学園のアイドルと同居することになりましたが・・・

seabolt

交際♡宣言!!

水樹の一声に俺を取り囲んでいたクラスメートたちは、俺と水樹の間をささっと開けたのだった。まるで、モーゼが紅海を切り裂いたように・・・

「立原君!!大丈夫!!」

そう言って、水樹は俺の近づいてきた。

「大丈夫だ」

「逃げるわよ」

そう言った瞬間、俺の手を引いた。そして、俺達は教室から逃げ出すことになった。

「あー!!逃げた!!」

学園のアイドルがパッとしない一般学生の手を引いて逃げた。その瞬間を目撃した生徒たちは、俺達を追いかけた。しかも、他クラスの連中をそのことを見た途端、

「追いかけるぞ!!」

こうして学校中の生徒に追いかけられた俺達は、逃げ切れるはずもなく、とうとう、校庭のど真ん中でみんなに囲まれた。そして、俺達の目の前には佐久間と本田、そして、里奈が立っていた。

「諦めろ」

「もう逃げられないぞ」

すると水樹は諦めたかのように俯いている。

「さおりん!!本当のことを言って」

すると水樹は、口を開いた。

「立原君は、私の大切な人です」

「え?うそ?」

驚く里奈に、本田がつぶやいた。

「まじで言ったよ・・」

「ということは、お前ら付き合っているのか?」

佐久間の一言にしばらく沈黙をした水樹の口から驚愕の言葉が出てきた。

「そうよ。私たちは付き合っているわ」

おおっ!!

どよめきの中、初めて俺は血の気が引くのを感じた。しかも、滝のようにザーと轟音を立てて血の気が引いていったのだった。うそだろ?震えて声も出ない。

そして、最後に水樹はみんなに向かって

「ですから私達をそっと見守ってください」

すると

パチパチ

パチパチ

拍手が沸き上がり、沸き上がったスタンディングオベーションの中、俺達は退場するのであった。










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