どうする？

帰宅途中の電車の中、学校を出るところからみんなからの祝福を受け、電車を乗るまで二人で歩くことに、佐久間と本田、そして、里奈さんが変に気を利かして、俺達を二人にしてくれたんだけど、校門ではファンクラブが立ち並んでいて、堀川を中心に俺たちに敬礼をしている。そして、あるところまで言った途端

「二人の門出を祝して！！」

「バンザーイ！！」

「バンザーイ！！」

「バンザーイ！！」

「がんばれー！！」

はずかしい・・これほど恥ずかしいことはない・・しかも、万歳をしながら男泣きをしている。さらに、訳の解らない踊りをしている輩までいる・・・やめてくれ！！恥ずかしすぎる。そんな騒ぎを抜けてようやく電車にのったんだけど、当然、俺達の学校の生徒も乗っているわけで、俺達のことを知っているということで、直ぐに俺たちの周りだけ空間が出来ていたのだった。

おちつかない・・・

こうして、家にたどり着いた俺達

「あ～疲れた」

沙織さんの一言目、そんな彼女の姿を俺が見ていると

「じゃ・・そういうことで・・よろしく」

そう言って自分の部屋に行ってしまった。

どういうことだよ・・・階段を駆け上がっていく沙織さんの姿を見送って、俺の自分の部屋へ向かった。

ベットに横たわっていると頭の中はぐちゃぐちゃだ。何も思い浮かばない。

「あ～！！もうっ１！」

何も手に付かないとはこのことだ・・・

ぐぅ～

人間だもの

お腹がすいてきた。

するとそこへ紗耶香ちゃんがノックして部屋に入って来た。

「お腹がへったよ～！！」

俺の手を引いて

「何か作ってよ～？」

「え？どういうこと？沙織さんは？」

「おねぇちゃんも部屋に入ったまま出てこないのよ・・・」

「瀬里奈さんは？あ・・・今日はおそくなるっていってたっけ」

「おなかがへったよ～」

手をぐいぐいと引っ張ってきた。

「はいはい・・」

キッチンへ向かうとそこには誰もいない。お腹がすいて悲しそうな顔をしている紗耶香を見てパパっと作れるものをと冷蔵庫を覗くとすき焼きの残りがある。糸こんにゃくと牛肉をとりあえず炒める。これにごま油と醤油、みりんを加える。

ジャー！！

そして、最後に一味を振って、一皿目の完成

それと余っていた白菜をザクザクと適当な大きさに切って、軽く炒める。そして、ブイヨンを入れたスープにぶち込む。朝に食べる予定のウィンナーを少し貰って、これもスープにぶち込む、最後に味噌を入れて洋風味噌汁の完成。

「ささ・・・召し上がれ」

「いっただきまーす」

紗耶香は喜んで、炒め物を食べる。そして、味噌汁を一口

「ん？味噌汁にウィンナー？って・・・意外においしんですけど・・」

すると沙織さんが現れた

「あ・・」

俺は声がでなかったんだけど

ぐぅ～

彼女のおなかから音が聞こえてきた。ばつが悪かったらしく珍しく顔を赤くしている

「沙織さんも食べなよ」

「ありがとう・・」

こうして夕食を終えたのだった。結局、沙織さんは俺にどうしろとも何とも言ってくれない。当然のことながら、俺から彼女の部屋に行くわけにもいかない。どうしたらいんだろう・・

明日は学校やすもう・・