クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

145話 闇の中

 シェレールside
「竜斗!!」
 私は、暴走している竜斗に向かって声をかけました。
「なんだぁ?」
 竜斗は、そう言いながら私の方を向きました。
 そして、私の姿を見て竜斗はこう言いました。
「なんだ、シェレールか。お前、どうやってあの空間から出たんだよ?」
「ナビさんのおかげで出ることが出来ました!それよりも竜斗!どうしてそんな力を使ったのですか!?」
「何故かだと?それもナビから聞いてるはずだ。お前のために使ったんだよ。」
「わ、私のためにそんな力を使っても全く嬉しくありません!早く元の竜斗に戻ってください!」
「はっ!元の竜斗?意味がわからないな。オレは、俺だ。お前の大好きな柊竜斗だ。」
「違います!あなたなんか竜斗じゃありません!」
「ちっ!うるせぇな。竜斗はオレだって言ってるだろ?」
 こうなったら私の聖女の力で治してみせます!
 でも、どうやって近づいたらいいんでしょうか。
 だめですね。こんなに考えては。
 私は、竜斗に近づくため1歩前へ出ました。
「いいのか?今のオレに近づいたら怪我をしてしまうかもしれんぞ?」
 竜斗は、私に脅しをかけてきますが私はそれを気にせず竜斗に近づいていきます。
「っ!お、おい!本当に怪我をしても知らんぞ!?いや、怪我じゃすまないかもな!」
「………」
「本当に知らんぞ!」
「大丈夫です。竜斗は私に攻撃なんてしませんよ。」
「なぜ、そんなことが言えるんだ!?」
「だってあなたは竜斗なんでしょ?なら、大丈夫です。」
「こ、後悔しても知らんからな!」
 竜斗は、そう言って手のひらに火の玉を出しました。
「ほら!これで脅しじゃないって分かっただろ!?」
「ふふっ、大丈夫ですよ。」
 私は、そのまま歩き続けます。
「く、くっそー!!」
 竜斗は、その火の玉を私に向けて発射しました。
 ですが、私はそれも気にせず歩き続けます。
 その火の玉は私の思った通り私には当たらず私の横を通り過ぎてしまいました。
「っ!来るな!来るなぁ!!」
 竜斗は、さらに火の玉を発射してきます。
「くそっ!なぜ!何故当たらないんだよぉ!」
 そして、私は竜斗の目の前へ来ました。
「ここであの火の玉を出されたら私は確実に無事ではすみませんね。」
 私は、竜斗に向かってそう言う。
「っ!」
 ですが、竜斗は火の玉を出す素振りはありませんでした。
「ふふっ、やっぱり竜斗でしたね。」
 私は、竜斗の頬を手で触りそして、顔を近づけ竜斗の唇へキスをしました。
 そして、私が離れると竜斗は頭を抱え苦しみだしました。
「っ!ぐ、ぐぁぁぁぁぁあああ!!!」
「竜斗!お願い!戻ってください!」

 竜斗side
 ………
「………と……うと……」
 誰かが呼んでる?
 誰だ?
 というよりここはどこだ?
 暗い、すごく暗い闇の中のようだ。
 俺は、周りを見渡す。
 だが、誰もいない。
 ただ、俺だけが立っている。
 あっ、なんか眠くなってきた。
 でも、こんな所で寝ていられない。
 俺は、絶対あいつの元へ帰るんだ!
 ん?あいつって誰だ?
 っ!本当に誰だっけ?
 悪すれちゃいけない人のはずなのに…一番大切な人なのに…なんて…なんで思い出せないんだ?
「思い出せないんならここで眠ってもいいんじゃないか?」
「っ!誰だ!?」
 俺は、周りを見渡すが誰もいない。
「オレは、柊竜斗だ。」
「何を馬鹿な事言ってやがる!俺が柊竜斗だ!」
「そう、オレは、お前でありお前はオレである。」
「意味わかんねぇよ。」
「まぁ、そんなことはどうでもいいんだ。ほら、今会いたいやつの名前も分からないのだろう?なら、今ここで眠ってしまった方が楽だろう。」
「い、いや!あいつのことは絶対に忘れられない!絶対に思い出す!」
「ちっ!黙って寝てればいいものを。」
「うるせぇよ。今から思い出すんだから邪魔すんな!」
「好きにしな。」
 それ以降あの声は聞こえなかった。
 あんな意味のわからない声のことより今はあいつのことを思い出さなくちゃ。
 もう首元くらいまで思い出せてんのになぁ!
 確か、し、し、し〜……
「……と……うと……」
 ったく!黙ったと思ったらまたあいつかよ!
 しかも今回はなんかすごい聞こえずらいし。
「なんだよ!また俺に何か用かよ!?」
 俺は、空中に向かって話しかけるが返答はない。
「おい!なんなんだよ!?」
 俺が怒鳴ってもなんの声もしない。
 ったく………ってもしかしてあの声じゃ……ない?
 俺は、そんな可能性が頭の中に出てきた。
 なら、一体誰なんだ?
「お〜い!お前は一体誰なんだ!?」
 俺は、再び空中に向かって叫ぶ。
 だが、返事はない。
 う〜ん、なんだったんだ?
「……と……うと……」
 っ!
 あの声がもう一度した。
 待て、この声………聞き覚えるのある声だぞ。
 このすごい可愛らしい声。
「…………ははっ……ははは!」
 俺は、空を見ながら笑う。
 そうだ。思い出した。

「……竜斗!!!」
 空から俺の名前を呼ぶ声が今度はハッキリと聞こえた。
 そして、その瞬間闇の中にとても明るい光が見えた。
 それはもう明るすぎて俺の眠気がどこかへいってしまうぐらいの光だ。
 そうだ……あいつの名前は……
 シェレール!!!

コメント

  • ユチチユチチ

    君の名はみたいな感じで草

    0
  • ZOE

    目覚めたかよかった

    0
  • ペンギン

    やっと目覚めた〜...良かったぁ〜

    1
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