クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

150話 スライム

「それで竜斗、あの国で何かあったのか教えてもらえる?すぐにあの国から離れたいってことは何かあったんでしょ?」
 魔大陸に向かう途中、ユイがそう聞いてきた。
 他のみんなも気になるようで俺の方をじっと見てきた。
「まぁ、色々あったんだ。」
「色々って何よ?」
「1番驚いたのは斉藤が生きていたこと。」
「「「「「「え!?」」」」」」
 みんな、俺の言葉に言葉を詰まらせる。
 そりゃそうだ。みんな、俺が斉藤を殺したところを実際に見たんだからな。
「竜斗、それって本当?」
「ああ、本当だ。」
「でも、どうして?」
「斉藤は、元々この世界に来た時に核が存在していたらしい。」
「核?それって、稀に核を持った魔物がいるけどそれと同じってこと?」
「ああ、そうだ。それで、勇者である斉藤が生きていたことからガイシス王国は何も慌てた様子がなかった。前の時と様子は一緒だったんだ。」
「まぁ、そうでしょうね。勇者のリーダーである斉藤が生きていたとしらまだ何とかなるかもしれないものね。」
「ああ……でも、斉藤とガイシス国王が少し怪しい動きを見せたんだ。」
「怪しい動き?それもガイシス国王って……」
「私のお父様です。」
「やっぱりそうよね。それで、怪しい動きって何してたの?」
「他の国に魔物の大群を送ってピンチになったところを勇者である斉藤が助けるってわけだ。そして、他の国に恩を売り色々とその国に要求するとか言っていたな。」
「うわっ!最低じゃない。」
「私も自分の父親があんなことをしていたなんてとても幻滅してしまいました。」
「それでどうなったの?まさかそんなことを企んでいるのに無視したわけじゃないわよね?」
「そんなことするんけないだろ。他の国に送り込もうとする魔物は全部殺した。そして、ちゃんと斉藤も殺した。」
「そう、それでガイシス国王はどうなったの?」
「ああ、それはシェレールに任せた………」
「ふふっ、安心してください、もう二度とあんなことはしないようになっていますので!」
「は、ははっ……」
 俺は、乾いた笑みしか出なかった。
「だからなるべく早くにガイシス王国を出たかったのね。」
「ああ、わがまま聞いてくれてありがとな。みんなも三日間旅をしていて疲れただろ?」
「まぁ、少しは……でも、別に気にしてないわ。」
 みんな、ユイの言葉にうんうん、と首を頷かせる。
「今日は俺が野営をするからみんな、ゆっくりとしていていいぞ。」
「本当!?それなら本当に助かるわ!」
「りゅーー」
 俺は、シェレールが何か言う前に自分の口元に人差し指を立て何も言わないで、と促す。
「………」
 シェレールは、すごい睨んできたが黙っていてくれた。
「柊お兄ちゃん!何かいるです!」
「ん?何がいるんだ?」
 俺は、リルの方に行き窓からリルが言ったものを見る。
「ん?あれは………スライム?」
 俺が見た生物は液体のようなものがゼリー状になっていてうねうね動いているものだった。異世界定番の魔物、スライムのようだった。
 異世界に来てだいぶ経つけど初めて見たな。
「ああっ!あれってスライムじゃない!?」
「え?」
「マジか!?どこにいるんだ、スライム!?」
「僕も見たい!どこどこ!?」
 俺と白井は、何が何だか分からない状況だった。
「な、なぁ、スライムがどうしたんだ?」
「え?竜斗は、知らいないんですか?スライムのこと?」
「いや、知ってるけど……そこら辺にいる弱い魔物だろ?」
「はぁ!?竜斗何言ってるの!?確かにスライムは、弱いけど全く見ることが出来ないのよ!?人生に一度でも見れたら本当に幸運の持ち主って感じなんだから!」
「マジかよ………白井は知っていたか?」
「う、ううん……全く知らなかったよ。」
 スライムってそんなに珍しいんだな。
 あっ、そうだ。
 俺は、一旦自動車を停止させスライムに近づいた。
 スライムは、俺が近づいても全く攻撃しようとはしなかった。
 俺は、そのままそっと手を伸ばす。
 そして、ゆっくりとそのスライムを持ち上げる。
「キュー!」
 俺がスライムを持ち上げるとスライムは、嬉しそうな声で鳴いた。
(マスター、このスライムは自我があるようです。)
 へぇ、そうなんだ。ってことはだいぶ珍しいな。
(その通りです。なのでもし、マスター以外の人間に見つかると……どうなってしまうんでしょうね。)
 え?何!?どうなるの!?
(まず冒険者に見つかればスライムを殺した後にその素材を売るでしょう。スライムは、本当に稀な魔物ですからとても高値で売れるのです。冒険者に見つからなくても他の人に見つかると結果的にどこかへ高値で売られるでしょうね。)
 なんだよ、ナビ。俺にそんなこと聞かせて………
「柊お兄ちゃん!」
「ん?あ、リルか。どうした?」
「私も触っていい?」
「ああ、いいぞ。」
 俺は、そう言ってリルの方へスライムを近づける。
 リルは、そのスライムを優しく手で撫でた。
「わぁ!ぷよぷよしてるです!」
「キュー」
「わっ!鳴いたです!」
「ははっ、可愛いだろ?」
「はいです!とっても可愛いです!」
 リルは、スライムが気に入ったのかずっと撫で続けている。
 スライムも嫌がることはなかった。
 はぁ、仕方ない。
「なぁ、スライム。一緒に俺らと旅をしてみないか?」
 俺がそう提案するとスライムは、目をキラキラさせて嬉しそうに鳴いた。
「キュー!」
「柊お兄ちゃん!この子と一緒に旅するです?」
「ああ、そうだぞ。リル、仲良くしてくれよ。」
「はいです!えへへ〜、よろしくです。えっと……柊お兄ちゃん、この子のお名前ってなんですか?」
「あー、そういえば考えてなかったな。リル、なんがいいと思う?」
「う〜ん………ぷよぷよしてるからプヨちゃん!」
「プヨか。よろしくな、プヨ。」
「キュー!」
 おお、喜んでる。
「それじゃ、みんなのところ戻ろうか。みんなずっとこっちを見てるけど来る様子がないからな。」
「はいです!」
 俺は、プヨを抱えたままみんなの所へ戻る。
 その後、みんなにプヨのことを紹介した。
 みんな、最初は触ることにとても緊張していた。
 まぁ、いつかは慣れるだろう。
 俺たちは、スライムのプヨを仲間に加え魔大陸に向けてまた自動車を動かした。

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