【完結】女装男子のインビジブルな恋愛事情。

瀬野 或

■□■【一章 Change my mind,】■□■


 小学生だった幼き僕は『なんにでもなれる』と思っていた。

 サッカー選手、野球選手というメジャーな夢は持っていなかったけれど、漠然とした自信だけは有り余っていたと思う。

 然し、中学に入学してから数ヶ月が経過した頃、自分の勘違いに気がついてしまった。

『自信に満ち満ちた同年代のクラスメイト』

 を、肌で感じて──。

『自分に才能がない』

 と、打ちのめされて──。

 次第に暗い鳥籠の中にいるかのような内気な性格になっていった僕は、周囲に劣等感を抱きながら、偏見過多過ぎる人格を形成していったのだ。

 高校一年生になった僕は、教室の隅っこで誰の迷惑にもならないように『空気的な存在』に徹している。

 僕が通う高校の名前は埼玉県梅ノはら市にある私立高校、梅ノはら高等学園。

 梅高は埼玉の山奥にあり。

 周辺にあるのは、春になると花粉の猛威をこれでもかと奮う杉の木が大量に植えられた山々。花粉症の生徒は絶望でしかないだろう。僕はそこまで花粉の影響を受けないけれど、この季節は激しい眠気に襲われる。これは花粉の影響……ではないか。

 近くにあるコンビニは数キロ離れた先にあり、とてもじゃないが徒歩で行くことは困難だ。学校の裏には市営バス乗り場があり、それを利用すれば行けなくもないが、往復の運賃を支払うことを考えると、あまり頭のいい行動ではない。

 辺境の地にあるこの学校へ赴くには、駅からバスを経由しなければならず、勿論、学校の送迎バスならば運賃は不要なので、わざわざ市営バスを選ぶ者は少ないだろう。それでも、極一部の生徒はこちらを利用しているらしい……学園バスに乗り損ねた寝坊組だ。

 学校から一番近い駅はバスで約一〇分と短い距離だが、遠い駅だと二十五分以上はかかる。

 僕が使っている駅は『遠い方』で、駅の周辺には気のいいおばちゃんが経営しているコンビニが一件あるくらい。

 梅ノ原駅から通う学生は皆、このコンビニのお世話になっている。

 余談ではあるが、このコンビニでは『ツケ』が出来るらしい──おいおい、どれだけお人好しなんだ? と思いながらも、僕もお金に困っていたらツケにして貰おうかな。

 なんて……。

 心にもないことを一瞬でも思ってしまった自分を恥じた。










 初めまして、瀬野 或と申します。

 この度は『女装男子のインビジブルな恋愛事情。』に興味をお持ち頂けたことに、感謝を申し上げます。

 まだまだ未熟故に、誤字脱字やらが多いですが、徐々に修正していきますので、予めご了承下さいませ。

 当作品は『小説家になろう』でも掲載しております。読みやすさで言えば『ノベルバ』の方が読みやすい、と私は思いますが、どちらを選ぶかはアナタ様にお任せしますので、お好きな方で読んで下さいませ。

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 この作品が、皆様の娯楽となるように、これからも日々精進を重ねながら、完結に向けて書いていく所存ですので、どうか、温かい目で見て頂けたらと思います。

 それでは、引き続き『女装男子のインビジブルな恋愛事情。』を、お楽しみ下さいませ。

 by 瀬野 或

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コメント

  • ノベルバユーザー602526

    表紙の奥行きが綺麗で、ストーリーも楽しかったです。

    0
  • ノベルバー姉です

    読み始めからワクワクして、人柄の良さも感じとれました。

    0
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