俺は5人の勇者の産みの親!!
第37話 エータは優しい
「わっ! 泣かないでよテルさん! 大丈夫だって! 泣かないでよ、ね?」
そしてエータはハンカチを取り出して私の涙を拭く。
「……だってぇ、お漏らしするなんて、子供がやることなのに、私みたいなオトナがしちゃダメなのに……まだお漏らししてるだなんて、誰にも言えないもん。びぃえええええ!」
泣き止めない私は、ポロポロと涙を流す。
その度に、エータはそれをゆっくり拭き取る。
「……俺な、この前お漏らししちまったんだ。3ヶ月ぶりだったかなぁ。俺、案外漏らしちまうんだぜ?」
「……え? エータもお漏らしよくするの?」
「あぁ! ずっと我慢してたら、ときどき勝手に出ちまうんだ! まぁ、夢精の事だけど! まぁ、俺も漏らしちまうんだって。オトナだって、我慢しなくていいときゃ出しでもいいんだぜ!」
エータはハンカチで全ての涙をふき取ると、にこりと笑う。
「お漏らし、俺たちだけの秘密な! お漏らし同盟だ、俺たち!」
私の頭にポンと手を乗せる。
私は小さな頭でエータを見上げると、思わずクスッと笑ってしまう。
「う、うん! お漏らし同盟! なんか、可愛いかも!」
「か、可愛いのかな? 俺の場合、夢精の事だけど」
「ん? ムセイってなに?」
「ま、まあいいや! おう! 同盟だ!」
お互い、顔を見合わせてクスクスと笑う。
少しだけ臭う部屋。
その中に充満した幸せのオーラの中に、2人の笑顔が広がった。
私は泣いてる時よりも笑っている時の方がエータの顔をしっかり見れて嬉しいな。
なんか、急にドキドキしてきた。
☆☆☆☆☆☆
テルさんってどんだけ可愛いんだよ。
反則すぎて、俺の頭の中が彼女のおっぱいだらけだぜ。
でも、テルさんってリュートのことが好きなんだよな。
まぁ、それは仕方がないことなのか。
でも、テルがいつも横にいてくれたらどれだけ人生に花が咲くのだろうか。
俺は心の中でそう思いつつ、深呼吸をする。
「俺、今日友達の家に泊まりに行くつもりでズボン持ってきたから貸すよ。濡れたスカートのままじゃ流石に気持ち悪いだろ? あと、タオルも。水つけてから体を拭くといいよ」
俺はバッグからデニムを取り出すと、テルさんに差し出す。
「あ、ありがとう……! 優しいね、エータ!」
「まぁ、お互い様だ、同盟同士だしな!」
テルさんはズボンとタオルを受け取ると、すぐに俺はカーテンの外に出て行く。
★★★★★★
「……ほんとに優しいね、エータ」
下を向いて、タオルを嗅いでみる。
エータの匂いがする……。
優しい匂い……。
ふふっと笑うと、それをエータが用意していた氷水につける。
「ひゃん!」
冷たいタオルが私のお股に着くと、すぐにタオルが黄色くなる。
「エータ……。エータのタオルだ……」
私はもう一度タオルの匂いを嗅いでみる。
酸っぱい匂いだ、なんだかエッチだな。
……エータのタオル、汚しちゃった。
エータの……ズボン、パンツ履かないままきていいのかな?
エータ……なんでこんなに優しくしてくれるんだろう?
★★★★★★
「いいよ、エータ、入ってきても」
「お、おう」
エータがカーテンの奥から入ってくる。
「……えっと、ね。脚を出さない服を着るの初めてだから、変かもしれないけど……どう?」
私はもじもじ、唇を尖らせながらエータを横目で見る。
「っ! めっちゃめちゃ可愛い! ボディラインが強調されてて可愛い! 可愛すぎるよ!」
「ほ、ほんと? そんなに褒められたら、照れちゃじゃない!」
私はさらに腰を横に振りながら顔を赤くする。
エータも照れながら私の顔とのデニムをまじまじと見て来る。
と、急にエータの顔が変な風になる。
「デニムのチャックから、何かが飛び出しているのが見えるぞ?」
「え、どうしたの? 何かおかしなところでもある?」
エータがじっと見る所に目を向けた私は、数秒後にその事態に気づく。
「あわわわわ! わわわ!」
ズボンを履いたことの無い私はその仕組みを理解していなかった。
お股の穴が全開の私からは、魔物がエータを襲おうと無数の腕を出していた!
「で、デニム履くときは、ちゃんとチャック閉めないと……!!」
「びっ……!」
「そ、そうだ! 俺も一回、チャック閉め忘れて合コンでドン引きされたことあってな! チャック同盟だ! どうだ!?」
「びぃっ……!!」
「えっと……、あ、そうだよ! モジャモジャの方がオトナっぽくて俺好きだぜ?」
「びぃえええええ!」
私の平手が輝くと、エータの頰にクリーンヒットする!!
「アデボッ!!」
保健室の彼方まで飛んで行くエータを見つめる!
また、またまたリュート君以外の男の人に見られた……!!
モジャモジャなんて、言わないで!
びぃえええええ!
どうやら、お漏らし同盟のメンバーはエッチなことになる運命にあるようだ。
◆◆◆◆◆◆
「……今の、見たか? レクイエム」
「ああ、みたよ、チャルダッシュ」
「間違いない、この世界に王女が集結しているってことだ、レクイエム」
「ああ、そういうことだな、チャルダッシュ」
「おそらく、この世界に勇者の卵の割損ねがいるぞ、レクイエム」
「ああ、そうだな、チャルダッシュ」
「……まず、あの赤髪を尾行しよう、『怒りの日』はそう遠くない、だろう? レクイエム」
「ああ、そうだな、チャルダッシュ」
つづく。
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