クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

139話 朝食

「………」
「………」
 俺たちは今、朝食を食べている最中だ。
 だが、それは楽しい朝食ではなくずっと沈黙が続いている息苦しい朝食だった。
 なぜだろうか。シェレールが少し怒っているように見える。
 女将さんが来るまではすごい機嫌が良さそうだったのに。
 ………う〜ん、せっかくの朝食がこれじゃ寂しいな。
 シェレールがなぜ怒ってるのか聞かないといけないな。
「なぁ、シェレール?」
「………はい、なんでしょう?」
 シェレールは、冷たい声でそう言う。
 これはだいぶ怒ってるな。
「シェレール、怒ってる?」
「怒ってなどいません!ええ、全く!」
 いえ、完全に怒ってますよ。
「ご、ごめん!もし、俺が何かしていたんだったら本当にごめん!」
 俺は、シェレールに向けて土下座をした。
 俺がなにかしていたのならまずは謝って許してもらう。それからしっかりと話し合う。
「………竜斗は、私が不機嫌な理由がわからないんですか?」
「………ご、ごめん、分からない。」
「なら、許してあげません!」
 シェレールは、そう言うとフンと言って顔をそむけた。
 お、俺、何をしたんだ。
 ………全く心当たりがないのだが。
「……本当にわからないんですか?」
「………ごめん……ははっ、自分の彼女の考えていることさえ分からないなんて……こりゃ本当に嫌われても仕方ないな。」
「ち、違います!嫌ってなどありません。竜斗のことは大好きです!」
「そ、そうか。でも、実際俺はシェレールの考えてることがわからない。」
 俺は、そんな俺がすごく腹立たしい。
「……では、私から一つアドバイスをしましょう。」
「アドバイス?」
「もし、私が竜斗の知らない男性と内緒話をしていたらどう思いますか?」
「え?………えっと、腹が立つな。シェレールが俺以外の奴と内緒話をしてるなんて。」
「そうですよね。私もそうです。」
「え?どういう………ああ!そうか!」
「気づいてもらえました?」
 シェレールは、俺が女将さんと内緒話をしていたのが気に食わなかったのか。
「ああ、分かった。だからもう一度、謝らせてくれ。本当にごめん!」
 確かにそうだよな。ほかの女の人と内緒話をしていたらそりゃ腹が立つわ。
「………竜斗、許すには私が出す条件を守ってもらう必要があります。」
「条件?」
「はい。一つ、私以外の女の人との内緒話は禁止。二つ、私以外の女の人との接触行為は厳禁。守れますか?」
「あ、ああ、約束するよ。」
 シェレールって結構嫉妬深いんだな。
「ふふっ、なら許します。」
 シェレールは、そう言って立ち上がり朝食を乗せたお盆を持って俺の横にくっ付いた。
 ………これはどんな状況なのだろうか。
「竜斗、はい、あ〜ん。」
 シェレールは、朝食のおかずを箸で取って俺の口元へ寄せてそう言った。
「あ、あ〜ん。」
 俺は、それを食べる。
「美味しいですか?」
「あ、ああ、美味しいよ。」
「……竜斗は、してくれないんですか?」
「あ、ごめん。はい、あ〜ん。」
「あ〜ん!………ふふっ、美味しいです!」
「………な、なぁ、シェレール?俺としては嬉しいんだが、何故そんな急に甘えてきたんだ?」
「え?それはもちろん竜斗が好きだからですよ?それ以外に理由がありますか?」
 シェレールは、当然だと言う顔でそう言った。
「なぁ、シェレール?そんなこと言って恥ずかしくないのか?」
「いいえ、全く恥ずかしくなんてありませんよ。私は竜斗が好きだってことを誇りに思ってますので。」
 その台詞がすごい恥ずかしいんだが。まぁでも俺もシェレールと恋人なんて誇らしいな。
 それから俺たちは、互いに食べ合いさせながら朝食を終わらせた。
「竜斗〜」
 俺は、約束通りシェレールとずっと一緒だ。
 シェレールは、昨日のあの初体験以来からずっと俺に甘えてきている。
 まぁ、毎度のことだが俺としても当然嬉しい。
 逆に嬉しくない人なんている?自分の彼女が甘えてくるんだよ?嬉しいでしょ!?
(マスター、いいですか?)
 ん?ナビか。どうした?
(ガイシス国王と斉藤が昨日の一件を調べるため今から街中を探るようです。恐らくこの宿にも来るでしょう。)
 とうとう動き出したか。これはさっさと街を出た方がいいな。面倒事になりそうだし。
(ちなみに門も閉鎖されました。)
 ってことは普通にはこの街を出れないということか。まぁ、転移を使えばいいか。ってかユイのところに行こっと。
「シェレール、斉藤とガイシス国王が動き出した。昨日の一件を調べるためにいまからこの街中を探るんだって。」
「そ、そうですか。」
 シェレールの声は少し寂しそうだった。確かにそうだよな。自分の父親が犯罪に手を染めてるんだから悲しいわけないよな。
「シェレール、お父さんが悪いことをしたのは確かなんだ。しっかりと受け止めないと。」
「え?お父様?」
「え?お父さんが犯罪に手を染めてるから悲しかったわけじゃないの?」
「ち、違います!わ、私は……竜斗とせっかくイチャイチャできていたのにもう終わるんだって思って少し悲しくなったんです。」
「あ、ああ、なんだ、そんな事か。」
「そんなことってなんですか!せっかく一日中イチャイチャできていた日なんですよ!?勿体ないじゃないですか!」
 シェレールは、頬をふくらませ怒りの表情を出す。
「ま、まぁ、そうだが……とにかく早く出るぞ。急がないと斉藤たちが来る。」
「そ、そうですね。でも、もうあとは出るだけですよ?」
「まぁ、そうなんだがな。アイテムボックスって本当に便利だよな。」
「そうですね。それでは行きますか。」
「ああ、早く出よう。」
 俺は、女将さんに部屋の鍵を渡し、宿の外へ出た。
 が、もう遅かったようだ。
「お前たち、何を焦っているんだ?」
 俺たちは、1人の兵士に声をかけられた。

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コメント

  • カツ丼

    末永く爆発しやがれ下さい(便乗)

    2
  • 白髪

    いつまで続くの?笑

    2
  • ノベルバユーザー156040

    末永く爆発しやがれ下さい

    4
  • レッD

    末永く爆発してください

    4
  • ノベルバユーザー264858

    いい感じのイチャつきですねぇもっともっとやって欲しい笑

    3
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