みんなの視線

久しぶりに学校に行く。

もちろん、沙織さんも

しかも、俺の横にぴったりとくっついている。しかも、ニコニコと笑顔で、それは、ペイペイちゃんがいないからなんだと思う。

ペイペイちゃんは今日、色々な手続きで忙しいとか…

いつも通りの電車に乗るとそこには里奈さんと亜里沙さんがいた。

「おは～」

「おは～りーな」

そう言って俺から離れた沙織さんのいきなり耳元で里奈さんが何やら呟いている。その言葉を聞いて驚いた表情をしている。すると本田と佐久間がやって来てヘッドロックしてきて

「コノヤロー！！」

「イテテ！！」

ヘッドロックしたまま耳元で

「おめでとう…おとうさん」

「へ？」

「この若さで、もうパパなんだって？」

「はい～？」

何のことだか全く分からない。驚いた表情をしている俺、そして、沙織さんも同じ反応をしている。そして、里奈さんに対して一生懸命否定をしている。

「学校ではみんな知っていることだぞ。俺にもライムが来てたぞ！！ほれ！！」

佐久間がスマホでライムの所を見せてくれると数日前に、沙織さんが妊娠したという連絡と一緒に俺と沙織さんが二人で病院の前を歩いているところが写っていた。

「何故こんなことに？」

「ほら…みろ…」

しかし、この写真はかなり無理がある。それは、ワザとだろうか、なぜか、写真に日時が入ってあるのを見つけたのだった。

「どう見ても、合成だろ？」

俺の一言に、嘘つくなよという2人の俺は写真の日付の部分を指す。

2月12日10:30この日は、親父の葬式の時間だった。

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