モンスターのスキルを奪って進化する〜神になるつもりはなかったのに〜(修正中)
第17話:ガルドの苦悩(後編)
   進化の方も十分に恐ろしい内容だが、それよりもスキルを奪う効果の方が恐ろしい。モンスターには大凡、人種が所持出来ないような危険なスキルを持つものが数多く存在している。それを奪うということはモンスターになることと同義かもしれない。
   世には【強奪】というスキルを強制的に奪うスキルがあるようだ。この【奪能力進化】は【強奪】に進化が出来る効果を付け加えたようなものだ。
   せいぜい違う点と言えば、【奪能力進化】はモンスター種のスキルしか奪えないようだが、【強奪】は人種にも効果があり、同じ者には一度しか効かない上、奪えるスキルも一つらしい。それに、【隠蔽】されていると奪えないらしい。
   ローズにシズナが【隠蔽】を獲得するように言わねば‥‥‥。この固有スキルを知れば、腐敗した元貴族や商人【強奪】を持つ者を雇って襲ってくるだろう。最悪のことを避けるためには用心深くても良いだろう‥‥‥。
   私はそのようなことを考えながら『とある人物』を呼んだ。
ーーとある者を呼んで暫く経った頃、ドアがノックされた。私は一言「入れ」と言った。その人物はドアを開け入って来た。
   その者は入って来て早々、こう言った。
「何の用ですか、旦那」
   その者は大抵の貴族に使ったら、『侮辱罪』で処刑されても文句は言えない言葉遣いで聞いてきた。しかも、此奴は私が侮辱罪で処刑しないことを知っていてその言葉遣いで話すからタチが悪い‥‥‥その程度では怒るほど私は短気ではない。
「シズナを鍛えて欲しい」
「へ?なんでですか?旦那が鍛えたらいいじゃないですか」
   私が用件を言うと、その者は『私が鍛えたら良い』などと言った。
「知っての通り、私は領地のことや執務で忙しい。それで無くとも、私より冒険者ランクが上のお前が適任だろう」
「でも、俺が得意なのって不意打ちですよ」
「だが、剣もある程度はできるだろう」
「まっ、それもそうだな。わかったよ、引き受ける」
「私が何と言おうと引き受けるつもりだっただろう‥‥‥」
「まあ、そうだけどな。ここんところ、何も無くて退屈してたんだ。別にいいだろう?」
「好きにしろ」
   その者は「へいへい」と言って部屋を出て行った。
「ここ数年は領地にも何も問題がなくて安心していた矢先にこのような問題が来るとは‥‥‥」
   私は頭を抱えながら溜め息をついた。
   世には【強奪】というスキルを強制的に奪うスキルがあるようだ。この【奪能力進化】は【強奪】に進化が出来る効果を付け加えたようなものだ。
   せいぜい違う点と言えば、【奪能力進化】はモンスター種のスキルしか奪えないようだが、【強奪】は人種にも効果があり、同じ者には一度しか効かない上、奪えるスキルも一つらしい。それに、【隠蔽】されていると奪えないらしい。
   ローズにシズナが【隠蔽】を獲得するように言わねば‥‥‥。この固有スキルを知れば、腐敗した元貴族や商人【強奪】を持つ者を雇って襲ってくるだろう。最悪のことを避けるためには用心深くても良いだろう‥‥‥。
   私はそのようなことを考えながら『とある人物』を呼んだ。
ーーとある者を呼んで暫く経った頃、ドアがノックされた。私は一言「入れ」と言った。その人物はドアを開け入って来た。
   その者は入って来て早々、こう言った。
「何の用ですか、旦那」
   その者は大抵の貴族に使ったら、『侮辱罪』で処刑されても文句は言えない言葉遣いで聞いてきた。しかも、此奴は私が侮辱罪で処刑しないことを知っていてその言葉遣いで話すからタチが悪い‥‥‥その程度では怒るほど私は短気ではない。
「シズナを鍛えて欲しい」
「へ?なんでですか?旦那が鍛えたらいいじゃないですか」
   私が用件を言うと、その者は『私が鍛えたら良い』などと言った。
「知っての通り、私は領地のことや執務で忙しい。それで無くとも、私より冒険者ランクが上のお前が適任だろう」
「でも、俺が得意なのって不意打ちですよ」
「だが、剣もある程度はできるだろう」
「まっ、それもそうだな。わかったよ、引き受ける」
「私が何と言おうと引き受けるつもりだっただろう‥‥‥」
「まあ、そうだけどな。ここんところ、何も無くて退屈してたんだ。別にいいだろう?」
「好きにしろ」
   その者は「へいへい」と言って部屋を出て行った。
「ここ数年は領地にも何も問題がなくて安心していた矢先にこのような問題が来るとは‥‥‥」
   私は頭を抱えながら溜め息をついた。
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