クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

155話 修繕

 俺たちは、魔大陸へ向かう途中、ある街で一泊することになった。
 その街に着いた時にはもうだいぶ暗くなっていて街に入るのもギリギリだった。
 俺たちは、すぐに今日泊まる宿を探し受付を済ませた。
「よし、それじゃご飯でも食べに行こうか。」
「わぁーい!ご飯っ!」
 リルは、お腹が空いていたのか両手を上げて喜んでいた。
「適当に街をぶらついていい店があったら入ろうぜ。」
 俺がそう提案するとみんな、了承してくれた。
 その後、みんなでこの街を適当にぶらついた。
 すると何だか人集りが出来ているところがあった。
「ん?なんだ?」
「柊君、行ってみよ。」
 俺たちは、その人集りのところへ行き何が起こっているのか確認した。
「す、すいません!本当に申し訳ありません!」
「謝って済む話じゃねぇだろうが!金払え!金!」
「わ、私たちにはそれを払えるようにお金はなくて……本当に申し訳ありません!」
 どうやら、人と人がぶつかったらしくその際にあの怒っている人が持っていた物をあっちの謝っている人が壊してしまったらしい。
 ん?ってか、あの人って今さっき助けた人じゃないか。よく見たら後ろで今さっきいた人たちが不安そうにして見ている。
 仕方ない、また助けるか。
「シェレール、俺行ってくるからみんなの事よろしく。」
「はい、分かりました。」
 俺は、そう言って二人の間に入った。
「あの、ちょっといいですか?」
「っ!君は………」
「あん!?なんだてめぇ!?ガキが何の用だよ!?」
 うわっ、思った以上に切れてるな。
「もうそこら辺でいいのではないでしょうか?あちらだってわざとではないんですから。」
「うっせぇ!関係ないやつは黙ってろ!ものを壊されたらその分のお金は貰わねぇとならねぇんだよ!」
「………その壊れたものってなんなんですか?」
「あれだよ!」
 その怒っている人が指さしたのはなんと、宝石付きの指輪だった。
「今日、俺の彼女にサプライズで渡す予定だったものだよ!俺がこの指輪のためにどれほど働いたかてめぇには分かるか!?あぁん!?」
 ………確かに大事な人に渡す指輪を壊されたのならこれ程怒るのも納得がいく。
 だが、あちらもそれは分かっているようですごく申し訳ないような顔をしている。
「これ、いくらだったんですか?」
「金貨20枚だよ!」
 ナビ、こいつは嘘はついてないか?
(はい、嘘ではありません。この人、こんな格好ですが本当はとても優しいお方なのです。)
 へぇ、そうなのか。
 それにしても金貨20枚か。確かにそれはだいぶ高いな。
「分かった、今の間は俺が立て替えておく。それでいいか?」
 俺は、そう言って金貨20枚を出した。
 正直、そのお金は俺が現在持っているお小遣い全部だ。
「…………金さえ払えばいいって問題じゃねぇんだよ。」
 その人は、俺があっさりと金貨20枚出したことに驚いたのか呆気に取られていたが直ぐに切り替えまだ文句を言ってきた。
「まぁ、確かにそうだよな。でも、その金は受け取ってくれ。それと………」
 俺は、壊れた指輪を手に持った。
 スキル 完全創造
 作るのはなんでも直せるスキル。
(修繕のスキルを所持しました。)
 よし、なら早速。
 スキル 修繕
 俺は、指輪に修繕のスキルをかける。するとみるみるうちに指輪が直っていった。
「ほら、これでいいか?」
 俺は、その人に直った指輪を手渡す。
「こ、これは………っ!ど、どうやった!?」
「俺のスキルだよ。これで許してくれるか?」
「ああ、もちろんだ!ありがとう!あっ、直ったんならこの金入らねぇよ。」
 そう言ってその人は、俺が今さっき渡した金貨20枚が入っている袋を渡してきた。
「………なら」
 俺は、その袋の中から1枚金貨を取り出した。
「これだけは受け取ってくれ。慰謝料だ。今からどうせデートなんだろ?彼女にいい所見せてやれ。」
「っ!ありがとう!」
 その人は、俺に何度もお礼を言ってきた。
「あっ、それと今さっきは悪かったな。言いすぎた。」
 そして最後に指輪を壊したあの人にも謝っていた。
「こ、こちらこそ本当にすいませんでした!彼女さんとのデート、頑張って下さい!」
「おう!それじゃ、俺はもう行くぜ!」
 その人は、そう言って手を振りながら去って行った。
 ふぅ、何とか無事の済んだな。
 ………金貨1枚は、あげすぎだったかな?
 まっ、いっか。なんか、彼女とデートって聞くと応援したくなるんだよな。
 さてと……
「大丈夫でしたか?」
 俺は、まだ尻を地面につけているその人にそう言って手を差し出した。
「………あ、ああ、すいません!本当に助かりました。あなたに助けられるのはこれで二度目ですね。」
「いいんですよ、これくらい。怪我はしてませんか?」
「は、はい!大丈夫です!」
「そうか、良かった。それじゃ、俺はもう行くからな。今度からは気をつけろよ。」
「あ、あの!ちょっと待ってください!」
「ん?」
「こ、今度こそお礼をさせてください!二度も助けられたのにお礼をしないなんて有り得ません!」
「そ、そうです!」
「ん?」
 お礼をしたいって言った人の後にまたさらにそれを押すような声がした。
「お、お願いします!お礼、させてください!」
 そう言ったのは、先程人質にされていた女の子だった。
「リュウ……様ですよね?」
「そうだよ。様はいらないけど。」
「リュウ様、私もしっかりとリュウ様やほかの皆さんにもお礼が言いたいです!どうか、お礼をさせてください!」
 そう言ってその女の子は、お辞儀をした。
 まだ人は、残っていてこのやり取りだけでもだいぶ目立つな。
「わ、分かったから、頭上げて。」
「本当ですか!?」
「ありがとうございます!」
「ったく、お礼って言っても何をしてくれるんだ?」
「お食事はもう済まされましたか?」
「いえ、まだですが。」
「それでは私がやっているお店に来ませんか?」
「………分かりました、それじゃみんなを呼んでくるので待っていてください。」
「はい、分かりました。」
 ということで俺たちは、二度助けた人たちのお店に行き食事を振舞ってもらった。

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