クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

186話 鬼

「おかえりなさい、竜斗。」
 クロムの部屋から戻ると俺の部屋の扉の前でシェレールが正座をしてニッコリと笑いながら挨拶をしてきた。
 これはあれだ。いつも通りの顔は笑っているが目が笑ってないやつだ。
「竜斗……随分遅い帰宅でしたね。どこへ行っていたのですか?」
 シェレールは、ニコニコとしながら話す。
 俺は、シェレールのその表情に膝の震えが止まらない。
 恐怖心耐性があるのにこんなに怖いのか。
「竜斗?なぜ黙っているのですか?私は、質問をしてるんですよ?答えてくれないんですか?」
「……あ……その……なんだ?……ちょっと、人と話していてそれで気づいたら朝だったんだ。」
「………………………ふふっ、そうですか。で、そのお相手は?」
 え!?何、その間!?
 ちょっと怖いんだけど……
「どうしたのですか?早くお答えを。」
 うわぁ〜、シェレールの後ろに鬼が見えるような気がするよぉ〜。
「えっと……クロムとレーネとセレスさんの3人だ。」
「…………本当にそれだけですか?」
「は、はい。その通りです。」
「じー………」
 シェレールは、俺の顔をじっと見つめてくる。
「………別に嘘をついているようじゃありませんね。………朝帰りというのは気になりますがまぁ、竜斗が無事に帰ってきてくれたので良かったです。」
 良かった、鬼は去っていったよ。
「悪いな、心配かけて。それにしてもシェレール、俺の部屋で何してたんだ?」
「え!?あ、その…………………竜斗に夜這いを………」
「ん?何?」
 シェレールは、すごい小さな声で下を向きながら何かを言っているが全く聞こえない。
「い、いえ!な、なんでもありません!は、早く着替えてください!朝食の時間になりますよ!」
「ん?あ、ああ、そうだな。」
「竜斗、脱いだ服は貸してください。洗うためのカゴに入れておきますから。」
「ああ、ありがとう。なら、上着だけ……はいどうぞ。」
「むぅー、別に下の方もよろしいですのに………」
「いや、さすがにそれは、恥ずかしい。」
「まぁ、いいです。それじゃ、これ入れてきますね。」
「ああ、頼む。」
 シェレールは、俺の服を持ったまま部屋を出て行った。
「さてと、着替えるか。」
 俺は、ズボンを脱ごうとした時、ポケットに何か入っていることに気づいた。
「なんだこれ?」
 ポケットの中から何か親指サイズの石のようなものが出てきた。
 ナビ、これが何かわかるか?
(…………どうやら魔力でできた石のようです。どういう経緯でポケットの中に入ったのかは分かりませんが。)
 魔力ででてきた石か。魔石とはちがうのか?
(魔石は、ただの石に魔力を帯びてるだけのものです。)
 魔石が魔力を帯びてて、この石が魔力でできている、という事だわけか。
 それで何かこれに効果はあるのか?
(…………すいません、よく分からないんです。)
 ナビでも分からないのか。
 なら、これは一旦保留だな。
 俺は、その石をテーブルに置き着替えてからまたその石をポケットに入れ、朝食が用意されてある食堂へと向かった。
 食堂に着くともうみんな揃っていた。
「おはよう〜」
 俺は、みんなに挨拶をしてシェレールが隣の席をポンポンと叩いているのでそこに座った。
「わざわざ俺のために空けといてくれてありがとな。」
「いえ、私がそばにいて欲しいので隣を空けていただけです。」
「そ、そうか。………あっ、そういえばシェレールって今日暇?」
「あ………いえ、すいません。今日は昨日魔族の子どもと仲良くなってルビーさんと朝食の後、遊びに行くことになってるんです。」
「そうか、なら、仕方ないな。ちゃんと約束は守った方がいいもんな。」
「す、すいません。なんの御用だったんですか?」
「ん?ま、まぁ、なんでもないよ。ちょっと俺が暇だったから出掛けたいなって思っただけだ。」
「それってデートのお誘いでした!?……う、うぅ……残念です。」
「また今度行けばいいよ。」
「そうですね!いつ行きます!?」
「また、暇な日な。とりあえず今日はちゃんと子どもたちと遊ぶように。子どもたちは、シェレールとルビーに遊んで貰えるって喜んでるんだからシェレールが俺の事でずっと集中してなかったら子どもたちが悲しむだろ?」
「そ、そうですね、分かりました。竜斗は、本当にお優しい方です。」
「ははっ、俺なんて全然だよ。」
「むぅー、そんなことないのに……」
「はい、あ〜ん。」
「あ〜ん!」
 俺が朝食のおかずをシェレールの口元に持っていくとシェレールは、今さっきまで頬をプーっと膨らませていたのにすぐに上機嫌になってそのおかずを食べた。
「美味しい?」
「とっても美味しいです!」
「なら、朝食はちゃんと食べような。」
「は〜い!」
 それから俺たちは、朝食を食べていった。
 何とか話はごまかせたな。
 このごろシェレールに褒められるとすごい照れくさいんだよな。
 まっ、とりあえず今日は一人で人間がいる方の街に行くか。
 こっちだと何となく買い物がしずらいからな。

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