チート×異世界転移=最強・・・?

あるみん

第1話 何気ない日常の終わり

俺ー大平圭吾(おおひらけいご)ーは、ごく普通の高校生だ。 

顔は中の上くらいで、特別頭が言い訳でもないが、自分で言うのもなんだが運動神経は抜群である。

そんな俺はクラスのみんなにバレないようにしている、ひとつの趣味がある。
ライトノベルの本を読むことだ。
特に、異世界転生ものをよく読んでいて、1作読んでは「異世界に行ってみたいなぁ。」と思っている。

そして俺には、1人、この趣味を共有する人がいる。

宮川勝(みやかわしょう)だ。勝は、俺と真逆で成績優秀だが運動は苦手だ。顔は中々のイケメンなので、少し劣等感を感じるがまぁ気にしない。
勝には学校でいつも女子から注目を浴びていて、本人はその視線が嫌らしいが俺は羨ましいと思う。
けどまぁ、俺だけが知ってる勝の趣味もあるわけだし、これに関しては周りの奴らに対して優越感を持てるから良しとしよう。

話を戻すと、勝とは中学からの付き合いで、毎日のようにどっちかの家に集まって読んだラノベの話をしている。 
勝とは、自分で言うのもなんだがかなり仲が良く、また唯一ラノベの話が出来る友達なのでいつも一緒にいる。そして学校からの帰り道ー

「なぁ、勝」
「うん?どうかした?」
「俺、今日は最近でた例のラノベ買いに行きたいんだけど一緒に来るか?」
「おー!行く行く!いつもの書店?」
「ああ。じゃあそこまで競走な!」
「え!?ちょっと待ってよ!」

こんな感じでいつものようにやり取りをしながら、いつのも書店に向かっていた。

いつも通りの、なにげない日常。そんな日常には、唐突に終わりが来た。

急に勝が足を止めて、大声を出した。

「!? 圭吾!ちょっとストップ!この穴なんだろう?」

俺は走っていた足を止めて勝の元へ向かう。

「...なんだこれ?」

見てみると、いつもの書店への道にある、自販機の裏に、奥が暗くて見えない、人1人が通れるくらいの穴がそこにあった。

「本当になんだこれ...」

奥が見えない。かなり不気味だ。
俺は急に好奇心が湧いてきて、直ぐに出るつもりで入ってみた。

「ちょ!圭吾!?待ってよ!行くなら僕も行くよ!」

勝も着いてきた。危ないかもしれないから俺だけでもよかったんだがな。

ーそこで俺の意識が途絶えたー

俺と勝は気がつくとここにいた。

何も無い、ただ白い、どこまでも続いていそうな空間、としか言い表せないだろうか。

入る前に外から見た時は暗かったのに、どうしてだろう...
勝も同じことを思ったらしく、

「入る前までは暗かったのに...不気味だね...」

『ここまで思考が同じだと、そのうち意思疎通でも出来るのではないのだろうか。
まぁ、このくらいの発想なら誰でも出てくるか。』

そう思い、この空間の観察を始めた。

本当に何も無い。はるか先に地平線(?)が見えている。

少しの静寂...

「ねぇ圭吾...早く戻らない?」
「ああ、早く戻った方が良いかもな。」

俺はそう言っているが、正直かなり怖かった。何も無いということがこんなにも怖いとは。

「え!?圭吾!帰るための穴がないよ!?」
「なんだって?そんなはずは...」

俺は振り返って入ってきたはずの穴があるところあたりを見た。
本当に、無い。
相変わらず何も無い空間が広がっているだけだ。

「どどど、どうしよう圭吾!?」
勝は怖いものが苦手らしく、小さくなって震えている。

...こんな状況だが、少し可愛いと思ってしまった...。

ただ、ひとつ言っておくと、俺そっち系では無い。勝が可愛いのが悪いのだ。


そして突如、この何も無い空間に歪みができた。
ーそれは歪みとしか表現出来ないものー

そして突然、その歪みの中心から天使が現れた。
何故天使と分かったかと言うと、シンプルに背中に羽が生えていたからだ。
見た目は、10歳くらいだろうか。少女の見た目をしたその天使がそこにいた。

「圭吾!あの人背中に羽が生えてるよ!」

さっきの怖がっていた勝はどこかへ置いてきたのか、急に好奇心で目を輝かせている。

俺は意を決して、その天使に話しかけてみようとしたー
だが先にその天使が口を開いた

「ソナタらは、ナニモノだ?どうやってココにハイッテきた?ハツゲンにはキヲつけろ」

『...なんだ?この感じ。友好的ではないのか?』
そう判断した俺は発言に気をつけつつ、ここはどこなのか等、聞こうと思ったがー

またしてもセリフを言えなかった。勝が話し始めたからだ。

「初めまして天使さん、早速だけどここはどこなの?僕達は自動販売機の裏にあった穴に入ってきただけなんだ。どうやったら戻ってこれるか教えてくれるかな?」

勝が子供をあやすような言い方で天使に話しかけた。

「キサマ!ハツゲンにはキヲつけろとイッタダロ!」

その話し方が気に食わなかったのか、急に怒り出してしまった。
ふ少女の見た目であり、あまり迫力はなかったので直ぐに謝れば大丈夫だと思ったがー
すぐにその考えはあまかったことに気付かされた。

「チュウコクしたのにキヲツケナイとは、オロカモノドモめ!スグにシマツシテヤル!」

そう言って、ファンタジー世界でよくあるような火の玉を何も無い空間から生み出した。
そして、それを俺たちに投げつけてきたのだ...!

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コメント

  • カモメ

    面白かったです!!
    早く続きが読みたいです、!

    2
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