クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

176話 早くしたい

 俺たちは、どれほどこうして抱き合っているのだろう。もうどのくらい時間が経ったのか分からない。
 分かるのはまだ、ずっとこうしていたいという思いだけ。
「………竜斗……」
「ん?どうした?」
「セレスさんの部屋を出た後、私とした約束、覚えていますか?」
 セレスさんの部屋を出た後?
 ………あっ!
「も、もちろん覚えてるぞ!」
 そう大声で言うものも実際、すごい恥ずかしい。
 だって……エッチのお誘いなんだから。
「……な……なら……今から……」
 シェレールは、上目遣いでそれ以上は何も言わなかった。
 さすがに今の俺でも今、シェレールがして欲しいことくらい分かる。
「シェレール……その……俺の……部屋に……来ないか?」
「………はい……」
 シェレールは、小さな声で頷くと俺の背中に回していた手に力が入った。
 さすがに何度もやっていることと言ってもまだ緊張するのだろう。
 俺だってもちろん緊張してる。今さっきから心臓の音がうるさくてシェレールに聞こえてないか不安になるくらいだ。
 俺は、そんなことを思いながらシェレールを魔王城にある俺の部屋へと案内しようとした時。
「竜斗……シェレール……」
「うわっ!」
「ひゃっ!」
 俺たちが振り返るとそこにはクロムが泣きそうな顔でこちらを見ていた。
「く、クロム……居たのか……」
 そういえばさっきまですっごい相談に乗ってくれていたような………
「……やっと……気づいて……もらえた……ずっと……呼んでたのに……」
「ご、ごめん!別にクロムが邪魔なんて思ってないから!」
「う……うん………」
 クロムは、零れそうになる涙を零し袖で拭き取り俺たちに笑顔を見せた。
「よかった……ね……仲直り……できて……」
「クロムのおかげだ。ありがとう。」
「そんなこと……ないよ……私は……ほんの少し……応援……しただけ……竜斗……が……頑張ったから……仲直り出来た……」
「応援してくれただけでもすごい助かったよ。クロムがいなかったら今頃俺は、どこか別の場所で心を閉ざしたまま生きていたからな。」
「………そっか………よかった……」
 クロムは、はにかむようにして笑っていた。
 そんなクロムにシェレールが近づき、膝をつきクロムと同じ目線になってシェレールは、言った。
「クロム、竜斗を引き止めてくれてありがとうございました。本当に助かりました。でも、正直に言うと今さっきのパーティではすごいクロムに嫉妬していました。クロムが竜斗にご飯を食べさせてあげているところを見るだけですごい腹が立ったんです。私、心がすごい狭いんですよね。」
 シェレールは、そんなことを少し暗い表情で語る。
「でも、私があなたに嫉妬するということは竜斗を誰にも取られたくないという私の思いでもあったんです。なので、その事に気づかせてもらえたことにもとても感謝します。本当にありがとうございました。」
 だが、暗い表情も一瞬ですぐに切り替えて今度は誇らしげにそんなことを言った。
「本当に……シェレールは……竜斗のことが……好きなんだね……」
「ふふっ、もちろん。竜斗が好きってことだけは誰にも負けませんよ。」
「ふふ……少し……シェレールが……羨ましい……な……」
「も、もしかして、クロムも竜斗のこと、狙っていたんですか!?だ、ダメですからね!諦めてください!」
「だ、大丈夫……だよ!……べ、別に竜斗のことは……取らないよ……ただ……そんなに……誰かを……好きになれるのって……なんだか……羨ましいなって……」
「そうですか?……ふふっ、そうかもしれませんね。私も竜斗と会うまではここまで誰かを好きになるなんて思ってもいませんでした。クロムも誰かを好きになったら分かりますよ。もちろん、竜斗はダメですかね!」
 シェレールは、そう言って俺の腕に抱きたついた。
「ふふ……そうだね……でも……誰かを好きに……なれるかな……」
「ふふっ、いつか会えますよ。クロムがいい子でいたら。」
「うん……分かった……」
 さて、これからどうしよう……
 俺のあそこはお預け状態を食らってしまい興奮しっぱなしだ。
 だが、ここでがっついてシェレールを誘ったら見苦しいよな。ここは紳士に……
「しぇ、シェレール、一旦パーティ会場に戻ってみよう。みんなが心配してるかもしれないから。」
「は、はい、そうですね。………で、でも……」
「ん?どうした?」
「ほ、本当は……あの後、すぐに……エッチなことをするつもりでしたので……その……体が少し火照っているんです。」
「っ!そ、それは……まぁ……なんというか………俺も同じだ。」
「え?」
「俺も下半身がやばい事になってる。」
「っ!……ほ、本当……ですね……」
 シェレールは、俺の下半身を見ると少し目が色っぽくなった。これが女の目と言うやつか。
「………どうしよう……」
「みんなにすぐ事情を話して部屋へ行く……というのは?」
「それだと絶対に勘づかれるぞ?あいつら、そこら辺はすごい勘がいいからな。それでもいいか?」
「うっ……少し……恥ずかしいです……」
 さて、どうしたものか。
 みんなを心配させたままにさせるのもあれだからな。
「仕方ない。ここは、一旦パーティ会場に戻るぞ。時間は取られるかもしれないがなるべく早く終わるようにしよう。」
「むぅー……それしかないですね……早く終わることを願います……」
「……もう……話は……終わった?」
「あ、ああ、待たせて悪かった。行こうぜ。」
 俺とシェレールは、ソワソワとしながらクロムを連れてパーティ会場に戻った。

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