俺は5人の勇者の産みの親!!

快晴シャリラ

第3話 惹きつける理由

 
 それからというもの、俺とカノンはいつでも一緒に過ごした。
 トイレに行くと言えば直前までついてくるし、帰ると言えば彼女の取った授業もすっぽかしてついてくる。
 何かしらの違和感を抱く行動ばかりを取るカノンに対して、心から心配になってきた。

「なぁ、カノン。そろそろ帰らないと、親御さんが心配するんじゃないか? 頼むから今日は帰ってくれ」

 立ち止まると、できるだけカノンが癇癪を起こさないように強制というよりかはアドバイスとして彼女に与える。

「うーん、でもまだ一緒にいたいかな。だって、リュートが一人になったら何されるか分からないもの」

「んー、そうか……、は?」

 何かされる? 一体誰に?

 カノンはなにかとおかしな行動が多い。
 急にいなくなったかと思えば後ろにいたり、俺の行動を先回りしていたり。

「だから、リュート! 今日だけでもいいから、一緒に家まで行くよ、ね?」

 目をウルウルさせると、あまりにも可愛らしい表情にまんざらでもなくなる。
 だって、こんな女の子が今で来るとか言うんだぜ?
 その気になりそうな自分が怖くて仕方がない。

「……。家にはあげないからな、俺の家はまだ越してきたばかりで散らかってんだ」

「はぁーい!」

 空返事をするカノン。
 どうせ、急に上がり込むくせに。
 ま、その時はその時だけども……。

 ◆◆◆◆◆◆

 俺とカノンは、最寄駅を過ぎて数分歩く。
 街中に光る街灯が煌びやかな交差点の中、まだ初々しくもまるで親しんだカップルのように振る舞うカノン。
 別に、心地は悪くはない。
 ただ、不安なことが今も心の中で騒つく。

 なんで、俺なんだ?

 空が黒々しいカーテンを閉めても、空から降り注ぐ無数の光を透き通らせて一面に飾り付ける。
 美しい、と言うのか。
 綺麗だ、と言うのか。

 ただ、横でぴょんぴょん跳ねまわる妖精の姿に心を許して行く自分が怖くなった。

 男は単純な生き物だ。
 好きでいてくれる人がいてくれるだけで、世界がこんなにも美しく飾り付けられるなんて。

 なんか、もう今日は上げてあげてもいいかな。
 油断でも気分でも傲慢でもない。
 彼女に任せても、良いかな。

「ねぇ、リュート。家に行く前にね、ちょっと確認しておきたいことがあるの」

 カノンがいきなり真剣な目でこちらを見る。
 あまりしない顔をしたために、俺は少しだけドキッとする。

「な、なんだよ改まって」

「いい、そんな演技。ほら、こっちきて、早く!」

 カノンは、グイッと俺の胸ぐらを掴むと、そのままパチンコ屋の駐車場に引きずり込まれる。

「は! は! はぁ?!」

 意味のわからない行動に度肝を抜かれて抵抗してみるが、並みの女の子では考えられないような力が働いてなす術ナス。

 俺は暗い暗い物陰に叩きつけられて、体がコンクリートとぶつかっていい音が鳴る。

「ちょっ、カノン! おまっ!!!!」

 大きな声で怒鳴り付けようとしたその瞬間、カノンはリュートの股間を鷲掴みにする。
 ブニュリと柔らかいそれは彼女の手の中で踊る。

「!!?!!?!」

 真っ赤になる俺は、小さな妖精の手に包み込まれた肉塊を凝視する。
 その手捌きは見事で、瞬時に筋肉が盛り上がって来る。

「おいおいおい!!!!」

 カノンから避けようとするも、もう壁で後ろに逃げられない。
 なす術ナスとか言ってる場合か!
 本当にナスになりそう!!

 ムクッ。
 ムクムクッ。

 すると、カノンは大きな声で黒い空間に語りかける。

「どこまでついてくるの!! 早く出てきなさい!」

 グリグリと右手を回すカノンの手に包まれた俺の分身は、少しずつだがカノンの手を上に上に持ち上げる。

「さぁ、ここで決着をつけようかしら! ほら、出てきなさい!」

 張り上げるカノンの声に反応して、パチンコ屋の柱の陰から出てきた一人の少女。

「……その汚い手を離しなさい、カノン」

 それは、確か同じクラスにいた、金髪で色気を惹くカースト最上位候補の美少女。

「……アリア。もう諦めなさい。5人全員、私のものよ」

 手を握り変えると、レバーを上や下へと動かしてみせた。
 はち切れそうな俺の分身は、カノンの手捌きにやられて、少しずつボルテージが上がっていく。
 やばい、このままでは昇天する!

 そして俺は、まもなく情けない声で泣き叫ぶ。

「なっ……んんんっっ!!!!」

 しゅ、しゅごすぎる!!

 つづく。

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