クラス転移で俺だけずば抜けチート!?
153話 人助け
魔大陸へ移動中、リルが自動車の中で大きな声を出して俺を呼んだ。
「どうした?そんな大きな声を出さなくても聞こえるぞ。」
「えっとね、プヨちゃんがちょっと大きくなってるです!」
「プヨが?」
俺は、少し気になプヨのいるところへリルに案内してもらう。
「こ、これがプヨ……か?」
確かに大きくなった。前までは足元くらいだったのに………今じゃ、俺の腹のところまで大きくなってるよ。
「ね!すっごい大きくなってるです!」
「ああ、確かにすごい大きくなったな。」
でも、どうしていきなりこんなに大きくなったんだ?
(それはマスターが昨日の夜と今日の朝に与えた魔力が原因でしょう。)
俺があげた魔力が?なんで?
(マスターの魔力は普通の人より濃密な魔力ですから。それにスライムは大きくなりやすいんですよ。)
へぇ、そうなんだ。
まっ、でも、全然プヨ自体に異常はないから大丈夫だろう。
「キュー!」
うん!今日も元気なプヨだ。
「リル、プヨは今成長期なんだ。だからこんなに大きくなってるんだって。」
「そうなんです?プヨちゃんすごいです!」
リルは、そう言いながら小さな手でプヨの頭を撫でる。
「………プヨちゃん…これ以上大きくなられたら困るです。」
プヨは、俺の腹くらいの高さなのでリルの身長と同じくらいだ。なので撫でるのも結構大変そうだった。
「リルも早く大きくなろうな!」
「はいです!」
その後、リルはプヨと一緒に遊んでいた。
俺は、その微笑ましい光景を楽しんだ後、みんなの元に戻った。
「あ、竜斗、プヨはどうだったの?」
俺が戻るとユイがそう尋ねてきた。
「リルの言った通り結構大きくなってたぞ。俺の腹くらいまでは来てたな。」
「そ、そんなに?スライムって成長が早いのね。」
「まぁ、確かにそうなんだが俺の与えた魔力が結構濃密だったのもその原因らしい。」
「へぇ、そうなんだ。まっ、成長が早いのに越したことないわね。」
「そうだな。」
(マスター、一応知らせては起きます。)
ん?なんだ?
(この近くで盗賊に襲われている馬車があります。恐らくこのままだと男の人は殺され女の人はその盗賊の慰め者になるでしょう。)
………その襲われている場所はどこだ?
(マスターならそう言ってくれると信じてましたよ。ここから東に800メートルほどは離れたところです。)
分かった、すぐに行く。
俺は、自動車を一旦止めた。
「竜斗、どうしたんですか?」
「ここから東に行ったところに盗賊に襲われている人たちがいるらしいんだ。だから、そこまで行ってくるよ。みんなはここで待っていてくれ。」
「「「「「…………はぁ〜」」」」」
え?何?そのため息は?
「何言ってるのよ、竜斗。」
「私たちも行くに決まってるよ!」
「リュウさん1人に任せてられませんよ!」
「そうですよ、竜斗。それに昨日、約束したじゃありませんか!無茶はなるべくしないって!」
「………ああ、そうだな。悪かった、みんな手伝ってくれるか?」
「ええ、もちろん!」
「早く行こ!」
「襲われている人たちが心配です!」
俺たちは、その盗賊のところまで急いで行った。
その場所に着いたのは本当にすぐでまだ死者は出ていないようだった。
だが、男の人はもうボロボロで今にも殺されてしまいそうだった。
盗賊は、合計で6人。
そのうちの一人がボロボロの男の人に向けて剣を振り上げた。
やばっ!
俺は、すぐに飛び出して振り降ろされたところを俺の刀で止める。
「ふぅ、間に合った。」
「な、なんだ!?貴様!?」
「大丈夫か?」
俺は、一旦盗賊の剣を振り払い男に手を貸した。
「あ、ありがとう。助かったよ。」
「よく頑張ってここまで耐えてくれた。あとは、俺たちに任せてくれ。シェレール!ルビー!白井!怪我している人たちの手当をしてやってくれ!他のみんなは盗賊たちを捕らえるのを手伝ってくれ!」
俺がそう指示するとシェレールとルビーと白井は、怪我人に治癒魔法をかける。
他のみんなは、盗賊たちと対峙する。
「なんなんだよ!貴様ら!」
「何って聞かれても俺たちは、ただの通りすがりの冒険者ってところだ。」
「へっ!別にいいぜ!人数が増えても所詮俺らの敵じゃねぇ!それに見ろ!あの女ども!すっげぇ上玉じゃねぇか!へへっ!犯しがいがありそうだぜ!」
盗賊は、そんなゲスな笑みを浮かべている。
ったく、こいつらはとんでもなくバカらしいな。人数的にはシェレールとルビーを抜いてこっちが5人、あっちが6人。まぁ、確かに俺たちの方が人数的には不利だよな。
「行くぞ!女どもはなるべく傷つけんなよ!男は殺しても構わねぇ!」
盗賊の頭のようなやつがそう言いながらこちらへ向かってきた。
「みんな!こいつらは絶対に殺すなよ!気絶程度でいい!」
俺は、みんなにそう指示をして構える。
みんな、俺の指示を聞いてコクっと頷いた。
俺は、盗賊の攻撃を避け、気絶させる。
「はい、終わりっと。」
みんなはどうかな?
おおっ!みんなも終わってるな!
って……あ!1人足りないぞ!
どこだ!?
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
「「「「「っ!?」」」」」
俺たちは、叫び声が聞こえた方を振り向く。
するとそこには今さっきまで盗賊たちに指示していた頭が馬車で隠れていた女の子にナイフの刃を向け人質にしていた。
「お前ら!これ以上近づくんじゃねぇぞ!もしこれ以上近づいたらこの女がどうなるか分かっているのか!?」
盗賊は、その女の子の肌に刃を当てる。
「ひっ!」
女の子は完璧に怖がっていて自分から離れようとはしなかった。
「ははっ!そうだ、そのまま武器を置け!」
俺たちは、言われた通り武器を置いた。
「よし!そのままその後ろの女三人とそこの女!こっちに来い!」
盗賊が指名したのはシェレールたちだった。
はぁ、仕方ない。
「お、おい!貴様!?何してる!?俺が来いっと言ったのはお前じゃねぇよ!いいのか!それ以上近づくと本当にこの女を殺すぞ!」
俺は、ゆっくりと盗賊に近づく。
そして、久しぶりに時間魔法を使った。
うん、結構上手くなったよな。ここら辺の時間は数秒だけ止められるようになった。
俺は、その数秒で盗賊の背後に周り気絶させた。
「お前なんか、一瞬で倒せるんだよ。」
俺は、そう言って人質にされていた女の子を抱きかかえた。
「大丈夫か?」
「………は…はぃ……」
その女の子は、少し目に涙を浮かべていた。
それに頬も少し赤い。余程怖かったんだろう。
「もう大丈夫だからな。ほら、みんなのところへ行ってやれ。心配してるぞ?」
「あ、ありがとう………ございます……」
その女の子はぺこりと頭を下げて馬車にいるみんなのところへ向かった。
たまにはこういった人助けもいいもんだな。
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白髪
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