クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

147話 怒らせてはいけない

「うっ………やばい………」
 俺は朝、目を覚まして体を起こそうとするが体中あちこち痛くて動けない。
「……すぅ〜……すぅ〜……」
 隣で寝ているシェレールは、とても気持ちよさそうな寝息を立てていた。
 くぅ〜!すっげぇ可愛い!本当なら寝ているシェレールの髪を撫でたりキスしたりしたい!
 だけど、今の状態じゃ何も出来ない。腕すら持ち上がらない状態だもんな。
 あんまり無理して体を起こすとシェレールを起こしてしまいそうだしやめておこう。
 まっ、たまにはシェレールの寝顔をずっと見ておくのもいいな。
「んん……竜斗〜………」
 おっ、俺の名前を呼んでる。夢でも俺の事見てくれてるのか。嬉しいな。
「竜斗〜……離れちゃダメですぅ〜………」
「あっ…………」
 シェレールの瞳から薄らと涙がこぼれる。
 シェレールは、昨日俺が死にそうになったのをまだ気にしてるのか。ってあたりまえか。俺もシェレールが死にそうになったとしらずっとそれを引きずりそうだからな。
 くそっ!今の俺にはシェレールの涙を拭うことも出来ねぇのかよ!
「どこにも………行かないで…………」
 シェレールは、寝言でそう言って手を動かし始めた。
 そしてその動かし始めた手は俺の背中の方へと来て………
「いっ………だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 シェレールが思いっきり抱きついてきた。
 俺は、無理やり体を動かされ痛みからすごい大きな声で叫んでしまった。
 だが、外には漏れていない。
 なぜなら、前の失敗を活かし今回はこの部屋に結界を張っておいたからな。
 って今はそんなことを説明していられるか!
 ちょっ!シェレールさん!?さらに力が強く……あっ、待って!シェレールさん、結構レベルも高くてステータス値も軒並み高いんだからそんなに思いっきり力を込めて抱きつかないで!お願い!お願いしますから!
「あっ………」
 俺は、痛みに耐えきれず気絶してしまった。
「ふふっ……竜斗〜………」
 そして、シェレールは今もなお寝ながら俺の事を抱きしめている。
 数時間後。
「………ん………んん〜」
 俺は、再び目を覚ます。
「あっ、竜斗起きたんですね。」
 シェレールは、俺の隣で横になっていた。
「ふふっ、竜斗の寝顔とても可愛らしかったですよ。」
「そうか?でも、シェレールもすごい可愛かったぞ。」
「え!?ど、どうして竜斗が私の寝顔を見てるんですか!?」
「本当は結構前に俺は起きていたんだ。だが、昨日の後遺症があって……まぁそれから色々あって気絶してしまったんだ。」
「そ、そうなんですか。ということは今も動けないんですか?」
「ああ、今回はこの前の比じゃないくらいに痛いな。魔法すら使うことが出来ない。」
「なら、今日は私が竜斗のお世話をしますね。あっ、試しに私の治癒魔法かけましょうか?」
「ああ、もしかしたらそれで治るかもしれないから頼む。」
「分かりました。」
 シェレールは、そう言って起き上がり俺の体に触れ治癒魔法を発動した。それも最上級のものだ。
「はぁはぁ……ど、どうですか?」
「………悪い。やっぱりダメだったみたいだ。」
「はぁはぁ……そうですか。残念です。」
「悪いな、無駄に魔力を使わせてしまって。」
「いいんですよ、これくらい。それでは私は、一旦着替えてきますね。」
「ああ、分かった。」
 シェレールは、そう言って部屋を出て行った。
 …………
 やっぱりダメだ。体、全く動かん。
 なぁナビ、これいつくらいに治りそうだ?
(完全に忘れ治るには1週間ほどの休息が必要ですね。)
 マジか。1週間は長いな。
 あっ、そういえば昨日、シェレールに俺の事頼んだのナビなんだって?本当にありがとうありがとうな。
(いえ、マスターあっての私ですから。)
 ははっ、そうか。
「竜斗、着替えてきました。」
 俺がナビと話しているとシェレールが着替えを済ませ部屋に入ってきた。
「それじゃ、最初に朝食を作ってきますね。この宿は自分でご飯を作るようになっていて助かりましたね。」
「ははっ、そうだな。」
「それじゃ、作ってきますので少し待っていてください。」
「美味しいご飯、期待してるよ。」
「はぁ〜い!」
 はぁ〜、なんだかすごい新婚って感じだ。やばい嬉しすぎる。
 本当ならもう少しゆっくりしていきたいのだが王様とか勇者がいなくなった以上、この国は大変なことになるだろう。その前に出て行きたい。
 そういえばガイシス国王は、どうなったんだ?シェレールがどうにするって言っていたけど……ナビ、知ってるか?
(昨日、マスターがシェレールさんの部屋に斉藤のコアを探していた時にシェレールさんが警備兵たちにガイシス国王を引渡しました。)
 引渡したって、それで本当にいいのか?
(恐らくガイシス国王は、王家の座を降ろされるでしょう。)
 どうして?
(シェレールさんは、シェレールさんの姿で警備兵に会いました。)
 へぇ、それで?
(そして、シェレールさんは警備兵に向かってこう言ったんです。「早くお母様のところへ連れて行ってください。」と、ものすごく怖い顔で。)
 そ、そうなんだ。でも、それでなんで王家の座を降ろせれられるんだ?
(シェレールさんは、ガイシス国王に一つ魔法をかけていました。)
 魔法?
(はい、もしもなにか問われた時、嘘をついたら体中がとてつもない痛みに襲われる魔法です。)
 そんな魔法があるんだな。
(いえ、それはシェレールさんが作った魔法です。)
 え!?シェレール、魔法とか作れるの!?
(頑張っていましたよ。)
 でもさ、ガイシス国王が何も問われなかったらどうするんだ?
(そんなこと、有り得ませんよ。勇者である斉藤は、マスターの手によって死んでしまいました。昨日、勇者を連れ回していたのはガイシス国王なのですから何かしら必ず問われるはずです。そして、ガイシス国王の悪巧みもそこで吐かされるでしょう。)
 へぇ、そんなことまでシェレールは、考えてたんだな。
(全くすごい子ですね。マスターみたいにすぐキレる人とは大違いです。)
 え!?なに!?ナビさん!?ちょっと俺の事悪く言った!?
(いえ、なんでもございません。)
 まっ、なんでもいいよ。
 それよりもなんでシェレールは、そんな魔法作ったんだ?
(それは………もし、マスターがシェレールさんに何も伝えず出掛け、そして帰りが遅くなった時に何をしていたのか白状させるために作っていました。)
 え?それって………
(本来はマスター専用ってことですね、あの魔法。)
 怖っ!え!?怖っ!
 まだそんなことしたことないからシェレールに何も疑われてないけど……よ、よし!絶対にシェレールに何も伝えずに出かけるようことはしないどこ。
「竜斗〜!朝ごはん出来ましたよ!」
「っ!は、はいぃ!」
「ん?」
 その後、俺は少しシェレールにビクビクしながら朝食を済ませた。
 朝食は、俺が食べやすいようにスープ系のものにしてくれた。こんなところを見るととても優しいというのが分かる。だが、その分怒った時は本当にやばいのだろう。
 絶対にシェレールを怒らせてはいけない。俺は、心の中でそう誓った。

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