クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

226話 バレる嘘

 シェレールside
 私たちは、どうやって旦那様を助けるか数時間かけて作戦会議をしました。
 そして、出た結果は、とにかく偽物の旦那様の怪しいところを見つけるということです。
「そういうことだから誰か、あの偽物の竜斗に近づく必要があるんだけど……シェレール、お願い出来ない?」
「嫌です。旦那様は助けたいのですが偽物の旦那様と知っていて肌を触れるなんて絶対に無理です。」
 私は、そう言いきった。私が旦那様にほかの女の人とはあまり接触しないでと言ったのに私がそれを破ってしまったら彼女失格です。
「やっぱりそうよね。ほかのみんなも……やっぱり嫌よね。」
 みんな、下を向いて黙っています。
 それはそうですよ。今までずっと一緒にいた旦那様の姿になって私たちに接触してきたんですから。
「それじゃ……ねぇ、シェレール、竜斗が帰ってきた後、なにかおかしなことなかった?シェレールに黙ってクロムと一緒に寝ていたこと以外。」
「えっと………おかしなことは特にありませんでした………いえ、ありました!」
「どんなこと!?」
「旦那様は、私がこうやっていつも悩んでいると話しかけてくれてちゃんと相談に乗ってくれるんです。ですが今回は私が悩んでいることにすら気づいていません。」
「ああ、それなら私もあるわ。何度も相談に乗ってもらったもの。」
 それから続々とみんなもそんな経験があったと言ってきました。
 やっぱり旦那様は、ちゃんとみんなのことを見ていたのですね。私のことだけじゃなくてみんなのこと。やっぱり素敵です。
「でも、それじゃやっぱり完全な証拠とはいかないわね。もうちょっとあの偽物のを追い込めるものじゃないと。」
「やっぱりそうですよね。」
 みんな、あの偽物と接触したくない以上、意見はもう出ません。
「はぁ、夜も遅いからもう寝ましょ。」
 ユイさんは、みんなにそう提案します。
 確かに外を見ればもう真っ暗でした。いつの間にこんな時間が経っていたのでしょうか。
 みんな、ユイさんの出した提案に賛成して自室へと戻ります。私も戻ろうかと思いましたがそこでハッとなりユイさんに声をかけました。
「あの、ユイさん、今晩一緒の部屋で寝てはダメでしょうか?」
「あ、そういえばシェレールは、竜斗と同じ部屋を借りてたんだっけ。分かったわ、一緒に寝ましょ。」
「はい、ありがとうございます。」
 私は、ユイさんの部屋へ行きそこで眠りました。
 そして翌朝。
 食堂へ行くと偽物の旦那様がそこにいて私に寄ってきました。
「シェレール、どうして昨日は部屋に来なかったんだ!?」
 偽物は、私の肩を掴みそう怒鳴ってきました。
「っ!」
 私は、思わず私の方に置いていた手を引っぱたいて3歩ほど後ろに下がりました。
「な、何をするんだ!?彼氏にそんなことして!」
「なっ!?」
 彼氏ですって?
「ふざけないでください!」
 私は、心で思ったことを口にしていました。ですが、もう言葉を止めることはできません。
「あなたが旦那様じゃないってことくらい分かってますよ!本物の旦那様があなたの中にいるってことも!それなのに旦那様になりきって、いい加減してください!早く旦那様を返してください!」
 私は、そこまで言うと肩で息をして呼吸を整えます。
「な、何を言ってるんだ?お、俺が偽物?そんなわけないだろ!?」
 偽物は、私にそう言われてもなお自分が本物だと偽っています。
「もういいだろ!こっちへ来い!」
 偽物は、そう言って私の方に手を伸ばしてきます。その手が私の肩を思いっきり握ってきました。
「痛っ!」
 私は、あまりの痛さに声が出てしまいました。
 と、その瞬間、偽物に異変がありました。
「っ!こ、この……やろう……」
 偽物の表情は苦痛に耐えるような表情をしています。
「シェ、シェレール……し、信じてる……から……な……」
「っ!?旦那様!」
 今の言葉は、本物の旦那様の言葉です。
「うるせぇ!貴様は引っ込んでろ!」
 だけど、すぐに偽物に戻ってしまいしまた。
「はぁはぁ、俺の偽物のくせして出てくんなっての。」
「許しません……絶対に許しません。」
「あぁん?お前もうるせぇな。」
「あんた!いい加減にしなさいよ!今さっき、シェレールが言った通りあんたが竜斗じゃないってこと、丸わかりなんだからね!」
 今さっきまで呆気にとられていたユイさんも私と一緒に口撃してくれます。
「うるせぇ、うるせぇ!雑魚どもが俺に口ごたえしてんじゃねぇ!」
 偽物の旦那様は、どんどん本性が明らかになっていきます。
 周りも今の言動の旦那様を見て驚いています。
 そして、それから数分間、口論が続き旦那様が偽物だと気づいてくれた人たちが大勢出てきて私たち側に付いてくれました。
 白井さんたちも食堂へと来て私たちと一緒に口論してくれています。
「えぇい!もうこれ以上喋っても仕方ねぇ!貴様ら、全員、俺の中に取り込んでやる!」
 そして、偽物は、攻撃をするための体制を整えました。
 私たちもそれに続き体制を整えます。
 旦那様、今、助けてみせますね。

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