誰がこんなクソみたいな町に戻りたいと思うか? ふざけた事を抜かすなよ?」
「っ!! な、ならここに何しに来たんだ!?」
僕の言葉を聞いてレグルはまたしょうもない質問をして来た。全くこいつは。
「決まっているだろ? ……復讐だよ」
僕がそう言った瞬間、レグルは吹き飛び壁に激突する。ミレーヌが魔法を放ったからだ。腹を抑えて呻くレグル。手加減はしているようだね。
「僕が母さんを殺したこの町や国をそのままにしておく訳ないだろ? まあ、それはいいとして、まあ、昔から君を知るよしみだ。君にチャンスをあげよう」
「……ちゃ……チャンスだと? ふざけた事を抜かすな! さっさとここから……ぐひゃっ!?」
僕の提案に怒鳴ろうとするレグルに向かって再びミレーヌが魔法を放つ。さっきよりも強めで放ったため軽く貫いたようだ。
「ミレーヌ、こいつらを回復させてやってくれ。万全な状態でやらせて絶望させてやらないと意味がないからね」
「……わかりました」
僕の言葉に嫌々頷くミレーヌ。僕をいじめた奴を治療するのは嫌なのだろう。嬉しい事だ。本当に嫌そうな顔でミレーヌが治療をすると、戸惑いながらも立ち上がる3人。何故、僕が治療したのかわからないのだろう。
「本当は直ぐにでも嬲り殺したいところだけど、昔のよしみだ。最後にチャンスをやろう」
「……そんなことせずとも殺してしまえば宜しいのに」
ボソッとそんな事を呟くミレーヌを宥めながら僕はレグルたちを見る。レグルたちは武器を構えながらも怯えた目で僕を見ていた。
「チャ、チャンスって何をさせるつもりだ!」
「何、簡単だよ。彼女たちに許して貰えば出してあげるよ」
僕はそう言いながらこの空間に魔力を流す。それに誘われるようにもわもわと浮かんでくる黒い霧。それに警戒するレグルたちだが、そんな事は御構い無しにと黒い霧は僕の前へと集まってくる。
「お前たちはこの部屋でかなり酷い事をして来たようだね。ダンジョンに夢を見た冒険者を誘って殺したり、女冒険者を騙して犯したりと。ここにはかなりの魂が彷徨っているよ。それがこれだ」
僕が右手を出すと僕の手のひらに集まる黒い霧。それを魔力で固めて結晶にする。そして、クロノから貰っていた転移の魔結晶を使いここにあるものを転移させる。現れたのは1体の人形だ。
これもクロノに作ってもらったもので魔道人形という。魔結晶に命令式を入れてはめ込むと、魔結晶の魔力を使って動いてくれる魔道具である。
転移させて来たのは黒髪の長髪で黒色のドレスを着た人形だ。それの心臓部分に僕が固めて作った魔結晶をはめ込む……どうして胸の柔らかさもここまで再現しているんだ、クロノよ。
少し疑問に思いながらも魔結晶をはめ込むと、黒色の魔力が人形を覆う。そして目が開いた瞬間、レグルを睨み走り出そうとした。まあ、魂の時から見ていたから場所はわかるんだろうね。
ただ、直ぐにシャドウバインドで人形の動きを止める。ギシギシと音を立てるが、特に動きに問題は無さそうだ。
「君……いや、君たちがアイツを殺したいのはわかるけど少し待つんだ」
魔力を流しながら人形に言うと、人形は僕とレグルたちを交互に見て動きを止める。この怨念の力は中々凄いな。少し本気で縛ってしまったよ。
「さあ、レグル。彼女たちに許してもらえるかな? 魔道人形……は呼びづらいから、君はネクロフィアだ。ネクロフィアは、彼らをいたぶってやれ。ただしまだ殺すなよ。まだ使い道はあるから」
僕が言うと同時にシャドウバインドを解く。すると、ネクロフィアは頷いたと思った瞬間、レグルたちの方へと向かっていった。
「お、お前ら構えろ! 殺されるぞ!」
武器を構えるレグルたち。しかし、それも一瞬だった。レグルの前まで移動したネクロフィアにレグルは反応出来ず、剣を持つ腕を肘から引き抜かれ、その剣でレグルの盾を持つ左腕を切り落とした。
レグルが喚く暇もなく、他の2人には魔法を放つ。2人に魔法が当たった瞬間、2人は頭を抱えて蹲り、発狂し始めた。呪いをかけたのか。
レグルが両腕を失った事に気が付き、痛みで叫ぼうとした瞬間、ネクロフィアがレグルの首を掴み地面へと叩き付ける。その衝撃でレグルは気を失ってしまった。
あー、思ったより呆気なかったな。もう少し踏ん張ると思ったけど、弱過ぎる。本当にどうしてこんな奴に僕はいじめられていたのだろうか。
ネクロフィアは上手い事3人とも死なないように無力化した。これで、次のステップに移れる。別に死んでも良かったが、まあ、使えるものは使わないと。僕の復讐もまだこれからだしね。
もっともっと絶望を味あわせてあげないと可哀想だしね。
僕の目の前で間抜けな面を晒すレグル。あまりにもおかしな顔をしているので思わず笑ってしまった。レグルは僕を見ながらぷるぷると震えて指をさしてくる。
「町のゴミが! 貴様がなんでいるんだ! 貴様のせいで何人の人間が死んだと思ってやがる! 貴様はこの街に戻りたいのだろうが、そんな事俺が許さねえぞ!」
「……」
「ハルト様?」
……はっ!? 隣に立つローブを被った人物、まあミレーヌなのだが、彼女に呼ばれるまでぼーっとしてしまった。あまりにも意味のわからない言葉が返って来たため思考が停止してしまった。
僕がこの町に戻りたい? そんな訳があるか。馬鹿も休み休み言ってもらいたいものだ。
「誰がこんなクソみたいな町に戻りたいと思うか? ふざけた事を抜かすなよ?」
「っ!! な、ならここに何しに来たんだ!?」
僕の言葉を聞いてレグルはまたしょうもない質問をして来た。全くこいつは。
「決まっているだろ? ……復讐だよ」
僕がそう言った瞬間、レグルは吹き飛び壁に激突する。ミレーヌが魔法を放ったからだ。腹を抑えて呻くレグル。手加減はしているようだね。
「僕が母さんを殺したこの町や国をそのままにしておく訳ないだろ? まあ、それはいいとして、まあ、昔から君を知るよしみだ。君にチャンスをあげよう」
「……ちゃ……チャンスだと? ふざけた事を抜かすな! さっさとここから……ぐひゃっ!?」
僕の提案に怒鳴ろうとするレグルに向かって再びミレーヌが魔法を放つ。さっきよりも強めで放ったため軽く貫いたようだ。
「ミレーヌ、こいつらを回復させてやってくれ。万全な状態でやらせて絶望させてやらないと意味がないからね」
「……わかりました」
僕の言葉に嫌々頷くミレーヌ。僕をいじめた奴を治療するのは嫌なのだろう。嬉しい事だ。本当に嫌そうな顔でミレーヌが治療をすると、戸惑いながらも立ち上がる3人。何故、僕が治療したのかわからないのだろう。
「本当は直ぐにでも嬲り殺したいところだけど、昔のよしみだ。最後にチャンスをやろう」
「……そんなことせずとも殺してしまえば宜しいのに」
ボソッとそんな事を呟くミレーヌを宥めながら僕はレグルたちを見る。レグルたちは武器を構えながらも怯えた目で僕を見ていた。
「チャ、チャンスって何をさせるつもりだ!」
「何、簡単だよ。彼女たちに許して貰えば出してあげるよ」
僕はそう言いながらこの空間に魔力を流す。それに誘われるようにもわもわと浮かんでくる黒い霧。それに警戒するレグルたちだが、そんな事は御構い無しにと黒い霧は僕の前へと集まってくる。
「お前たちはこの部屋でかなり酷い事をして来たようだね。ダンジョンに夢を見た冒険者を誘って殺したり、女冒険者を騙して犯したりと。ここにはかなりの魂が彷徨っているよ。それがこれだ」
僕が右手を出すと僕の手のひらに集まる黒い霧。それを魔力で固めて結晶にする。そして、クロノから貰っていた転移の魔結晶を使いここにあるものを転移させる。現れたのは1体の人形だ。
これもクロノに作ってもらったもので魔道人形という。魔結晶に命令式を入れてはめ込むと、魔結晶の魔力を使って動いてくれる魔道具である。
転移させて来たのは黒髪の長髪で黒色のドレスを着た人形だ。それの心臓部分に僕が固めて作った魔結晶をはめ込む……どうして胸の柔らかさもここまで再現しているんだ、クロノよ。
少し疑問に思いながらも魔結晶をはめ込むと、黒色の魔力が人形を覆う。そして目が開いた瞬間、レグルを睨み走り出そうとした。まあ、魂の時から見ていたから場所はわかるんだろうね。
ただ、直ぐにシャドウバインドで人形の動きを止める。ギシギシと音を立てるが、特に動きに問題は無さそうだ。
「君……いや、君たちがアイツを殺したいのはわかるけど少し待つんだ」
魔力を流しながら人形に言うと、人形は僕とレグルたちを交互に見て動きを止める。この怨念の力は中々凄いな。少し本気で縛ってしまったよ。
「さあ、レグル。彼女たちに許してもらえるかな? 魔道人形……は呼びづらいから、君はネクロフィアだ。ネクロフィアは、彼らをいたぶってやれ。ただしまだ殺すなよ。まだ使い道はあるから」
僕が言うと同時にシャドウバインドを解く。すると、ネクロフィアは頷いたと思った瞬間、レグルたちの方へと向かっていった。
「お、お前ら構えろ! 殺されるぞ!」
武器を構えるレグルたち。しかし、それも一瞬だった。レグルの前まで移動したネクロフィアにレグルは反応出来ず、剣を持つ腕を肘から引き抜かれ、その剣でレグルの盾を持つ左腕を切り落とした。
レグルが喚く暇もなく、他の2人には魔法を放つ。2人に魔法が当たった瞬間、2人は頭を抱えて蹲り、発狂し始めた。呪いをかけたのか。
レグルが両腕を失った事に気が付き、痛みで叫ぼうとした瞬間、ネクロフィアがレグルの首を掴み地面へと叩き付ける。その衝撃でレグルは気を失ってしまった。
あー、思ったより呆気なかったな。もう少し踏ん張ると思ったけど、弱過ぎる。本当にどうしてこんな奴に僕はいじめられていたのだろうか。
ネクロフィアは上手い事3人とも死なないように無力化した。これで、次のステップに移れる。別に死んでも良かったが、まあ、使えるものは使わないと。僕の復讐もまだこれからだしね。
もっともっと絶望を味あわせてあげないと可哀想だしね。
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