チート×異世界転移=最強・・・?

あるみん

第9話 バレた...!?

個室に行くと、ギルドマスターが慎重に尋ねてきた。

「...これはどういうことじゃ」
どういうことだと言われても...

「なぜ、神の加護が3つもあるのじゃ?」

えーっと...正直に答える方が良さそうだな。ギルドマスターの前の机には、いかにも嘘を見抜きますと言わんばかりの道具が置いてあった。

仕方ない、正直に堪えるか。だが、一応口封じくらいはしておこう。

「なるべく外部に漏らさないでくださいよ?」

「ああ、分かった。分かったか?」
ギルドマスターはさっきの受付嬢にそう言った。

「はぃ...」 

受付嬢は今にも消えてしまいそうだ。

「まずお主らの前にワシが自己紹介すべきじゃな。わしはここ、ミジルの町のギルドマスターをしておる、ユングというものだ。よろしく頼む。」

俺も勝も自己紹介をした。

「では、なぜ俺達が神の加護を3つも持っているっていう話だったな...」

そう切り出すと、今まであったことについて話した。

「なるほど、異世界人か...」

それだけ言うと、すっかり固まってしまった。

「お主ら、とりあえず王都に行くべきじゃ。そこで国王と話してくるのじゃ。」

おいおいマジかよ... 
「行くための馬車はこっちで用意する。だが、ここから王都まで3日間程度かかるし、用意する時間も必要なため来るのは1週間程度先じゃ。その間にお主達がやるべき事は、この辺のモンスターを狩ってレベルを上げるのじゃ。少なくとも国王に迷惑のないようにな。」

話の内容をまとめるとこうだ。
俺達はAランク以上なので、国王から直々に表彰してもらわなければならない。
Sランク以上になると、王都に住むことが義務付けられているらしいので、これから王都に住まなければならない。

...いきなりやばい事になったな...
だが、国王からの表彰を断ったら国家妨害罪にかけられるらしいので、断ることも出来ない。

行くしかないのか...
「とりあえずお主らが、王都からの馬車が来るまでにやることは、レベルを上げることじゃな。最低50まで上げるのじゃ。そのために、お主らに専属の教育係として、腕の立つ冒険者を雇っておいてやるから、泊まっている宿を教えてくれ。」

とりあえず俺達は泊まっている宿を教えた後、個室を出て宿屋に向かった。
「「「「お帰りなさいませ、ケーゴ様、ショウ様!」」」」

どうしてこうなった...。

事の発端は、今から1時間ほど前に遡る。
俺達は、ギルドを出たあと、リリィには先に帰ってもらった。
女将さんを説得するのに、俺達が居たらやりにくいだろうと思ったからだ。
その後俺達は適当に時間を潰した後、こうやって帰ってきた訳だが...

「王都に招待されるほどの実力の持ち主なのですよね? なら、私たちができる最大限のおもてなしをするべきだと思います!ってリリィから言われたからね、 確かにそうだと思ったわよ」

女将さんはそう言いつつ礼をした。
そんな気遣い...てかバレたくなかったのに...

リリィの方を見ると、俺達の顔色を伺っていたのか、こっちを見ていた。
あまり反応が良くないことを察したのか、目を逸らしている。



「あ、あの、あくまで可能性論なんですけど、リリィが嘘をついているっていうことは...」
「ないわね。」
即答だった。信用できる要素そんなにない気がするんだが...


とりあえず、隠す意味がなくなったのでそれっぽく行ってみようかな。密かに憧れてたんだよな!

「おい、お前ら!王都に呼ばれた圭吾様と勝様の御成だぞ!頭を下げよ!」

「「「「...............」」」」

無視されたっ!悲しっ!さっきまでの態度は!?

「とりあえず部屋に案内しますね〜」

普通に対応されるっぽい。さっきのは見せかけだけかよ!

俺達は、微妙な表情をしながら部屋に案内されたのであった。

「チート×異世界転移=最強・・・?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く